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『生きていてもいいかしら日記』が大好評! 作家・北大路公子に聞く

編集部
Written by 編集部

【札幌市】長澤まさみさんや榮倉奈々さんもファンとして知られる札幌在住の女性作家がいる。『生きていてもいいかしら日記』(毎日新聞社)が反響を呼んだ北大路公子さんだ。どの作品も日々の体験談を面白おかしく書いており、道内のみならず全国にもファンは多い。しかし気になるのは北大路公子さんの生活である。どのような生活をしたらあのようなエピソードが生まれるのか不思議と感じる人も多い。そこで、今回は北大路公子さんに、作品の執筆について、日々の生活について、さらにはファンからの質問にも答えてもらった。

ペンネームの秘密

北大路公子さんは札幌生まれの札幌育ち。大学入学時から二十五歳までは他の街に住んでいたというが、それ以来はずっと札幌に住んでいる。「北大路公子」というペンネームは、2005年にデビュー作『枕もとに靴』(寿郎社)出版にあたり、寿郎社の社長が命名した。「ちょうど日本ハムファイターズが札幌に移転した年だったため、『せっかくだから「ハム子」ってことでいいんじゃね?』ということで、5秒くらいで決まりました」と、ペンネーム決定の経緯を話してくれた。「北大路」については、なんとなく本名の雰囲気を残した。

そもそも最初は「モヘジ」だった?!

もともと、書くのは好きだったという。「ただ、子供の頃から積極性や覇気ややる気などとは縁遠い性格だったので、一人でノートにコツコツお話を書くとか、そのための勉強をするとかいうことは全然ありませんでした」。二十代の頃には、祖母の介護を手伝う合間に書いていた小説が文芸誌の新人賞を受賞する。2001年、祖母亡き後は、当時飼っていた猫のこと、同居している家族のこと、呑んだお酒のこと等その暇な日々について、ハンドルネーム「モヘジ」でネットに書き綴っていた。「時には完全な嘘話も交えたりして、長いものから短いものまで好き放題やっておりました。とても楽しかったです」と、当時を振り返る。

最初の二作は売れずも、『生きていてもいいかしら日記』が大反響

その後、北大路公子さんに転機が訪れる。「こんなに酒を呑むバカがこの世にいるとは……」と呆れられたのがきっかけで出版社・寿郎社の社長と知り合い、ネットで書いていた文章を元に、一冊目の『枕もとに靴』を発売した。しかし、あまりに売れないため、続編にあたる『最後のおでん』は、「預かった原稿を会社に置いておくのも不吉。さっさと手放したい」という理由で出版されたという。

『生きていてもいいかしら日記』が大好評! 作家・北大路公子に聞く しかしその後、その売れなかった本から連載の話が舞い込んだ。「なぜか東京の本屋で購入したという毎日新聞社の編集者の方から『サンデー毎日』への連載のお話をいただきまして、それがやがて『生きていてもいいかしら日記』『頭の中身が漏れ出る日々』の二冊になりました」と公子さんは話す。特に『生きていてもいいかしら日記』には大きな反響があった。当時の心境を「なんというか『人生、何が起きるかわからん』というのが正直なところです。本当にわからん」と半分嬉しげに話してくれた。

作品に収められている話は、ほぼ実話と言う。しかしその経験が読者にとっては面白みを感じ興味をそそられるから不思議である。そのことを聞いてみると「とりたてて変わった体験をしているというわけでもなく、何かを意識して書くということもないですね。たぶん、他の人と同じような出来事の中から『えっ?』と思ったことをしつこく考えるのが好きなのだと思います」と回答した。何も特別な生活を送っているわけでもないようだ。

