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30メートルの凧が空を泳ぐ!石狩本町カイトフェスティバル初開催!

2019年9月1日、石狩市のはまなすの丘公園ヴィジターセンターで、「石狩本町カイトフェスティバル」が初めて開催されました。会場では様々なカイト=凧(たこ)を楽しむことができ、親子連れを中心に多くの人が集まりましたが、なぜ石狩でこのようなフェスが開催されたのでしょうか?

今回はイベント開催までの道のりと、現地リポートをご紹介します。

【動画】映像で見るイベントの様子

石狩は良い風が吹く絶好のカイトスポット

今回のフェスの仕掛け人は、石狩のカイト愛好家・白畠徹さん。白畠さんは元々関東在住で、東京方面で開催されているカイトフェスティバルによく参加されていましたが、その後実家のある旭川に一度戻ります。

▼全日本スポーツカイト協会(AJSKA)会員でもある白畠さん
30メートルの凧が空を泳ぐ!石狩本町カイトフェスティバル初開催!

ところが旭川は盆地なので、風があまりない地域でした。カイト愛好家として我慢できなくなった白畠さんは、良い風を求めて今から8年前に石狩本町に移住。

なぜ石狩なのかというと、石狩平野から苫小牧の方にかけて石狩低地帯と呼ばれるまっ平らな地形が続いているのですが、そこが両脇の山脈に挟まれる形となり、石狩がちょうど風が吹き抜ける道になるそうです。

日本海側からも、太平洋側からも安定した良い風が入って来ます。例えば東京方面の場合だと風がブレるので大きな凧を揚げたとき、上がったり下がったりして安定しないのに対し、石狩の場合は一定の状態をキープし続けることができます。

▼平地が続く会場
30メートルの凧が空を泳ぐ!石狩本町カイトフェスティバル初開催!

そんな素晴らしい風が吹く場所で、カイトフェスティバルを開催したいという思いを、白畠さんは移住した当初から持っていましたが、現実は厳しく中々実現には至りませんでした。それでも諦めずに市の関係者に提案を続けた結果、今年の7月末についに開催が決定します。イベント当日までの期間は約1ヶ月と非常に短かったものの、元々構想はあったためスムーズに準備をすることができたようです。

ここからは、8年越しの夢が実現した今回のフェスの中身に迫ります。

空を泳ぐ巨大立体凧

今回の目玉はなんと言っても、超巨大な凧のフライト。全長約25メートルのタコとマンタ、そして一番大きいシロナガスクジラの凧は全長約30メートルとなります。

▼赤と黄色のタコの凧
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▼カラフルなマンタの凧
30メートルの凧が空を泳ぐ!石狩本町カイトフェスティバル初開催!

▼本物のシロナガスクジラとほぼ同じ大きさ
30メートルの凧が空を泳ぐ!石狩本町カイトフェスティバル初開催!

空に浮かんで風になびいている様子は、海の中を泳いでいるように見えるので、下から見上げるとまるで空を泳いでいるように見えてしまいます。

クジラは単体だと吹き流しのようになってしまうため、その上に単体でも飛べるマンタを繋いで引っ張ることによって、バランスをとっています。タコは単体でも飛べますが、中々安定しないため、こちらにも上に小さな凧がつけられていました。上から引っ張る凧のことは、パイロットカイトと呼ばれています。

▼マンタは高い位置を飛んでいるので少し小さく見えるが、実際はこのとおり巨大
30メートルの凧が空を泳ぐ!石狩本町カイトフェスティバル初開催!

円状のユニークな凧はローターと呼ばれるもので、風の吹き方に合わせてグルグルまわったり、ボヨンボヨンと跳ねてローター同士でぶつかったりと、面白い動きをしていました。

30メートルの凧が空を泳ぐ!石狩本町カイトフェスティバル初開催!

こうした大きい凧はショーカイトと呼ばれ、主にオーストラリアのメーカーが作っていて、海洋生物以外にもドラゴンや天使など様々な種類があるようです。

ちなみに海外のカイトフェスティバルだと、このぐらいのサイズの凧が数十機も揚げられるとか!

▼この数でも十分な存在感
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スポーツカイトは空中フィギュア? 空中シンクロ?

