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フィナーレを迎えたPMF!その集大成となるコンサートの模様をリポート

石簾マサ
Written by 石簾マサ

今年で28回目を迎えたPMFも、とうとうフィナーレを迎えました。7月中は札幌のあちらこちらで無料のミニコンサートが開催され、しばし耳を傾けたという人もいたのではないでしょうか。

札幌市民にとって、クラシック音楽がより身近になる約1ヵ月間。その集大成とも言うべきGALAコンサートが、7月29日(土)に開催されました。翌30日(日)のピクニックコンサートの様子と併せて、ご紹介します。(トップ写真提供:PMF組織委員会)

教授陣とアカデミー生の熱い1ヵ月間

2017年の「PMF GALAコンサート」は、7月29日(土)、札幌コンサートホールKitaraにて開催されました。早くからチケットが完売になるほど人気のコンサートで、同日小ホールで開催の「PMF GALAプレコンサート」では席を追加してもあふれてしまうほど! 開場時間前から多くの人が集まり、熱気に満ちあふれていました。

▼ファンファーレと共に開演したPMF GALAコンサート(写真提供:PMF組織委員会)
フィナーレを迎えたPMF!その集大成となるコンサートの模様をリポート

午後3時、トランペットによる高らかなファンファーレと共に、いよいよ開演! モーツァルト「エクスルターテ・ユビラーテ K.165」から『アレグロ』『アレルヤ』が披露され、華やかなソプラノで盛り上げてくれた天羽明惠さんが、そのままMCも務めます。

「モーツァルトを聴くと頭が良くなるという研究結果があるんですよ」
と、指揮を務めたダニエル・マツカワ氏に対して、
「それでは引き続き、モーツァルトを聴いていただきましょうね」
と天羽さんのウィットに富んだ返し! 息の合ったやりとりで会場を和ませます。

続いてステージに登場したのは、元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスターで指導にあたったライナー・キュッヒル氏と4人のPMFアカデミー生たち。モーツァルトの弦楽五重奏を軽やかかつリリカルに表現し、観客からの喝采を浴びていました。

感動的だったのは、降り注ぐ拍手の中、キュッヒル氏がひとりひとりとハグを交わしていたこと。この1ヵ月間に築いてきたであろう確かな師弟関係を思わせる姿に、観客たちの胸も熱くなりました。これぞまさに国際教育音楽祭であるPMFならではの光景と言えるでしょう。

▼PMFアカデミー生と抱擁するライナー・キュッヒル氏(写真提供:PMF組織委員会)
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また、PMFにはヴォーカル・アカデミーも後半、指導を受けています。4人のアカデミー生がそれぞれに個性的なアリアを披露し、生の歌声の迫力を存分に聴かせてくれたのも、印象的でした。

ここで30分の休憩が入り、観客たちはそそくさと席を立ちます。向かう先は、会場ロビー。休憩明けにみんなで歌う、PMF恒例の「PMF賛歌~ジュピター~」を練習するためです。天羽明惠さんの巧みな指導により、歌声がロビーに響き渡ります。

▼指揮をするワレリー・ゲルギエフ氏(写真提供:PMF組織委員会)
フィナーレを迎えたPMF!その集大成となるコンサートの模様をリポート

休憩が明けたら、いよいよ本番。ステージにはPMFオーケストラと札幌大谷大学芸術学部音楽学科の合唱団がズラリと勢揃いし、PMF芸術監督を務めるワレリー・ゲルギエフ氏が登壇します。その圧倒的なオーラに魅せられていると、すぐに演奏がはじまりました。ホルストの楽曲に、PMFのために書き下ろされた歌詞が付いた「PMF賛歌~ジュピター~」を会場全体で歌うのは、毎年恒例のPMF風物詩です。毎年のように参加している人も、今年はじめて参加する人も、みんな同じく声を揃えて高らかに歌い上げる気持ち良さ。最後は、金色のテープが舞って、なんともすがすがしい雰囲気が会場を包み込みました。

▼会場を舞った金色のテープ(写真提供:PMF組織委員会)
フィナーレを迎えたPMF!その集大成となるコンサートの模様をリポート

第1部の興奮も冷めやらない中、午後5時には第2部が開演。2017のPMFオーケストラが、この1ヵ月で教授陣から学んだことや練習の成果を、ここでお披露目するのです。曲はワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲(ドレスデン版)。威風堂々たる旋律でお馴染みのこの楽曲は、若くて勢いのある演奏家たちにピッタリの選曲で、1ヵ月前のオープニング・コンサートからの成長をまざまざと見せつけてくれます。ゲルギエフ氏の指揮にも自然と熱が入り、会場全体のボルテージが高まっていくのを肌で感じることができました。

若き音楽家といえば、続いて登場したダニエル・ロザコヴィッチ氏にも驚かされました。なんと2001年生まれ、まだ16歳という若さで、堂々とブルッフのヴァイオリン協奏曲を弾き上げたのです。その繊細で美しい音色、才能のきらめきは、これからぜひ注目していきたいところです。

GALAコンサート最後の曲は、アカデミー生の指導にあたった、PMFアメリカも加わったPMFオーケストラによるシューベルト「交響曲第8番ハ長調D.944『ザ・グレイト』」。プロとして活躍する演奏家たちに真剣についていくPMFアカデミーたちが、圧巻のステージを繰り広げます。ぴたりと揃った演奏は大きなうねりとなって、会場全体を揺り動かす迫力です。もちろん、最後は大喝采。大盛り上がりで、2017のPMF GALAコンサートは幕を閉じたのでした。

牧歌的な雰囲気のピクニックコンサート

▼晴天の中行われたピクニックコンサート(写真提供:PMF組織委員会)
フィナーレを迎えたPMF!その集大成となるコンサートの模様をリポート

GALAコンサートの興奮も冷めやらない翌30日(日)、今度は札幌芸術の森・野外ステージにて「ピクニックコンサート」が開催されました。前日の、ピンと緊張の糸が張っていた雰囲気とはまったく異なり、ピクニックと名の付く通り、なんとも牧歌的な雰囲気のコンサートです。

コンサートの構成自体は、GALAコンサートにさらに数曲を加え、盛り沢山な内容。出演者もタキシードやドレスからPMFのオリジナルTシャツ姿に着替え、ラフな雰囲気が漂います。観客も、芝生席ではテントを張ったりレジャーシートを敷いたり、食べたり寝転がったり、思い思いのスタイルで音楽を自由に楽しみます。その光景は、まさにユートピア!

▼PMF創設者のレナード・バーンスタイン氏(写真提供:PMF組織委員会)
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PMF創設者であるレナード・バーンスタイン氏は、きっとこんなふうに音楽を身近に感じてもらいたいという思いを持っていたに違いありません。札幌の夏に、すっかり馴染んだ感のあるPMF。晴れ渡った空に音が吸い込まれていきそうな、そんな爽やかな真夏の一日。バーンスタイン氏の思いは、きっとこの先も受け継がれていくでしょう。

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筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。【編集部専属ライター】