道内地域エリア分け大全! 道央・道南・道東・道北ってどこなの?

北海道といえども、面積が広いので細分化することが多々あります。その圏域のわけ方はさまざまで、2から21までみられます。今回は、道内をどんなふうにエリア分けしているのか、いろいろ集めてみました。

蝦夷地時代

松前藩時代には「東蝦夷地」「西蝦夷地」といったふうに分けられていて、知床~大雪~千歳を境に、太平洋側を東蝦夷、日本海側とオホーツク海側を西蝦夷としていました。東蝦夷には千島列島が、西蝦夷には樺太(後に北蝦夷地と改称)が含まれました。

江戸時代松前藩時代の3地域区分

東蝦夷地:汐首岬以北の太平洋側、及び千島列島
西蝦夷地:熊石以北の日本海側とオホーツク海側、及び樺太(北蝦夷地)
和人地(松前地):松前や箱館など道南一部地域(最終的に久遠~長万部以南及び小樽)

または

口蝦夷地:襟裳岬~神威岬間以西
奥蝦夷地:上述以東
和人地(松前地):上記参考

この「口蝦夷地」「奥蝦夷地」の分け方は、後に多く使われるようになった「北北海道」「南北海道」の2地域に近いものがあります。明治時代以降の開拓で、比較的早くに開かれていた南と遅かった北の区分でもあります。支庁でいうと以下のようになります。

「南北海道」:渡島・檜山・後志・胆振・日高・石狩・空知
「北北海道」:上川・留萌・宗谷・網走・十勝・釧路・根室

この「南北」を現在でも使っているのは、高校野球の支部区分でしょう。2007年に少子化による編成で、それ以前の空知支庁分断状態が解消されています。

高校野球南北海道:胆振・日高・後志・石狩・渡島・檜山
高校野球北北海道:十勝・網走・上川・空知・宗谷・留萌・釧路・根室

なお、かつて道内には、3県、11国時代もありました。

大分類:道央・道南・道北・道東

一方で、最も馴染み深い区分といえば「道央」「道南」「道北」「道東」の4区分でしょう。支庁を基準にしています。西というのは基本的に使うことはありません。

3区分(支庁別):道央を道南に統合した形

「道南」:石狩・空知・後志・胆振・日高・渡島・檜山
「道北」:上川・留萌・宗谷
「道東」:網走・十勝・釧路・根室

4区分(支庁別)

「道央」:石狩・空知・胆振・日高・後志
「道南」:渡島・檜山
「道北」:上川・留萌・宗谷
「道東」:網走・十勝・釧路・根室

または(道央が巨大化するので)

「道央」:石狩・空知・後志(国土交通省は道南に含める)
「道南」:渡島・檜山・胆振・日高
「道北」:上川・留萌・宗谷
「道東」:網走・十勝・釧路・根室

または

※市町村を別の圏域に含めるパターンはいくつもあるが最もポピュラーな例で、富良野地区を道央に、深川地区を道北に移管する方法。ほかに空知管内幌加内町だけを道北に含める例もある。塩狩峠を境界として旭川市を含めた上川中部も道央に含める向きもあるが、人口的アンバランスと道北中心都市喪失のためあまり使用されない。道南と道東は基本的に変化なし。

「道央」:石狩・空知(南空知・中空知)・胆振・日高・後志・上川(南部)
「道南」:渡島・檜山
「道北」:空知(北空知)・上川(北部・中部)・留萌・宗谷
「道東」:網走・十勝・釧路・根室

この北空知の深川市・雨竜郡を道北に含める例としては、車のナンバープ
レートの区分にも見られます。これは運輸支局の管轄です。
6つに分けた圏域も多く使われます。それが「地域生活経済圏」。

地域生活経済圏の6エリア

「道央圏」:石狩・後志・空知・胆振・日高
「道南圏」:渡島・檜山
「道北圏」:上川・留萌・宗谷
「オホーツク圏」:網走
「十勝圏」:十勝
「根釧圏」:釧路・根室

5つに分ける「観光圏」というのもありますが使われなくなっています。

観光圏5エリア

「道南観光圏」:渡島・檜山
「道央観光圏」:石狩・後志・胆振・日高
「大雪山観光圏」:空知・上川・十勝
「道東観光圏」:釧路・根室・網走
「道北観光圏」:宗谷・留萌

支庁再編……14→9へ

2009年度に支庁が再編、14支庁は6連携地域9総合振興局に再編されます。総合振興局というのが新しい支庁の姿です。支庁再編についてはこちら。道央は圏域が広いので3つに、道北は2つに分割されます。

(道央連携地域)
道央総合振興局(岩見沢市)(=石狩・空知支庁(幌加内町除く))
・石狩振興局(札幌市)(=石狩支庁)
後志総合振興局(倶知安町)(=後志支庁)
日胆総合振興局(室蘭市)(=胆振・日高支庁)
・日高振興局(浦河町)(=日高支庁)

