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新食感で話題!和洋折衷文化をお菓子で表現した「はこだて雪んこ」

佐々木康弘
Written by 佐々木康弘

和菓子のようでいて洋菓子のようでもあるちょっと変わったお菓子「はこだて雪んこ」(以下、雪んこ)がクチコミで人気を集めています。「嘉福堂キッチン」のブランド名で製造を手がけるカドウフーズ(函館市)に、人気の秘密を聞きました。

函館らしい和洋折衷のお土産スイーツを作りたい

「雪んこ」は、和菓子によく使われる「求肥」でスイートポテトを包んだようなお菓子。冷凍で販売されているので、常温で半解凍させてから食べるのがおすすめ。ふんわり柔らかい求肥のモチモチした食感としっとり滑らかなスイートポテトの甘みが相まって、極上の舌触りが楽しめます。

スイートポテトの原料は、道南・厚沢部町産のサツマイモ「黄金千貫」。皮も中身も白っぽい色をしたこのイモは、一般的なサツマイモよりも甘みと風味が強いのが特徴。イモ焼酎の原料としても有名で、厚沢部産の黄金千貫だけで作った道産本格焼酎「喜多里」は全国の焼酎党にその名を知られています。

新食感で話題!和洋折衷文化をお菓子で表現した「はこだて雪んこ」

そんな黄金千貫に嘉堂聖也社長が目を付けた背景には、「函館らしいお土産スイーツを作りたい」との強い思いがありました。函館は独特の和洋折衷住宅に代表されるように、和と洋の文化が絶妙に入り混じったモダンなまち。その地域性を、和と洋の2つの特性をあわせ持つスイーツで表現したいと考えたのです。

そこで採用したのが、洋菓子作りに多用される反面、和の素材とも相性が良いサツマイモ。他に例のないスイーツを作り上げようとイメージをふくらませた結果、スイートポテトを求肥でかまくらのように包む「雪んこ」の原型が頭の中にできあがったといいます。

その製造工程は、ほぼすべて手作り。越冬させて糖度の増した黄金千貫の皮をむき、蒸してから手作業で裏ごしし、そこに道南産の生乳だけを使用した函館牛乳をたっぷりと注ぎ、自然の恵みたっぷりなペーストに仕上げます。

新食感で話題!和洋折衷文化をお菓子で表現した「はこだて雪んこ」

新食感で話題!和洋折衷文化をお菓子で表現した「はこだて雪んこ」

ペーストをじっくりとオーブンで焼き上げたら、ひとつずつ心を込めて丸い形に成形。角がピンと立つまで泡立てた濃厚でほど良い甘さの生クリームを隠し味として添えたら、1個1個手作業で求肥を巻いてできあがり。一般的にイメージするような大きな機械などは一切使わず、家庭の台所と同じ程度の設備で作り上げていきます。

新食感で話題!和洋折衷文化をお菓子で表現した「はこだて雪んこ」

新食感で話題!和洋折衷文化をお菓子で表現した「はこだて雪んこ」

機械化すればもっと多くの製品を短時間で作ることができますが、嘉堂社長には一切そのつもりがありません。「機械化すると黄金千貫の繊細な風味や香りが熱で損なわれてしまうので」というのがその理由。大量生産が求められる大手メーカーではできない、小さな工場ならではの強みと言えます。

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筆者について

佐々木康弘

佐々木康弘

札幌市北区新琴似出身。30歳で函館に移住してからふとしたきっかけでライターの道へ進み、旅行情報誌やネット媒体などを中心に年間70万字以上を執筆。道南地域で毎年100本以上のイベントに足を運ぶイベントウオッチャーとしても活動。【Sクラス認定ライター】