全国でも珍しい!? 砂川・滝川・深川・旭川と「川」が連続する地域

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 国内でこれだけ「川」が続く地域も珍しいのでは? 何のことかというと、空知中部から上川にかけての地名の話です。

 札幌~旭川を結ぶ大動脈・国道12号線。札幌市から北上し、岩見沢市・美唄市を過ぎると、距離を示す青看板には大変興味深い特徴がみられるようになります。表記されている地名の最後がすべて「川」で終わるという一貫性です。

 まずその始まりとなるのが「砂川」です。その後すぐ北に位置する「滝川」に入り、「深川」「旭川」と続きます。すべてが「川」で終わるわけです。連続するこれらの地名は青看板の地名にも表れ、「砂川 何キロ、滝川 何キロ、旭川 何キロ」という形になります。

 道央自動車道も「奈井江砂川・滝川・深川・旭川鷹栖」と、やはりこれらの地名が使われています。JR特急が停車する代表的な駅も「砂川・滝川・深川・旭川」と「川」のつく駅に停車していきます。似たような地名が多いため、順番が分からなくなる人もいたりします。

 さて、こうなるのは、最後に「川」が付く自治体が60kmにもわたり連続しているから。「砂川市」「滝川市」「深川市」「旭川市」の4自治体が石狩川沿いに連なっているのです。どうしてそうなったのでしょうか。それは地名の由来を見れば分かります。

砂川市:「奈江村」が始まり。後に改称。アイヌ語の「オタ・ウシ・ナイ」(砂浜についている川)を意訳したもの。東側には「上砂川町」も隣接。
滝川市:アイヌ語の「ソーラプチペッ」(滝のある川)を意訳したもので、空知川の語源。西部に「新十津川町」も隣接。
深川市:アイヌ語の「オオホ・ナイ」(深い川)を意訳したもの。
旭川市:聞き間違ったアイヌ語「チュッ・ペツ」(日の川)を意訳したものという説あり。東部には「東川町」も隣接。

 日本語の地名を付ける際に参考にしたアイヌ語「ペツ」「ナイ」を意訳していったら偶然にも「川」が続くことになったようです。そして自治体分割・併合を繰り返し、現在のようになっています。滝川~深川間に江部乙が独立していた時期もあります。また、新十津川町、上砂川町、東川町といった「川」の付く地名も隣接しています。

 このように、連続する4つ以上の自治体の最後の文字が「川」というところは、全国的にも珍しい事例といえるでしょう。国道12号線を走る際は、地名にも注意してみるのも面白いかもしれません。