(道南連携地域)
道南総合振興局(函館市)(=渡島・檜山支庁)
・檜山振興局(江差町)(=檜山支庁)

(道北連携地域)
道北総合振興局(旭川市)(=上川(空知の幌加内町含む)・留萌支庁(幌延町除く))
・留萌振興局(留萌市)(=留萌支庁)
宗谷総合振興局(稚内市)(=宗谷支庁(留萌の幌延町含む))

(オホーツク連携地域)
オホーツク総合振興局(網走市)(=網走支庁)

(十勝連携地域)
十勝総合振興局(帯広市)(=十勝支庁)

(根釧連携地域)
道東総合振興局(釧路市)(=釧路・根室支庁)
・根室振興局(根室市)(=根室支庁)

中分類:細分化の地域名

14の支庁をさらに細分化するとき、独特の圏域名になることがあります。1支庁あたり3ほどに分かれますが、これほど細かく分けるのは気象予報区分くらいです。該当する市町村は以下の通りです。かっこ内は市町村数です。

石狩

人口比重や政令指定都市の関係上札幌を別にされることがある
(札幌市)(1):札幌市のみ
(札幌圏)(7):札幌市以外
または3つに分けられる
(北部)(3):石狩市、当別町、新篠津村
(中部)(2):札幌市、江別市
(南部)(3):千歳市、恵庭市、北広島市

渡島・檜山

(南渡島):森町以南の渡島管内
(南檜山):乙部町以南
(北渡島檜山):八雲町以北の両支庁管内、奥尻町
※北渡島及び檜山、南渡島の2つに分けることもあるほか以下のようにもなる
(檜山北部)(2.5):せたな町、今金町、八雲町熊石
(檜山奥尻島)(1):奥尻町
(檜山南部)(4):江差町、乙部町、厚沢部町、上ノ国町
(渡島北部)(1.5):長万部町、八雲町八雲
(渡島東部)(5):函館市、北斗市、森町、鹿部町、七飯町
(渡島西部)(4):松前町、福島町、知内町、木古内町

後志

(北部)(6):小樽市、赤井川村、余市町、仁木町、古平町、積丹町
(西部)(8):岩内町、寿都町、蘭越町、黒松内町、共和町、泊村、神恵内村、島牧村
(羊蹄山麓)(6):倶知安町、ニセコ町、京極町、喜茂別町、留寿都村、真狩村

胆振

(西胆振)(6):室蘭市を中心に登別市以西
(東胆振)(5):苫小牧市を中心に白老町以東
または3つに分けられる
(西部)(4):伊達市を中心に洞爺湖町、壮瞥町、豊浦町
(中部)(4):室蘭市、苫小牧市、登別市、白老町
(東部)(3):安平町、むかわ町、厚真町

日高

(西部)(2):日高町、平取町
(中部)(2):新ひだか町、新冠町
(東部)(3):浦河町、様似町、えりも町

空知

(南空知)(9):岩見沢市を中心に美唄市・月形町以南
(中空知)(10):滝川市を中心に芦別市・雨竜町以南、奈井江町・浦臼町以北
(北空知)(6):深川市を中心に北竜町以北

上川

(北部)(8):士別市・名寄市を中心に塩狩峠(和寒町)以北
(中部)(9):旭川市を中心に塩狩峠(比布町鷹栖町)以南、美瑛町以北
(南部または富良野)(5):富良野市を中心に上富良野町以南

留萌

(北部)(3):天塩町を中心に遠別町、幌延町
(中部)(3):羽幌町を中心に初山別村、苫前町
(南部)(3):留萌市を中心に増毛町、小平町

宗谷

(北部)(3):稚内市を中心に豊富町・猿払村
(南部)(3):枝幸町を中心に浜頓別町・中頓別町
(利尻礼文)(3):利尻島と礼文島

オホーツク(旧網走)

南北に2分することが多い※佐呂間町は北網に入ることもある
(遠紋)(9):紋別市と遠軽町を中心として網走北部(遠軽町佐呂間町以北)
(北部または西紋):紋別市を中心に紋別市滝上町以北
(南部または東紋):遠軽町を中心に湧別町
(北網)(10):北見市と網走市を中心として網走東部(北見市以東)
(北見):北見市を中心に訓子府町、置戸町
(網走西部):網走市を中心に大空町、北見市常呂町、佐呂間町
(網走南部):美幌町、津別町
(網走東部):斜里町、清里町、小清水町

十勝

(北部)(5):足寄町、陸別町、上士幌町、鹿追町、新得町
(中部)(10):帯広市、士幌町、音更町、本別町、池田町、浦幌町、豊頃町、
清水町、芽室町、幕別町
(南部)(4):中札内村、更別村、大樹町、広尾町

