まさか営業してるとは!しかも「かにめし」が500円!白老・かに太郎

【白老町】
毛ガニといえば北海道を代表する食材である。その毛ガニをつかった料理の中でスタンダードなのが、かにめし。
かにめしといえば、北海道では長万部駅で駅弁の販売を行っていた、「かにめし本舗かなや」が有名だが、
胆振管内白老町でも、旨いかにめしがワンコイン、なんと500円で食べられるお店があるのだ。

店の名は「活かに料理かに太郎」。創業から約38年。廃墟のように見えなくもない外観だが、古くから国道36号線を通過する人々に、旨いかにめしを提供してきたお店である。

昭和の雰囲気を残す、八角形の建物

わたしがここ、「活かに料理かに太郎」を訪れるのは、幼い頃、カニ好きだった祖父と来店した以来なので、約30年ぶり。
その後はここを訪れることもなく、店舗の前を通過するたびに人影を確認できなかったことや、
古い店舗なので、すっかり閉店したものだと思っていたのだが、電話をかけてみると営業していることが判明。さっそく向かうことにした。

店舗は国道36号線を室蘭から苫小牧方面へ向かっていくと右手にあり、すぐそばには太平洋が広がっている。
昭和の雰囲気が漂うこの店舗は八角形の形をしており、ひび割れた壁には大きな赤字で「かに料理」と書かれてある。


中に入ると、これまた昭和の時代にタイムスリップしたような雰囲気だ。
円形の天井からぶら下がっている照明とメニューが書かれた看板。厨房は建屋内の中央部にあり、そこでカニ身をほぐす作業などを行っている。
写真にカウンター席が写っているが、店主と客のやり取りをみていると、どうやら今は物を置くスペースとして使っているようので、そこに座ることはできないらしい。

500円かにめしをいただくことに!

太平洋を一望できる席に座ると「かにめしですね」と店主に訊かれる。他の客にも同じ対応をしていたのが気になった。
店主に訪ねてみると、基本的には「かにめし」のみの提供で、予約をすることにより、他のかに料理を食べることができるとのこと。

待つこと10分くらいで、プラスチック製の箱に入ったかにめしが登場。金糸卵と紅生姜が中央に盛られており、椎茸や筍、そして毛ガニの身が散りばめられている。


一口食べてみると、口の中に広がっていく毛ガニの風味と、金糸卵などの素材が見事なくらいにマッチしており、この旨さで500円とは、なんとも驚きである。
また、かにめしと一緒に出てきたなめこ汁。これがまたかにめしとよく合う。もう1杯飲みたいと思うほどの旨さだ。

わたしの友人たちも、まさか「かに太郎」が営業しているとは思っていなかったらしく、500円で食べてきたことを伝えると、さっそく行ってみるといっていた。
何度もいうが、毛ガニを使ったかにめしが、たったの500円で食べることができるのだ。このようなお店はとても珍しいので、興味のある方はぜひ足を運んでみていただきたい。
ただ、お昼時になると混みあってくるようなので、あらかじめ予約をしたほうが良い。

とてもリーズナブルで旨いかにめし。多くの人たちが訪れるのも納得できる。
また食べたい。そう思わせる味だ。

かに料理専門店 かに太郎
所在地:北海道白老郡白老町竹浦116 [地図]
TEL:0144-87-2993
営業時間:11:00~15:00
定休日:無休(用事があるときは休業)

■北海道では、ほぼ通年漁獲されている毛ガニ
北海道の毛ガニは、春はオホーツク海、夏は噴火湾、秋は釧路や根室沿岸、冬は十勝沿岸と、一年を通じて漁獲されている。
特徴として、身体全体がずんぐりとしており、色は写真のとおり赤褐色している。
甲羅は他のカニと比べても硬くなく、短い毛が密生しているのが特徴。
タラバガニやズワイガニと比べ身体が小さい分、食べる箇所も少ない。だが味は抜群の旨さで、身に甘味があり、カニみそも豊富。
食卓に毛ガニが出てくると、皆無言になって食べると言われるくらい、止まらない旨さだ。
今では北海道を代表する食材として、全国でもその名を知られている。