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Sprung Rhythm(スプラング・リズム)

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Sprung Rhythm(スプラング・リズム)
 北海道を中心に活動するクラシカルグループを紹介するシリーズ。今回は「Sprung Rhythm(スプラング・リズム)」の3人。クラシックにとらわれず、様々なジャンルを演奏する取り組みに至ったいきさつや活動の様子を紹介する。(収録日:2011年10月25日付)

スプラング・リズムとは?

 ピアノやヴァイオリンといった楽器で演奏しながらも、クラシック音楽にとらわれない音楽のスタイル。時にポピュラー音楽、アイリッシュ、ジャズテイストなど、様々なジャンルの音楽を演奏する。たとえば、シェトランド・エアとして知られるスコットランド民謡『Da Slockit Light』のヴァイオリン+ピアノの演奏では、スコットランドの雄大な自然が目に浮かんでくるかのような美しい旋律を奏でる。

 こうした多ジャンルの音楽活動は、北海道発の女性3人組グループ「Sprung Rhythm(スプラング・リズム)」の真骨頂だ。どうやら話を伺うと、メンバーの音楽ジャンルの好みが幅広い上、それらを聴くだけではおさまらず「自分たちで演奏してみたい!」となるそうだ。

 『自然な話し言葉に近いリズム(韻律)』という意味である同語から引用され命名された「Sprung Rhythm(スプラング・リズム)」であるが、どのように結成されたのだろうか。当初からジャンルにとらわれず活動してきたのだろうか。代表の直江さんをはじめメンバーの皆さんに話を聞いた。

Sprung Rhythm(スプラング・リズム)

「You Raise Me Up」から始まった

 現在のメンバーは、ソプラノ・中江早希、ヴァイオリン・林ひかる、ピアノ編曲・直江香世子の3人で構成されている。3人ともプライベートでも仲良しであり、北海道教育大学岩見沢校音楽コースの第一期生でもある。

 前身となるのは、北海道教育大学岩見沢校音楽コースの学生時代に結成された「SUNNY」という音楽グループで、今よりも多い楽器編成であった。結成のきっかけとなった重要な日について直江さんはこう回想する。

 「大学1年のある日、フィギュアスケーター荒川静香さんのエキシビションで有名になった『You Raise Me Up(Celtic Woman ver.)』にえらくハマっていた私が、練習室にあるピアノでその曲を弾いていると、いきなり林(ヴァイオリン)がサビの部分で乗っかって演奏してくれたのです(笑)。『ジャンルの好みが同じ仲間がいる!!!』と、とても興奮したのを覚えています。」

 その後少しして、フルート専攻の友人が同じくクラシックに限らず様々なジャンルを演奏したいと希望し、まずは3人でグループを結成した。これが「SUNNY」であり、ホテルや音楽イベント、レストランでのディナーコンサートなどの活動を行った。

 大学2年のクリスマスシーズンには、音楽イベントの主催側から「クリスマスソングを歌ってほしい」とのリクエストが来た。そこで3人は即座に、当時から評判だったソプラノの中江さんに頼むことを決めた。その後もメンバーが加わっていき、大学3年にはオーボエ、コントラバスのメンバーがいたこともあるという。

 SUNNY時代から、様々なジャンルを好み演奏するメンバーが集まって活動してきており、『ジャンルにとらわれずに、とにかく自分達が「良い」と思った音楽を伝えていきたい』とのコンセプトは、Sprung Rhythm(スプラング・リズム)となった2011年始め以来も変わっていない。また、最初にメンバーが集まるきっかけとなった「You Raise Me Up」は今でも大好きであると語る。

大学時代から積極的にコンサートを開催

Sprung Rhythm(スプラング・リズム)
Sprung Rhythm(スプラング・リズム)
 メンバーはそれぞれフリーでも活動しているが、グループとしてコンサートをたびたび開催してきた。大学3年生のときには大学のホールで、地域の人も招待した入場料無料のコンサート「Accueil(フランス語で「ようこそ」の意)Vol.1 Vol.2」を開催した。

 Vol.1では、150名以上が集まり、クラシックの名曲からおなじみの映画音楽まで様々なジャンルを演奏。「演奏した側としても本当に有意義なコンサートになった」と直江さんは話す。Vol.2も同様のコンセプトで、特別ステージでは、G.プッチーニのオペラ『蝶々夫人』の抜粋を演奏した。ささやかながら小道具や演出も自分たちで考えた思い出深いステージとなった。

 Vol.2の林さんへのサプライズも良い思い出とも話してくれた。彼女がフィンランドへ1年留学する直前であったので、直江さんが「Dedicate(捧げる の意)」という曲を作曲し、林さん以外のメンバーで演奏した。メンバーの仲の良さを物語るエピソードの一つである。

