トピックス

まさにプレミアムな夜の連続 PMF2019を振り返る~その2~

30回目のアニバーサリー・イヤーとなったPMF2019。大いに盛り上がったコンサートの数々を振り返る第2弾は、PMFプレミアム・コンサート、PMF hitaruスペシャル・コンサート、PMFオーケストラ演奏会を取り上げます。どのコンサートも今年の目玉と言って過言ではない、素晴らしいプログラム。そして何より、アニバーサリーに相応しい演奏者の登場で、感慨深く感じたPMFファンも多かったのではないでしょうか。

「千人の交響曲」をPMFで披露!?

▼600人が奏でる音楽は大迫力!
まさにプレミアムな夜の連続 PMF2019を振り返る~その2~

PMFではお馴染みの会場、札幌コンサートホールKitaraにて7月20日(土)、21日(日)の両日に開催されたのが「PMFプレミアム・コンサート」です。演目はマーラーの『交響曲第8番』。こう聞いただけで、クラシック音楽ファンなら「え、あの演目を!?」と驚くかもしれません。何しろマーラー自身が指揮を執ったという初演では、なんと総勢1030人もの人がステージに立ったことから「千人の交響曲」との異名を持つ作品なのです。この日も、ステージ上から普段は客席として使用されているスペースまで、どんどん出演者で埋め尽くされていきます。なんと合唱団だけで約450人、すべての出演者を合わせると、なんと600人という大所帯です。そして、悠然とステージに登場したのが、指揮を務めるクリストフ・エッシェンバッハ氏!

▼クリストフ・エッシェンバッハ氏
まさにプレミアムな夜の連続 PMF2019を振り返る~その2~

1990年代に芸術監督としてPMF創成期を支えたエッシェンバッハ氏。シャープかつダイナミックな指揮で、600人もの演奏者をまとめ上げていきます。それにしても、600人が一斉に奏でる音の迫力たるや! 音楽を聴くというよりは、全身で受け止めているような、特別な体験。演奏者は途中、客席の中ほどや後方にも出現し、360度、まさに音に包まれているような感覚です。第1部と第2部を休憩なしで走りきり、終わった後は割れんばかりの拍手が! スタンディングオベーションで讃える人も数多く、鳴り止まないカーテンコールに、エッシェンバッハ氏は何度も何度も応えていました。その場に居合わせた人にとって、忘れられない特別な夜になったはずです。

新しい劇場、そして芸術監督登場!

▼観客が聴き惚れた宮田大さんのチェロ演奏
まさにプレミアムな夜の連続 PMF2019を振り返る~その2~

7月28日(日)に開催されたのは「PMF hitaruスペシャル・コンサート」。その名の通り、昨年9月にできたばかりの札幌文化芸術劇場hitaruで行われるコンサートです。新しい劇場とあって、音響効果は抜群。最初の『PMF30回記念オリジナル・ファンファーレ』の響きで、観客にもそれが十分伝わったことでしょう。打楽器だけで構成されるラウズの『ボーナム』も迫力満点です。エルガーの『チェロ協奏曲』でソリストとして登場したのは、宮田大さん。叙情的で歌うようなチェロの音色で、観客の心をしっかりと酔わせていました。最後はドヴォルザークの『交響曲第8番』。クリスチャン・ナップ氏のエネルギッシュな指揮と、PMFオーケストラの若い情熱がバチバチと共鳴し合うような演奏に、会場のボルテージも最高潮に達しました。

▼マトヴェィ・デョーミンさんと指揮のゲルギエフ氏
まさにプレミアムな夜の連続 PMF2019を振り返る~その2~

いよいよ札幌での最後のコンサートとなる、7月31日(水)の「PMFオーケストラ演奏会」。札幌コンサートホールKitaraのステージに、今年で5年目となる芸術監督のワレリー・ゲルギエフ氏が登場しました。ドビュッシー『牧神の午後への前奏曲』の細いフルートの旋律から始まったコンサートは、イベールの『フルート協奏曲』へと続いていきます。実はこの曲、今年の6月に開催された第16回チャイコフスキー国際コンクールにおいて、初めて創設された木管部門の優勝者がソリストを務めることが決定していました。そして登場したのが、ロシア出身のマトヴェィ・デョーミンさん。今まさに乗りに乗っている旬のアーティストの演奏は、瑞々しく刺激的。PMFらしい演出です。そしてPMF2019最後のプログラムはショスタコーヴィチの『交響曲第4番』。芸術監督とPMFオーケストラの思いがひとつとなって、舞台の上で昇華していきました。珍しく夏日の続いた今年の札幌ですが、夏の暑さに負けない熱気が、PMF2019では確かに感じられたのでした。

筆者について

編集部

編集部

北海道ファンマガジン編集部。編集部スタッフが取材執筆した記事や、名前を出さないライターの記事、寄稿記事の掲載の際にもこのアカウントが使われます。