出不精な作者が旅をしたらどうなる?新刊『ぐうたら旅日記』を出版

そんな北大路公子さんは、2012年暮れに新刊『ぐうたら旅日記 恐山・知床をゆく』を寿郎社から出版した。出不精で旅嫌いの作者が、友達に手を引かれて道内と東北を訪れた記録となっている。「旅のガイドとか、旅で出会った人々の優しさと別れの切なさとか、旅によって新しい自分に出会うとかいうわけではなく、でもまあすごく楽しかったよ、という本になりました。日記とはまた違う雰囲気も味わっていただけると嬉しい」と新刊について紹介してくれた。少し趣向を変えた内容なので、是非ご覧いただきたい。

最後に、北大路先生からファンの皆さんに一言メッセージを預ってきているのでお伝えしたい。「どんな応援の言葉も嬉しいですが、『本当によく呑みますねえ』以外の言葉をいただくと、より嬉しいです」。

ファンからの質問に答える

Q. 北大路公子先生の本の帯には 恩田睦さんなどもコメントがあったので、作家仲間の交流も興味津々です。なにか情報交換されたりする機会がおありなのでしょうか。
いえいえ、私は本当に細々と書いているだけですので、そのようなことはほとんどありません。仕事とは関係ないところで知り合って旅行に行ったり、最近ではTwitterでお話させてもらう方は何人かいらっしゃいます。ただ情報交換というよりは「トイレ我慢選手権があったら私が優勝」「いや私だ」「いやいや私が」というような話ばかりだったりします。みんなとっととトイレに行けばいいと思います。

Q.北海道で次にまた旅をするとしたらどこですか?道外ならどこですか?
島です。利尻とか礼文とか奥尻とか。そしてウニを存分に食べたいです。道外では山陰や四国ですかね。一度も行ったことがないので。

Q.先生が俳優やタレントさんで好きな方って誰ですか?
うーん、佐藤浩市さんくらいでしょうか。ただ、最近髪型について迷走気味なのが心配です。ハゲてもいいけど、茶髪は嫌なのよ。

Q.一日はどのようなスケジュールで活動していらっしゃいますか?
六時から七時半くらいの間に起きて、冬ならぶーぶー言いながら雪かきをして、八時過ぎに朝食、その後は仕事をしたり仕事するふりしてテレビを見たり家事をしたり両親のどちらかを病院へ連れて行ったり思いたってラジオ体操などにいそしんだ後、十一時半から昼食作り。母がいる時は三人分を、通院などで留守の時は父と二人分を作り、黙々と食す。時々出来上がる「べちゃっとしたチャーハン」や「こしのまったくない焼きそば」には我ながら感動。午後も仕事をしたり仕事するふりして(略)、呑みに行かない日は一八時から夕飯作り。 辛抱たまらんくなって、ビール呑みながら料理することも多い。一九時夕食。仕事やテレビや入浴やテレビや飲酒やテレビやテレビなどを経て、〇時~一時就寝。実に規則正しくダラダラした毎日です。

Q.昼酒ビール、ウニ、毛蟹、ジンギスカン、ゆでたまご以外の好物はなんですか?
白いご飯と味噌汁でしょうか(実は今、正月明けでごちそうに飽きているところ)。

Q.独身でいる理由を教えてください。
り、理由……?わ、わかりません……。すべてにおいて流されて生きているからでしょうか……。

Q.今後、活動の目標や夢などおありでしょうか。
……シメキリを守る。

北大路公子(きたおおじきみこ)

作家。本名非公開。1963年札幌市生まれ、札幌市育ち、札幌市在住。座右の銘は、覇気のなさから「好奇心は身を滅ぼす」。20代の頃に書いた小説が文芸誌の新人賞を受賞、2001年頃からインターネットで「モヘジ」の名で日記を綴り始める。2005年に『枕もとに靴』、2006年に『最後のおでん』を寿郎社から相次いで出版。2008年に『生きていてもいいかしら日記』、2010年に『頭の中身が漏れ出る日々』を毎日新聞社から出版。2012年に『ぐうたら旅日記 恐山・知床をゆく』を寿郎社から、『枕もとに靴』『最後のおでん』の増補版が寿郎社から、『生きていてもいいかしら日記』の文庫がPHP研究所から出版されている。

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