 2011年始めには「Sprung Rhythm Concert 2011」(11月25日・27日)の開催を決定。このコンサートは東日本大震災チャリティーコンサートとしての開催を予定している(記事下部参照)。

まずは自分たちが音楽を楽しみたい

 メンバーの皆さんが心がけていることは何だろうか。中江さんはこう話す。「私は聴いて下さるお客様に共感出来る音楽を提供することです!その為には常に感じる心を持ち、それらを音楽で表現しなければなりません。技術はその為の方法に過ぎないと思います。技術を追求し音楽を愛していなければ難しい事です」。

 林さんや直江さんも、まずは自分たちが音楽を楽しむこと、と語る。「聴いて下さる方々も楽しめて、でも自分そして共演者も楽しめること。そして、当たり前のことかもしれませんが、1つ1つの音に"愛情"を込める、"正直である"ことを心掛けています」。「アレンジにしても、演奏にしても、自らが音楽を楽しむ心を忘れない、という事を第一に考えています。まず自分が、演奏やアレンジする曲を心から愛し、"こんなに素敵な曲なんだよ!この想いを是非伝えたい!"と思えるようでないと、絶対にお客様には伝わらないので……」。

 現在はメンバー全員が北海道在住というわけではない。とはいえ、音楽に対する気持ちは変わらないので、北海道に帰った時には、同じようにSprung Rhythmの活動を続けていきたいという。メンバーを代表し直江さんが最後にこう語る。「それぞれが技術や音楽性を磨き、北海道に集まってコンサートをする度にパワーアップ出来るよう、一同一生懸命精進していきます!これからも皆様のあたたかい応援を、よろしくお願い致します!」

ダイジェスト音源

メンバープロフィール

[ソプラノ] 中江早希(なかえさき)

Sprung Rhythm(スプラング・リズム) 私は現在、東京芸術大学の大学院生として勉強しています。毎日勉強の嵐ですが、東京で新たな素晴らしい方々と出会い、刺激を受け、とても楽しい音楽生活を送っています。趣味は旅行です!知らない土地の綺麗な景色や空気を感じ、美味しいものを食べる……。自然のパワーは私の一番のエネルギーです!これからは更に勉強を重ねていき、初心を忘れずに皆様に感動を提供出来る歌い手になれるよう頑張ります!

旭川市出身。北海道教育大学岩見沢校 芸術課程音楽コース声楽専攻卒業。現在、東京芸術大学修士課程音楽研究科声楽専攻独唱科2年在学中。声楽を塚田康弘、針生美智子、佐々木典子の各氏に師事。2009年第14回日本モーツァルト音楽コンクール声楽部門第2位、2009年第78回日本音楽コンクールオペラ部門ファイナリスト。

メンバーの皆さんから一言
(林) いつも変な事をしてみんなを笑わせる天才ともいえる中江さん。よく、人を楽しませてその場の雰囲気を楽しくさせる人いますよね。でもそういう人はたいてい真面目な人が多いって言いますよね。ずばり彼女がその人です。そして、彼女はマーヴェラスでエキゾチックで……とにもかくにも「魅力的」な人です!!
(直江) 「色んな意味」で天才です。典型的なムードメーカーで、彼女のまわりにはいつも友だちがたくさん!暇さえあれば神がかったモノマネやダンスでいつもみんなを笑わせています。そして、彼女と一緒に過ごすと120%太って帰ってきます(笑)。そのぐらい食のセンスが合います。危険です(笑)。自分の事のように私の事を考えてくれて、彼女には何度も助けられました。音楽に対する姿勢は実にストイック。周囲から「天才肌」と呼ばれていますが、誰にも言わず、陰で誰よりも努力しているのを私は知っています。

[ヴァイオリン] 林ひかる(はやしひかる)

Sprung Rhythm(スプラング・リズム) はじめまして!!!ヴァイオリンの林ひかるです。絶対読めない人がいないというほど簡単な名前ですよね。現在はヴァイオリンを教えたり、演奏活動をしたりしています。教えることにあまり興味のなかった学生時代。でも、いざ教えてみると楽しい!!今では、生徒に会うのが毎日楽しみです♪好きなことは食べること。パスタが好き。留学先のフィンランドではパスタばかり食べて太りました。そして旅がすきです。でも、時間とお金がなかなか無いのでいつもテレビで紀行番組を見ています。今一番したいこと、それは「ハワイにいきたい!!」です。昔、小さい時にハワイに住んでたことがきっかけでウクレレではなく、なぜかヴァイオリンを習いはじめました。いわば私のアナザースカイです。ヴァイオリンももちろん大好きですがそれ以外にもファッション、バレエ、旅行、車の運転……好きなことが沢山ありすぎる欲張りな人、それが「林ひかる」です。でも、ふと気がつくといつもそばにはヴァイオリンがあります……。

