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亜麻作りの楽しさ広めたい!江別大麻で「亜麻カフェ」開催

亜麻作りの楽しさ広めたい!江別大麻で「亜麻カフェ」開催

【江別市】かつて麻畑が広がっていた江別市大麻で、亜麻の栽培からリネン布作りまでを一貫して行う一人の女性がいる。市内で活動する工房亜麻音の小野田由美さんだ。近年、北海道内で亜麻が復活の兆しを見せている中、個人で亜麻作りに取り組んでいる例はまだ数少なく、普及はこれからといったところ。そんな亜麻に関するあらゆる情報と道具を集めた「亜麻カフェ」を、大麻銀座商店街内の店舗で期間限定で開催している。小野田さんは「亜麻作りの楽しさを広めていきたい」と意気込む。

※江別大麻と亜麻作りの歴史は記事下部を参照。

孤軍奮闘、歴史ある江別大麻で亜麻の普及に挑む小野田さん

▼小野田さんと、亜麻カフェが入る店舗
亜麻作りの楽しさ広めたい!江別大麻で「亜麻カフェ」開催

小野田さんが趣味で亜麻栽培を始めたのは5年ほど前。札幌で開催されていた講座を受講し感激したのがきっかけで、羊の毛からスタート、その後、綿花と亜麻作りに移った。プランター栽培から始めた亜麻栽培は現在、江別市野幌の8坪ほどの貸農園で栽培するまでに拡大しており、今後も栽培面積を広げる予定だ。

個人で亜麻栽培や亜麻製品を作っている人は少ないため、小野田さんは自己流で生産方法を確立。夏に亜麻を収穫後、2~4週間水に浸し乾燥させた亜麻を、自作の木製道具で繊維以外の茎を砕く。さらに、ブラシで梳いて、まさに「亜麻色の髪」のように柔らかくしてから、紡ぎ車で糸を紡ぐ。

▼乾燥させた亜麻は、茎を砕き、梳いていく
亜麻作りの楽しさ広めたい!江別大麻で「亜麻カフェ」開催
亜麻作りの楽しさ広めたい!江別大麻で「亜麻カフェ」開催
亜麻作りの楽しさ広めたい!江別大麻で「亜麻カフェ」開催
亜麻作りの楽しさ広めたい!江別大麻で「亜麻カフェ」開催

このようにして紡いだ糸から、手織りでコースターやキッチンクロス、糸状のものからストラップの紐を作るほか、綿と麻を組み合わせた柔らかい生地のコースターも作る。特に手織りリネンは道内でもほとんど作る人がいないという貴重な品だ。

▼小野田さんが作る様々な亜麻の布
亜麻作りの楽しさ広めたい!江別大麻で「亜麻カフェ」開催
亜麻作りの楽しさ広めたい!江別大麻で「亜麻カフェ」開催

小野田さんの亜麻のウリは、「水しか使わない、人体や地球環境に優しい亜麻」。亜麻そのものは無農薬栽培。薬品や染料を使うのが当たり前の工場製と異なり、化学薬品を一切使わない天然素材を心掛ける。手紡ぎ糸で織ったリネンは、素朴で肌に馴染み、化学物質に過敏な人にもオススメだ。

当面の目標は、国内で最も栽培に適した北海道で、あまり知られていない亜麻作りを知ってもらい、広めていくこと。将来的には亜麻仲間を増やし、亜麻の可能性を探りつつ、「いつか『北海道リネン』ができたら」と話している。

亜麻カフェが大麻に登場!体験ワークショップも開催予定

小野田さんは2014年8月、亜麻に興味を持ってもらおうと、大麻銀座商店街の一角を借り「亜麻カフェ」を期間限定で開催している。亜麻の栽培から糸を紡いで布になるまでの工程や、本物の亜麻、使用している道具などを来店者に解説している。足踏み紡ぎ車を使って亜麻繊維を紡いで糸にする過程も実演する。

また、「亜麻手紡ぎワークショップ」も9月に開催予定。足踏み紡ぎ車(アシュフォード製トラディショナル)を使い、亜麻繊維を紡いで糸にする作業も実際に体験できる。この作業自体は、羊毛を紡ぐ要領ででき、意外と簡単にできるとのこと。「種さえ入手できれば誰でも作れるので、手順を教え、自分で作って使う楽しさを広めたい」と小野田さん。なかなかできない亜麻手紡ぎ体験を大麻の地でやってみてはいかが。

▼紡ぎ車での実演も
亜麻作りの楽しさ広めたい!江別大麻で「亜麻カフェ」開催


亜麻カフェ
開催場所:大麻銀座商店街「麺こいや」(江別市大麻東町13-48)[地図] 1Fカウンター奥
開催期間:2014年8月4日(月)~9日(土)13:00~15:00
予約不要、お飲物一杯500円、江別産亜麻手紡ぎ手織りコースターかストラップ土産付

亜麻手紡ぎワークショップ
開催場所:同上、2F
開催日時:2014年9月20日(土)13:00~15:00
参加費1500円、材料費・飲み物一杯込、定員4名、予約はこちら

▼7月に花を咲かせる亜麻の花
亜麻作りの楽しさ広めたい!江別大麻で「亜麻カフェ」開催

かつて亜麻栽培が盛んだった大麻

江別市大麻地区は、大曲地区の「大」と麻畑の「麻」に由来し、1935年に字名改正で「大麻(おおあさ)」と称するようになった。当初、野幌屯田兵授産事業として大麻栽培が行われていたことから、「麻畑」という部落名で呼ばれていたという。1887年に北海道製麻株式会社が札幌に開業して以降は、道庁の奨励もあり、原料が大麻から、北海道の気候に適した亜麻へ移行していき、大麻生産量を上回るまでになった。

江別では、1920年に東洋製綿株式会社亜麻繊維工場が石狩大橋付近で操業を開始、1927年に北海道亜麻工業株式会社江別工場として稼働した。当時は江別でも亜麻の栽培が盛んで、馬車に山のように積まれた光景が見られたという。しかし、需要が落ち込み、工場は1930年に閉鎖。北海道全体でも、製品が軍用として作られていたこともあり、戦後は需要が激減、化学繊維の台頭で、1960年代には亜麻畑は姿を消した。

一時期国内の亜麻産業は途絶えたが、2000年代に当別町を中心に亜麻の油など食用としての栽培が復活した。しかしながら、歴史的に亜麻加工品は主に機械で製造していたため、手作業で亜麻を紡いで織物を作ることが国内ではあまり浸透しなかったと思われる。

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