蝦夷富士はプロでも見間違うレベル!? 北海道のそっくり富士山大集合

富士山といえば、整った円錐形で、頂上に火口があるのが特徴です。その富士山に最も似た○○富士(郷土富士)はどこなのでしょうか。山と渓谷社発行の『山と渓谷2016年1月号』は、5つの指標を基に独自に分析した「ふるさと富士山度ランキング」を発表。それによると、羊蹄山(蝦夷富士)が「全国で最も富士山に似た山」であることが判明しました。

北海道にはほかにも富士山に姿かたちが似た山が幾つもあります。「○○富士」と呼ばれる山が16箇所、うち「○○富士」を正式名とする山が7箇所あります。同名の山もあり、「北見富士」は北見市留辺蘂にあるものと遠軽町丸瀬布と紋別市の間にある大山の二つがあります。本稿では蝦夷富士をはじめ北海道にある代表的な「○○富士」をご紹介します。

蝦夷富士(羊蹄山)

北海道のふるさと富士山といえばこれ、支笏洞爺国立公園内にある蝦夷富士こと羊蹄山です。倶知安町、ニセコ町、京極町、喜茂別町、留寿都村、真狩村に囲まれた独立峰は、北海道で最も富士山に姿かたちが似ている山といわれています。

その理由の一つは傾斜角。山と渓谷社によると富士山の傾斜角が28度なのに対して、羊蹄山は27度とほぼ同じ。どの角度から見ても整った円錐形はプロでも見間違うほどそっくりなのだそう。

また、山頂火口の直径距離約700m、深さ約200mというサイズは、富士山とほぼ同じです。標高は3,775mと1,898mで大きく違いますが、富士山に似たところが幾つもあるのが蝦夷富士なのです。(※参考文献『山と渓谷2016年1月号』

黄金富士(黄金山)

暑寒別天売焼尻国定公園内、石狩市浜益地区にある秀峰・黄金山(こがねやま)、通称、黄金富士または浜益富士。浜益市街地からも見えるその姿は、標高739.1m。かつて和人が砂金を採掘しに入ったことからいつしか黄金山と呼ばれるようになったそう。2009年にはピリカノカ(アイヌ語:美しい形)の一つとして国指定名勝になりました。富士山のように見える山ですが、傾斜角は約45度と、山頂ほど傾斜があります。

利尻富士(利尻山)

利尻島を構成する利尻山は、標高1,721m。周囲に遮るものがなく、水平線の先に浮かぶ富士山のようです。北海道本島のオロロンラインを、利尻山が見えてくるのを楽しみに走っているという人も多いのではないでしょうか。そんな利尻山の傾斜角度は約15~20度と比較的ゆるやかです。

阿寒富士

標高1,476mの阿寒富士は足寄町と白糠町の境界に位置します。オンネトーからも見られるその山容はまるで富士山のようにきれいな円錐形をしており、オンネトーの水面に映りこむと神秘的にも感じられます。傾斜角は約30度と富士山に近い角度を持っています。

北見富士

北見市留辺蘂富士見から富士山のように見える山。1,291mの山です。傾斜角は30度強ある北見富士は「北海道の百名山」選定。旧国名時代の北見国にある山であり、きれいな円錐形をしています。

このように北海道には○○富士が幾つもあるのです。最も高い蝦夷富士から、標高156mというちっちゃな母恋富士までさまざま。皆さんお気に入りの○○富士はどれですか?

道内の16の富士ランキング
1.蝦夷富士(羊蹄山) 1,893m
2.美瑛富士 1,888m
3.糠平富士(ウペペサンケ山) 1,835m
4.利尻富士(利尻山) 1,721m
5.知床富士(羅臼岳) 1,661m
6.斜里富士(斜里岳) 1,545m
7.増毛富士(暑寒別岳) 1,491m
8.阿寒富士 1,476m
9.北見富士(大山) 1,307m
10.北見富士 1,291m
11.渡島富士(駒ヶ岳) 1,131m
12.黄金富士(黄金山) 740m
13.温泉富士 660m
14.音威富士 477m
15.釜谷富士 237m
16.母恋富士 156m