トピックス

ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

世界最大級の油彩画を展示している新冠の「太陽の森 ディマシオ美術館」に関しては、以前も北海道ファンマガジンでご紹介しました。(→記事はこちら) そのディマシオ美術館の隣に、2018年3月31日、新たな美術館が誕生したといいます。ガラス張りの建物で、ガラス工芸品を展示する、その名も「ガラスの美術館」なのだとか。これは気になるということで、さっそく足を運んでみました。

廃校のプールをガラス張りの美術館に

▼自然の中に佇むディマシオ美術館
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

まずはディマシオ美術館について、少しおさらいしておきましょう。ディマシオ美術館は、旧太陽小学校校舎を活用し、2010年8月にオープンしました。フランス幻想絵画の第一人者であるジェラール・ディマシオ氏の油彩画を中心に、約200点位上もの作品を収蔵、展示しています。中でも圧巻なのが、この油彩画。

▼1997年制作、世界最大級の油彩画
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

写真では伝わりづらいかもしれませんが、大きさは縦9メートル、幅27メートル。キャンバスの前に立つと、まるで絵の中に取り込まれそうな感覚になるほど、巨大な作品です。最近では、光と音による演出を新たに始め、さらに見応えが増しました。ただ、このとてつもない大きさに加え、幻想絵画という独特の世界観から、作品を見た子どもたちから「怖い」との声が上がることも。

▼子どもも楽しめる工夫はあるものの……
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

美術館としては、ぜひ家族で楽しんでもらえる空間にしたいと考えていました。そこで、思いついたのがガラスの美術館だったというわけです。幸い、敷地内には廃校となった小学校のプールがありました。これを新たな美術館として蘇らせることにしたのです。

▼改造前のボロボロだったプール(写真提供:ディマシオ美術館)
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

そもそもディマシオ美術館は、東京にもパリにもない、自然の真っ只中に建つ美術館です。ガラスの美術館も、こうした自然をたっぷり感じられるものにしようと考えました。そこで、壁を全面ガラス張りにするというアイデアが生まれたのです。

▼鮮やかなブルーの屋根も印象的
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

ガラス張りにしたことにより、自然光が入り込み、展示されているガラス工芸品を照らします。時間によって刻々と変化する自然光が、作品にも影響を与え、より多彩な楽しみ方、多彩な魅力を発見できるはずです。

家族で半日たっぷり楽しめる美術館に

ガラスの美術館には、約150点のガラス工芸品が展示されています。中でも目を引くのが、19~20世紀にかけてフランスで活躍した、ガラス工芸作家ルネ・ラリックの作品です。

▼ルネ・ラリックの作品を中心に展示
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

実際の作品をいくつかご紹介していきましょう。

▼「3匹のツバメ」1920年制作
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

シンボリックなツバメの姿が絡み合う、香水瓶です。一見、素っ気ない構図に見えますが、ずっと眺めていると不思議に艶っぽさを増していきます。

▼「シュザンヌ」1925年制作
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

光の加減により、瑞々しささえ感じる裸婦像です。柔らかな体の丸みや布の質感など、これがガラスでできているのかと驚くばかりです。

▼「クリシス」1931年制作
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

大胆な構図と美しいバランスが印象的な裸婦像です。ガラスの美術館では自然光を浴びることにより、像そのものの色が変化し、さまざまな表情で見る者を楽しませます。

この他、日本人作家の壹谷旭の作品も多く展示しており、日本の近代ガラス工芸創世記を肌で感じることができます。

▼ディマシオ美術館の中にも作品が
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

ルネ・ラリックの作品は、隣接するディマシオ美術館でも見ることができます。

▼ステンドグラス アトリウム
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

豪奢なステンドグラスを背景に見るガラスの作品群は、自然光で見るのとはまた違った趣があります。両方を見比べてみると、ガラス工芸品の奥深さをより理解し、堪能することができるでしょう。

▼ナスのボロネーゼ(スープ&サラダ付きで1,100円)(写真提供:ディマシオ美術館)
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

実は「家族で半日間たっぷり楽しめる」というコンセプトがあるディマシオ美術館。お腹が空いたら、本格的なイタリアンが食べられるレストランもあります。また、取材時にはまだ完成していませんでしたが、ガラスの美術館の前には見応えある花園もできる予定です。

▼セキュリティ担当のマスク
ガラス張りの建物にガラス工芸品を展示―ガラスの美術館が新冠町に誕生

そして、美術館を散策していると出会えるのが、3匹の猫。彼らには、セキュリティ担当という立派な任務があります。マスク、トラ子、カジママの3匹をぜひ探してみてくださいね。

「美術館」というと、なんだか高尚で敷居の高いイメージがありますが、このディマシオ美術館とガラスの美術館は、なんとも居心地のいい空間。肩肘張らずに芸術に触れ合えて、美しい作品の数々が心を豊かにしてくれます。ぜひ家族で訪れて、芸術の楽しみを再発見してみてください。

太陽の森 ディマシオ美術館
所在地:北海道新冠郡新冠町字太陽204番地の5
電話:0146-45-3312
開館時間:2018年3月31日(土)~11月25日(日)の木・金・土・日・祝 9時30分~16時30分(16:30まで入館できます)
入館料:一般大人1,100円、高校生・大学生900円、中学生300円、小学校以下無料、太陽地区在住の方無料
公式サイト
Facebookページ

筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。【編集部専属ライター】