釧路

(南西部)(2.5):釧路市、釧路町、白糠町
(中部)(2.5):釧路市阿寒、鶴居村、標茶町
(北部)(1):弟子屈町
(南東部)(2):厚岸町、浜中町

根室

(南部)(1):根室市
(中部)(1):別海町
(北部)(3):中標津町、標津町、羅臼町

その他の地域区分

テレビ放送エリア(NHK)

・札幌:石狩・後志・空知(南空知・中空知)
・室蘭:胆振・日高
・函館:渡島・檜山
・旭川:上川・留萌・宗谷・空知(北空知)
・帯広:十勝
・釧路:釧路・根室
・網走:網走
※2022年春にNHK7局を再編し、札幌(道央)、函館(道南)、旭川(道北・オホーツク)、帯広(道東)の4エリアに。

気象予報区分

札幌管区気象台
・石狩(札幌)(3):北部・中部・南部
・空知(岩見沢)(3):北空知・中空知・南空知
・後志(倶知安)(3):北部・西部・羊蹄山麓

函館海洋気象台
・渡島(函館)(3):北部・東部・西部
・檜山(江差)(3):北部・南部・奥尻島

稚内地方気象台
・宗谷(稚内)(3):北部・南部・利尻礼文

旭川地方気象台
・上川(旭川)(3):北部・中部・南部
・留萌(留萌)(3):北部・中部・南部

網走地方気象台
・網走(網走)(3):東部・西部・南部
・北見(北見)(1)
・紋別(紋別)(2):北部・南部

釧路地方気象台
・釧路(釧路)(4):北部・中部・南東部・南西部
・根室(根室)(4):北部・中部・南部・北方領土
・十勝(帯広)(3):北部・中部・南部

室蘭地方気象台
・胆振(室蘭)(3):西部・中部・東部
・日高(浦河)(3):西部・中部・東部

北海道開発局開発建設部(10)

札幌(旧石狩川開発建設部、石狩・空知)
函館(渡島・檜山)
旭川
小樽
室蘭(胆振・日高)
釧路(釧路・根室)
帯広
網走
留萌
稚内

第二次保健医療福祉圏(21)

南渡島、南檜山、北渡島檜山、札幌、後志、南空知、中空知、北空知、西胆振、東胆振、日高、上川中部、上川北部、富良野、留萌、宗谷、北網、遠紋、十勝、釧路、根室

消防本部再編(21)

宗谷、留萌、上川北部、上川中部、富良野、遠紋、北網、根室、釧路、十勝、日高、北空知、中空知、南空知、札幌圏、札幌市、東胆振、西胆振、後志、北渡島・檜山、南渡島

北海道警察方面本部(5)

「札幌方面本部」:石狩・胆振・日高・後志(寿都郡・島牧郡除く)・空知(南空知・中空知)
「函館方面本部」:渡島・檜山・後志(寿都郡・島牧郡)
「旭川方面本部」:上川・留萌・宗谷・空知(北空知)
「釧路方面本部」:十勝・釧路・根室
「北見方面本部」:網走

地方検察庁(4)

「札幌地方検察庁」:石狩・空知(南空知・中空知)・胆振・日高・後志(北部・中部)
「函館地方検察庁」:渡島・檜山・後志(西部)
「旭川地方検察庁」:上川・空知(北空知)・留萌・宗谷・網走(遠紋)
「釧路地方検察庁」:十勝・釧路・根室・網走(北網)

地方・家庭裁判所(4)

「札幌地方裁判所」:石狩・空知・胆振・日高・後志(寿都郡・島牧郡除く)
「函館地方裁判所」:渡島・檜山・後志(寿都郡・島牧郡)
「旭川地方裁判所」:上川・留萌・宗谷・空知(北空知)・網走(遠紋北部)
「釧路地方裁判所」:十勝・釧路・根室・網走(遠紋南部・北網)

衆議院小選挙区(12)

・第1区:札幌市(中央・南・西区)※
・第2区:札幌市(北・東区)※
・第3区:札幌市(白石・豊平・清田区)
・第4区:札幌市(手稲区)※、後志
・第5区:札幌市(厚別区)、石狩
・第6区:上川
・第7区:釧路・根室
・第8区:渡島・檜山
・第9区:胆振・日高
・第10区:空知・留萌
・第11区:十勝
・第12区:宗谷・網走
※2010年の振興局境界線変更に伴い、2017年に幌加内町と幌延町は所属振興局内に反映済み。札幌市北区の鉄西連合町内会は第2区から第1区へ、札幌市西区発寒、発寒北、八軒、八軒中央の各連合町内会は第1区から第4区へそれぞれ移動した。

いくつか例を見てきましたが、胆振と日高はつながりがある、十勝は絶対的に他に分割されない単独のエリア、釧路と根室は一緒になることが多い、渡島と檜山は必然的に道南になるなど、おもしろいことがわかります。