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開業3周年の道南いさりび鉄道「おでん列車」で沿線の魅力を満喫

五稜郭駅(函館市)と木古内駅(木古内町)を結ぶローカル鉄道「道南いさりび鉄道(いさ鉄)」が3月9日に「おでん列車」を運行しました。開業3周年記念として初めて運行されたこの列車に乗車してきました。

▼おでん列車として運行した「ながまれ号」
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おでん列車は函館駅から発車。出迎えのアテンダントさんに案内されて車内に一歩入ると、漁網をあしらった装飾とのれんが真っ先に目に入ります。一気に高まる旅行気分。

▼のれんをくぐって席に着く
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客車内も提灯やイカのぬいぐるみなどで装飾され、にぎやかな雰囲気。発車して間もなく、函館駅すぐそばの道南いさりび鉄道社屋で手を振るいさ鉄社員の見送りを受けます。その後も沿線住民の大漁旗による見送りなどを受けながら、列車は一路木古内へ。

▼車内装飾
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道南いさりび鉄道とは?

道南いさりび鉄道は、北海道新幹線開業にともなってJR北海道から経営分離された並行在来線「江差線」を引き継いだ第3セクター鉄道。北海道新幹線開業と同じ2016年3月26日に運行を開始しました。

▼沿線の人々が大漁旗で「おでん列車」を歓迎
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今回の「おでん列車」は、沿線自治体(函館市・北斗市・木古内町)の官民で構成された「道南いさりび鉄道地域応援隊」が企画。観光列車としても運用されている「ながまれ号」を貸し切って函館~木古内間(41.2km)を往復する旅行商品として発売され、定員いっぱいの30人が参加しました。

▼アテンダントが車窓案内してくれるので、ユニークな駅舎や見どころの景色を見逃さずに済む
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沿線の食の魅力が続々登場

▼上磯駅商店会による立ち売り
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上磯駅のホームでは、懐かしい立ち売りを再現。昔なら窓越しに買ったものですが、今はそういうわけにはいきません。いったんホームに下車して購入。どの商品も大変な人気であっという間に売れていきました。

▼立ち売りでシューマイと串団子を購入。北斗市産のホッキ貝を使った「ホッキしゅうまい」もあったが、写真を撮っている間に売り切れた
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▼津軽海峡を眺めながら、その海水から作った塩が入った「みそぎの塩サイダー」を飲む
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発車から約1時間経過したところで、いよいよおでんと海鮮丼が席にやってきました。おでんは、沿線の和食店が木古内名産の「はこだて和牛」や北斗市名産の「峩朗(がろう)ガキ」など、地元食材をふんだんに使って仕込んだこの企画だけの限定品。紐を引いて温めるタイプなので、熱々の状態で食べられます。

▼この旅のメインである特製おでん
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▼メニューに食材を明記
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▼北斗市産ホッキを使った海鮮丼も
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海鮮丼も沿線の寿司店による特製品。北斗市名産のホッキ貝をはじめ、新鮮な海の幸が満載です。さらに、木古内町でしか買えない日本酒「みそぎの舞」の300ml瓶が1人1本つくというぜいたくぶり。食材の豪華さとおいしさに、思わず「これ普通に飲み食いしたら3,000円じゃきかないな」などと下世話なことを考えてしまいます。

▼木古内産のお米を使い、姉妹都市の鶴岡市で醸造された「みそぎの舞」
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木古内の名店の一品をデザートに

▼木古内駅に到着したおでん列車
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出発から約1時間50分かけて、終点の木古内駅に到着。駅向かいの「道の駅 みそぎの郷きこない」に立ち寄れるように、30分間の下車散策タイムが設けられました。

▼木古内町のキャラクター「キーコ」がお出迎え
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▼新幹線カラーの電飾が灯る「道の駅 みそぎの郷きこない」
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「道の駅 みそぎの郷きこない」は、イタリアンの巨匠・奥田政行シェフが監修するレストラン「どうなんde's(どうなんデス)」と、横浜の支店も大評判を呼んでいるベーカリー「コッペん道土(こっぺんどっと)」を併設していることでも有名。というわけで、木古内駅発車時にどうなんde'sのバニラジェラートとコッペん道土の「ぱくぱく塩パン」がデザートとして参加者に配布されました。

▼バニラジェラートとぱくぱく塩パン
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▼道の駅で「ながまれ号デザイン缶入りクッキー」を記念に購入。実は車内販売でも購入できたことを後で知った
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食べ物以外にも楽しい仕掛けが満載

続いて、函館を拠点に活動する講釈師・荒到夢形さんが拍手とともに客車内に登場。旧幕府軍艦で、今は木古内・サラキ岬沖に眠る咸臨丸にちなんだオリジナル講談を披露し、この地域にまつわる歴史をひもときました。

▼講談で沿線の歴史を知る
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ここで列車は、茂辺地駅に停車。ホームに灯された手作りキャンドルが参加者を歓迎してくれます。広いホームに一両だけぽつんと停まった「ながまれ号」と温かみのあるキャンドルの灯りが夜汽車ならではの旅情をかき立てます。

▼手作りキャンドルで歓迎
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茂辺地駅発車後は、函館湾越しに見える函館の「横夜景」を車内の灯りを消して鑑賞する演出も。ゆっくり鑑賞できるようにと、定期列車では行わない速度を落とすサービスもありました。

▼夜景が鑑賞できるように、車内をいったん消灯
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▼函館駅に帰着
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木古内駅出発から約1時間半後、函館駅出発からは約4時間後の午後8時前に列車は函館駅に帰着。食・景色・歴史・住民の歓迎など、様々な角度から沿線の魅力にふれることができた旅でした。

▼記念乗車券と地元写真家が撮った沿線風景の絵葉書が記念品として配布された
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なお、「おでん列車」は3周年記念の単発企画ですが、「ながまれ号」で沿線の魅力を体感する同様のツアーは「ながまれ海峡号」の名称で日本旅行が2016年から実施しており、同年の「鉄旅オブザイヤー」にも輝きました。高速化や時短の流れに逆行した「のんびり旅」をローカル鉄道で体験してみませんか?

道南いさりび鉄道

筆者について

佐々木康弘

佐々木康弘

札幌市北区新琴似出身。30歳で函館に移住してからふとしたきっかけでライターの道へ進み、旅行情報誌やネット媒体などを中心に年間70万字以上を執筆。道南地域で毎年100本以上のイベントに足を運ぶイベントウオッチャーとしても活動。【Sクラス認定ライター】