旅する

建築から1世紀!当時の面影残る道内最古の木造建築駅舎「旧室蘭駅舎」

建築から1世紀!当時の面影残る道内最古の木造建築駅舎「旧室蘭駅舎」

【室蘭市】 今年(2015年)6月で100年を迎えることになった、旧三菱合資会社室蘭出張所や市立室蘭水族館など、室蘭市内には北海道内最古といわれる建物がいくつかある。 情報社会の今を生きる我々にとって、こういった古き建物を訪れてみることは、現代にいながらも当時の情景に触れる、古き良き時代をひも解いていくことができるのだ。

市内に現存する最古の建物として、今年で103年を迎えた「旧室蘭駅舎」はその代表格であり、 現在は室蘭観光を案内する発信基地として、ホールは展示スペースや休憩所として一般市民に開放されている。

全国的に珍しい建築様式の駅舎は、国の登録有形文化財

室蘭市によると、この旧室蘭駅舎は明治45年(1912年)に建造された、北海道内最古の木造建築駅舎。

建築様式は「寄せ棟造り」と呼ばれる造りで構成され、当時の洋風建築の面影を残している屋根や壁、外観は入母屋風で「がんぎ」と呼ばれるアーケード様式で、全国でも珍しい建築物となっている。

▼これが入母屋風がんぎ
建築から1世紀!当時の面影残る道内最古の木造建築駅舎「旧室蘭駅舎」

また1999年7月に国の登録有形文化財として登録され、2010年10月にはJR北海道の「準鉄道記念物」に指定された。 現在は室蘭の観光案内の発信源として活用され、ホールは様々なイベントを行うスペースとしても活用されている。

建築から1世紀!当時の面影残る道内最古の木造建築駅舎「旧室蘭駅舎」

石炭積出駅として小樽市と競い合っていた当時の室蘭駅。かつて栄えた石炭産業もやがて斜陽産業となり人が減り続けても、この街で暮らす人々の玄関口として活躍していた。 1997年10月に現在の新しい駅舎に移転するまで、この旧駅舎はたくさんの人々を見守ってきた。

わたしが子供の頃、この駅の存在はとても便利な存在だったのを思い出す。 真冬は寒さを凌ぐ場所として、夏は涼む場所として、友達とベンチに座りながらワイワイ過ごした思い出の場所でもあった。 あの頃の笑い声が蘇ってくる場所──。わたしにとって室蘭駅といえば今の新しい室蘭駅ではなく、こちらの旧駅舎のほうなのだ。

当時の面影が今も―旧室蘭駅舎のみどころポイント

ホール内には当時の面影を残すものが展示され、またそのまま残されている。 格子状になった天井には、当時のまま「龍」の絵が残されており、展示スペースには長い間この駅を訪れる人々を見守ってきた、「室蘭駅」の看板も保存されている。 また、映画「鉄道員」のワンシーンでも使われていたタブレット閉塞機や、当時の車両で使われていた看板なども展示されている。

▼サボや駅名看板
建築から1世紀!当時の面影残る道内最古の木造建築駅舎「旧室蘭駅舎」
建築から1世紀!当時の面影残る道内最古の木造建築駅舎「旧室蘭駅舎」

▼タブレット閉塞機
建築から1世紀!当時の面影残る道内最古の木造建築駅舎「旧室蘭駅舎」

▼天井には龍の絵
建築から1世紀!当時の面影残る道内最古の木造建築駅舎「旧室蘭駅舎」

103年という長い歴史に触れる時間。この駅舎に自分の思い出を重ねているのは、きっとわたしだけではないはず。 思い出も回想する。こうして古い建物に触れてみるのは、昔の記憶をひも解いていくきっかけにもなるのだ。

旧室蘭駅舎
住所:室蘭市海岸町1丁目5番1号 [地図]
TEL:0143-23-0102(室蘭観光協会)
FAX:0143-23-0203(室蘭観光協会)
駐車場:無料
入館料:無料
開館時間:4月1日~10月31日→8時から19時まで、11月1日~3月31日→8時から17時まで
休館日:1月1日

筆者について

ぽっちゃり~な・森

ぽっちゃり~な・森

1976年室蘭産まれ、室蘭育ち。年間60万文字、年間3万枚の撮影をこなす、北海道をこよなく愛するどさんこトラベルフォトライター。小説家、ライトノベル作家・森下朱月としてはこれまで7冊の著書を発売、シリーズ作品を連載中(2014年7月現在)。「ぽっちゃり~な・森の胆振探検隊」では、主に室蘭市、近郊の情報をお届けします。