札幌市出身。北海道教育大学岩見沢校 芸術課程音楽コース弦楽器専攻卒業。2008年に同大学からの交換留学生としてフィンランドのシベリウス音楽院に1年間留学。これまでにヴァイオリンをひろ子・プリムローズ、土方恭之、宮崎陽江、内田輝、山本聖子の各氏に師事。ヴァイオリン講師、各地で様々なジャンルを演奏。

メンバーの皆さんから一言
(中江) ヴァイオリン一筋の実力派。音色は水晶の様で、透明感のある音色の中に繊細な表現力とエネルギーが沢山含まれています。虹色ヴァイオリン!しっかり者で、いつも冷静に物事を考えています。でも意外にマイペースな所が癒し系で大好きです♪
(直江) 普段は、ニコニコとかわいい笑顔・かわいらしい声でつまらないジョークを言い、自分で笑ってしまうような癒し系ですが、演奏を始めると激変します。その魅力的なギャップに惹かれ早6年。 包み込むように柔らかで大きく、時に繊細な音楽、音色、節回しが大好きです。メンバーの中では一番少食……。そして、ふとした瞬間にそっとあたたかいフォローをしてくれます。受験では手作りのお守りを作ってくれたり、泣いている時に何もいわず一緒にいてくれたり。そんな優しさにいつも支えられています。

[ピアノ・編曲] 直江香世子(なおえかよこ)

Sprung Rhythm(スプラング・リズム) 皆様はじめまして(^^)♪作編曲/ピアノ担当の直江香世子です。自然いっぱいの小樽市出身で、普段はクラシックのコンサートやその他音楽イベントのアレンジ・作曲・ピアノなどの音楽活動をしております!来年からは、東京芸術大学の大学院生として、電子音楽なども取り入れた音楽制作の勉強をします!趣味は食べる事!温泉や旅行、とにかく自然が大好きですが、やはりその延長上にあるのはその大自然を感じながら、おいしいものを食べる事です(笑)気心の知れた友人や家族と、おいしいご飯・お酒を楽しみながらゆっくりと談笑する、それが私の一番のエネルギーです♪

小樽市出身。小樽潮陵高等学校、北海道教育大学岩見沢校 芸術課程音楽コース作曲専攻卒業。 北海道作曲家協会会員。これまでに作曲を南聡、二橋潤一、佐々木茂の各氏に、ピアノを薄井豊美、二宮英美歌の両氏に、和声学を手島由芙子氏に師事。道内のコンサートや音楽イベントでアレンジ、作曲、ピアノ演奏。来年度から東京芸大院に進学予定。

メンバーの皆さんから一言
(中江) いつも純粋で音楽に対する思いが熱い人。ピアノの音色はまるでオーケストラが演奏しているかのようで、ダイナミックな表現力が素晴らしい。縁の下の力持ち!!シャイで気にしいですが、いつも心が広く優しく接してくれます。しかし忙しくて生活リズムが乱れているのが心配……。
(林) いつも見かけるたびに「むすーっ」とした顔でいる直江さん。怒ってるのかと思ったらそうではないらしい。そんな直江さんが笑顔になると結構可愛いんです♪そして、この3人の中では一番しっかりしています。辛いこともぐちをもらさず一生懸命取り組む彼女。頭があがりません。そして頼りになる、それが直江さんだと思います!

Sprung Rhythm(スプラング・リズム)公式サイト:
https://sites.google.com/a/k-naoe.com/sprung-rhythm/

Sprung Rhythm Charity Concert 2011

●2011.11.25(Fri)  小樽北一ホール 入場料1000円
●2011.11.27(Sun)  札幌時計台ホール 入場料500円(完売しました)
●両日券 1300円(完売しました)
●開場 18:30 開演 19:00
●お問い合わせ メールやHPから受け付けております。
●プログラム
L.バーンスタインミュージカル[ウエスト・サイド・ストーリー]メドレー(ピアノ)
G.ガーシュインJ.ハイフェッツ編サマー・タイム(ヴァイオリン)
E.ウィテカーFive Hebrew Love Songs
アイルランド民謡The last rose of summer~庭の千草~(ソプラノ)
B.ウィーラン[リバーダンス]より「Lift the wings/American wake」
L.バーンスタインミュージカル[キャンディード]より「Glitter And Be Gay」(小樽公演)
W.A.モーツァルト オペラ[魔笛]より「夜の女王のアリア」(札幌公演)他
※都合によりプログラムの一部を変更する場合がございます。予めご了承下さい。

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