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登別マリンパークニクスでアシカ・アザラシの一日飼育員体験!

4月19日は、しいく(飼育)の日。全国の動物園や水族館で、飼育に関するイベントが開催されました。登別市にある登別マリンパークニクスでは、この日「おとなの一日飼育員体験」を実施。運よく選ばれ、「アシカ・アザラシ」の一日飼育員を体験してきました。

当日、朝8時半にマリンパークニクスに集合。開園前の準備から開始します。今回の募集は「魚類・鳥類」「イルカ」「アシカ・アザラシ」「両生類・爬虫類」の4つ。7人の応募者の中から選ばれた3名(1名はキャンセル)が、それぞれの持ち場に就きます。

リングを回るゼニガタアザラシ

すでに開園準備は始まっていました。まずは勤務歴が最も長い飼育員Kさんとアザラシのリングプールの清掃と餌やりを開始。

マリンパークニクスには一組の親子のほか、去年6月にえりも地域の個体群管理の目的で捕獲されてやってきた“ミサキ”を含めて4頭のアザラシがいます。

登別マリンパークニクスでアシカ・アザラシの一日飼育員体験!

餌をあげるときバケツを傍らに置いておくと、「隙アリ」とばかりに、それに首を突っ込んでムシャムシャ。バケツは左手で抱えていないといけないそう。

▼日本でも希少なリングプール
登別マリンパークニクスでアシカ・アザラシの一日飼育員体験!

珍しいリング状のプールは、香川県の新屋島水族館と同様なプールを設置。右手を高く上げると、アザラシがクルクル回りました。勝手に回っているときもありますが、意図的に回ってもらうとなると、やはり餌が必要なようです。

毎日欠かせない健康管理と餌

▼体温測定
登別マリンパークニクスでアシカ・アザラシの一日飼育員体験!

健康管理も大切な仕事のひとつ。体温は直腸から測ります。平均体温は人間より少し高く、36~38度くらい。ヒョイとお尻をあげる姿がかわいい!

▼魚の価格高騰が悩みの種
登別マリンパークニクスでアシカ・アザラシの一日飼育員体験!

バックヤードに戻り、10時半から行われるアシカショーに向けて餌の準備をします。ポイントは、食べやすいように斜めに切ることと、傷んだ内臓を食べて体調を崩さないように内臓を取り去ること。自分の用意した餌がショーに使われると思うと嬉しいです。

1回目のショータイム

▼カリフォルニアアシカのショーが始まるよ
登別マリンパークニクスでアシカ・アザラシの一日飼育員体験!

ショーの時間が近づき、飼育員のHさんと一緒にお客さんを誘導します。近年では台湾からのお客さんが占めるため、中国語や広東語も交えてご挨拶。

私には音響係の役割が与えられました。ショーの展開に合わせてボリュームを落とし、音楽を変更します。まずは問題なく本日1回目のショーが終了。動物、飼育員が一丸となってショーを作っていることを実感しました。

▼まったりと休憩中
登別マリンパークニクスでアシカ・アザラシの一日飼育員体験!

飼育員の仕事は、ショーのような派手な部分はほんの少しで、餌の用意や掃除が大半を占めます。アシカ・アザラシチームの若手スタッフHさんは奈良県の出身。大阪の専門学校を卒業後、マリンパークニクスに就職したそうです。水族館は全国に100ヵ所ほどありますが、採用は狭き門。手荒れを我慢しながら仕事に打ち込む姿が素敵です。

ベテラン飼育員のSさんはチームの”おかん”的役割。ショーで話している場面は何度も見ましたが、雑談をしている姿が新鮮に感じます。飼育員さんとの距離の近さも、一日体験の楽しさのひとつです。

趣向を凝らしたニクスグルメを堪能

▼ものすごいボリュームで大満足
登別マリンパークニクスでアシカ・アザラシの一日飼育員体験!

一日体験者は、館内にあるレストランの食事が半額になるので、道産豚を使用したモモカツを注文。想像以上に大きくて食べごたえあり。午後に備えてパワーを補給しました!

2回目のショーに緊急事態発生!?

▼アシカショーからオットセイショーに変更
登別マリンパークニクスでアシカ・アザラシの一日飼育員体験!

まったりと昼休みを過ごし、13時30分から始まるアシカショーの用意に取り掛かっていると、緊急事態が発生。ショーで使うプールで泳いでいた、オットセイの子供であるマオが、バックヤードへ戻るのを渋っています。これまでは母親にベッタリでしたが、最近は親離れ、子離れが進んでいるそうです。

刻一刻とショーの時間は迫り、お客さんが会場入りするものの、マオは一向に戻る気配がありません。これまで経験したことがない状況だそうです。急きょアシカショーを中止して、即興のオットセイショーを行うことになりました。

突然のショーに、オットセイも興奮気味。お母さんもマオが気になるらしく、ショーに集中できない場面も見られます。ともすればグダグダになる場面も、ベテラン飼育員の話術と技術でキッチリと収め、なんとかショーは終了しました。

お客さんへの対応も大切な仕事

▼動物が好きなだけでは務まらない
登別マリンパークニクスでアシカ・アザラシの一日飼育員体験!

オプションのアシカとの触れ合いに1組のお客様が参加。餌をあげたり、指示を与えたり楽しんでいます。「動物が好き」ということも大切ですが、飼育員はコミュニケーション能力や説明力も大切なのですね。

▼最後の交流そして終わりの時間
登別マリンパークニクスでアシカ・アザラシの一日飼育員体験!

終了の時間が近づき、最後にもう一度餌やりと指示出しを体験させてもらいました。お腹のあたりで左から右へ手を開くと、アザラシはゴロリと寝転がります。身体を触ってみると毛は硬くスベスベ。今度は自然の姿を観察しに行きたいと思います。

飼育員体験は、忘れていた何かを思い出す

「おとなの飼育員体験」は、大人だからこそ「楽しい」以外に感じるものがありました。動物たちを維持するためには餌を用意し、健康や生活環境を整えるなどの地味な作業が必要です。どれも重労働ですが、飼育員の方々は楽しそうに仕事をされています。

その笑顔から「楽しむとは、ラクをすることではない」というメッセージを受け止めました。当日はバタバタと時間が過ぎた感じですが、時間を置くと一つ一つの体験が心にしみわたります。来年も実施されると思いますので、是非参加してみてください。

登別マリンパークニクス「大人の飼育員体験」
所在地:北海道登別市登別東町1丁目22
体験時間:8時半~15時
参加料:4,190円(入園料金・体験料・保険料を含む)

筆者について

吉田匡和

吉田匡和

札幌在住の文筆家・写真家。日本のすべての年金制度(厚生年金・国民年金・国家公務共済・地方公務員共済・私学共済)に加入したことがあるという、自慢にもならない経歴を持っています。苦労しなくて済む程度のアウトドアが趣味で、夕日を見ながらビールを飲むのが大好きです。【Sクラス認定ライター】