トピックス

築85年 函館随一の歴史的建築物がホテル「HakoBA函館」として開業

Written by 鈴木拓也

函館市末広町の八幡坂下に、小ぶりながらもどっしりとした、ルネッサンス様式のコンクリート建築物があります。そして隣には、また別の雰囲気をもった赤レンガ造りの建物がたたずんでいます。

この二つの建物がリノベーションされた上で、ホテル「HakoBA 函館 -THE SHARE HOTELS-」として5月26日にグランドオープンします。

ホテル建築物の歴史

「HakoBA 函館」として使われる建物には、長い歴史があります。

コンクリート造りの建物は、1932年に安田銀行函館支店として建てられたものです。表通りに面した側は円形の付け柱を4本建て、その間に縦長の窓を配した作りで、なかなかの貫禄があります。小樽を訪れた方なら、よく似た建物があったのを思い出すかもしれませんが、そちらも同じ時代に竣工した安田銀行小樽支店だからです。

安田銀行は、戦後の財閥解体に伴い富士銀行と名前を変えました。「富士銀行 函館支店」のプレートが、今も入り口を入ったところに掲げられているのは、そのためです。

1968年、函館どつく社が建物を買収し、海外の船主・上級船員用の宿泊施設として用いられました。1989年には、函館市の景観形成指定建築物に指定されています。

後にオーナーが変わって、ここは「ホテルニューハコダテ」として開業します。そのレトロな趣にとりつかれ、絵本作家の東君平や小説家の辻仁成が定宿とするなど、通好みに喜ばれていましたが、2010年に閉館しました。

一方、赤レンガの建物は1986年に竣工したもので、レストランとして使われたのち、2003年4月に「はこだて西波止場美術館」として開館しました。著名テディベア作家「高橋ミチ&ヒロ」の作品を多数展示するなど、テディベアアートのミュージアムとして親しまれてきましたが、2011年に「はこだて明治館」への移転を機に閉館しました。

これら2棟の建物を、再びホテルとしてよみがえらせたのが、株式会社リビタ(東京都)です。これまで「HATCHi 金沢」、「LYURO東京清澄-THE SHARE HOTELS-」と、遊休施設を活用し「シェア型複合ホテル」として、ホテルを立ち上げた実績があります。

「シェア型複合ホテル」とは、冷蔵庫や調理道具の揃った共用キッチンなど、宿泊者が「シェア」(共用)できるスペースを備えたホテルのことです。ときには地域向けの郷土料理のワークショップなども開催し、旅行者と地域の人たちの交流もはかります。

「HakoBA 函館」は、同社の「シェア型複合ホテル」として3番目の施設となり、キッチンやブックラウンジなどシェアスペースの充実がはかられています。

旧ホテルニューハコダテは“BANK”へ

「HakoBA 函館」は、隣り合う二つの建物から構成されますが、旧「ホテルニューハコダテ」の方は、“BANK”という呼び名がついています。

築85年 函館随一の歴史的建築物がホテル「HakoBA函館」として開業

こちらは、ツイン・ダブルの個室タイプが19室あります。くわえて、定員4名(上下階2室のツイン)の、函館山をのぞむプライベートテラス付のメゾネットタイプ1室という客室構成です。

AirBookmark

筆者について

鈴木拓也

函館生まれ。大学入学を機に上京。東京で就職したのち、札幌の企業に15年間勤務。2016年にスピンオフして、函館に戻りフリーライターとなる。関東・関西の出版社向けにも月50本ほどウェブ記事を書くほか、ボードゲームの制作にも携わり、映画脚本も構想中で、守備範囲は広め。