まるで生きているように、空を自由自在に動き回るスポーツカイト。日本でもバブルの時代から根強いファンがいますが、スポーツカイトにはいくつか種類があります。

この日おこなわれていた体験教室で使われていたのは、2本の糸で操縦するデュアルラインと呼ばれるもの。糸を引っ張ると上がる仕組みになっていて、常に飛びっぱなしのものを制御する形になります。

▼デュアルラインは三角形
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最初はスタッフの方と一緒に操縦をして、慣れてきたら1人でも動かしたりと、沢山の方が楽しんでいました。大会では規定演技の点数を競い合う種目もあるので、フィギュアスケートのようですね。

30メートルの凧が空を泳ぐ!石狩本町カイトフェスティバル初開催!

もう一つはクワッドライン呼ばれるもので、2つのハンドルに繋がれた4本の糸を手首で操作して、デュアルラインではできない後退、停止、ターンなど細かい動きをすることができます。デモフライトショーでは、音楽に合わせてまるで空中でシンクロナイズドスイミングが行われているような、息のあったパフォーマンスが披露されました。

あれだけ激しい動きをしていたら、糸同士が絡まってしまわないのか心配になってしまいますが、そこは練習の積み重ねでクリアできるそうです。上級者同士になると、わざと絡ませてから違う動きで元に戻すという、高度なテクニックも!

▼チームで編隊を組んで音楽に合わせて飛行する
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▼クワッドラインを操縦する様子
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自分だけのオリジナル凧

子供に大人気だったのは、誰でも簡単に作れるグニャグニャ凧づくり教室。小さなビニール製の凧に自分で絵を書いて、世界に一つだけの凧を作って飛ばせるというものでした。

▼真剣に絵を書く子ども
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▼たくさんの自作凧が空を飛ぶ
30メートルの凧が空を泳ぐ!石狩本町カイトフェスティバル初開催!

最近の子供は凧を飛ばすことはほとんどないそうで、自分で作った凧が空に舞い上がる様子を見て、本当に楽しそうにしている子が多いのが印象的でした。もちろん子供だけではなく大人も楽しんでいたので、凧には誰もが自然に笑顔になる不思議な魅力があるのかもしれませんね。

30メートルの凧が空を泳ぐ!石狩本町カイトフェスティバル初開催!

石狩の特産品も楽しむ

石狩市で開催のイベントということで、厚田地区のブランド豚「望来豚」を使用したぶたまんの販売もおこなわれていました。おひとつ400円と少し高めの値段設定ですが、食べてみると具がびっしりと詰まっていてとってもジューシー!

▼望来豚を使ったぶたまん
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また、ヴィジターセンター1階では石狩鍋の販売、2階ではハマナスマルシェ・オータム(手づくり雑貨販売・制作体験)が同時開催されていました。こういうイベントの場合、その地域と全く関係ないものが売られていたりすることも多いですが、カイトフェスティバルは地元のものを大事にしている印象を受けます。

30メートルの凧が空を泳ぐ!石狩本町カイトフェスティバル初開催!

風を楽しみ、凧で本町を盛り上げる

10時にスタートしたイベントは15時には終了。ゆるく始まり、ゆるく終わった感じでしたが、会場は終始良い風が吹いていたのと同時に、心が安らぐ温かい雰囲気に包まれていたように思えました。

30メートルの凧が空を泳ぐ!石狩本町カイトフェスティバル初開催!

今後について白畠さんは、「風を楽しむ風潮をもっと作りたい。石狩には風をつらいものと思っている人も多いけど、こんなにいい風が吹くんだよ、こんなに楽しいものなんだよということを伝えたい」とおっしゃっていました。そして、ゆくゆくは日本中のカイト愛好家が集まるようなイベントにしたいとも。

また石狩市としても、本町地区は石狩発祥の地であり、アイヌと和人が交易を行って昔は栄えていた場所だったので、もう一度この地区を盛り上げたいという思いがあり、これからも凧の面白さをPRしていきたいとのことでした。来年の開催が今から待ち遠しいですね。

【動画】映像で見るイベントの様子

筆者について

克(laufen)

克(laufen)

音楽プロジェクトlaufenに所属し、ギタリスト、エンジニア、サウンドプロデューサーとして活躍中。カメラマンとしてもYahoo!ライフマガジン、北海道国際流通機構、北海道広告業協会等に写真提供の実績あり。SNSも積極的に活用し、様々な面から北海道の魅力をお届けします。大のガラナ好き。