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道内で2番目に古い!創業140年の歴史持つ「手稲ステーションホテル」

編集部
Written by 編集部

道内で2番目に古い!創業140年の歴史持つ「手稲ステーションホテル」

手稲駅南口前の一等地に建つ手稲唯一のホテル「手稲ステーションホテル」。名前だけ聞くと新しい宿泊施設と思われがちだが、前身の船木旅館時代を含めると140年の歴史を持つという。手稲の発展とともに歩んできた同ホテルの歴史について、運営する株式会社テイネステーションホテル代表取締役社長・船木雅紀さんに聞いた。

「船木旅館」創業は1875年(明治8年)―道内二番目の歴史を誇るホテル

船木氏のルーツは新潟県。二代目の船木福三郎(ふなきふくさぶろう)氏が「石狩・手稲通」と「軽川街道」の交差点付近で旅人宿「船木旅館」を創業したのがはじまり。正確な開業年月日の記録はないが、様々な資料をすり合わせていくと1875年(明治8年)創業と推測される。これより古く創業し現存する宿泊施設は1858年創業の登別温泉第一滝本館だけで、道内二番目の古さを誇る。

駅前に移転したのは、1881年に官営幌内鉄道・軽川駅(現在の手稲駅)が開業したとき。かやぶき屋根、中廊下でつながった平屋建ての二棟で、中庭には池があり、当時としては豪邸だったという。当時の旅館の姿は、現在、手稲ステーションホテルフロントに大きく掲げられた写真で様子をうかがい知ることができる。「祖父、曽祖父が写っている」と船木社長。井桁に一の字の屋号とともに「旅人宿」と記されていたことがわかる。

▼写真:ホテルフロントにある1906年5月ごろ撮影の船木旅館
道内で2番目に古い!創業140年の歴史持つ「手稲ステーションホテル」

軽川(手稲)市街は大火の被害に何度もあっている。写真が撮られた同年、1906年7月10日には軽川市街大火で50戸が消失、船木旅館も被害にあった。しかし1944年、1966年の駅前商店街の大火では、隣家まで火の手が迫ったが運よく難を逃れている。

1906年の焼失後に2階建てになった船木旅館。当時は20部屋あり、2食付きで部屋まで運んでいたという。1972年の札幌冬季オリンピック開催に伴って手稲駅前再開発が進められると、より現在地に近い場所に移動し、2階建て・和室10部屋の旅館に建て替えた。

▼2階建てになった木造の船木旅館(船木さん提供)
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▼1972年冬季五輪再開発以降の船木旅館(船木さん提供)
道内で2番目に古い!創業140年の歴史持つ「手稲ステーションホテル」
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平成に入ると再び駅前再開発事業が行われ、船木旅館も建て替えることに。これを機に、2000年7月7日に8階建ての自社ビルを新築し「手稲ステーションホテル」に改称。下層階にテナントが入り、5階以上を客室とした。外観は近代的なホテルになったが、井桁に一の字の屋号はいまも使用しており、手稲の歴史とともに歩んできた同ホテル140年の歴史を垣間見させる。

▼写真:ホテルフロント前にある歴史感じさせる展示物(写真・家具・はんてん・屋号焼印・重箱など)と船木社長
道内で2番目に古い!創業140年の歴史持つ「手稲ステーションホテル」
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ゴールドラッシュに沸いた昔、今はビジネス客中心に

「旅人宿」として手稲市街中心部で営業してきた船木旅館。札幌中心部と海の玄関口であった小樽の中間地点に位置することもあり、当初は商人たちが利用してきた。また、国内有数の金山として名を馳せた手稲鉱山周辺は最盛期には3000人規模の人たちが集まり、その関係者が宿泊客のほとんどを占める時代もあったという。

1971年に手稲鉱山は完全閉山。その後、昭和後期から平成初期にかけては石狩地域に工場が続々と新設され、ビジネス客が多く利用するようになる。駅前に手稲渓仁会病院も完成したためその利用客も少なくない。ライジングサンロックフェスティバルのような大規模イベントが石狩で開催されるようになったため、イベント時には約50室すべてが満室になる。

札幌と小樽の中間に位置し、石狩へも足を延ばせる交通の要所にあり、他にホテルもないため、個人旅行客も増えつつある。意外なのは、鉄道ファンにもひそかな人気を呼んでいるという点。ホテル上層階の西側に宿泊すれば、眼下には手稲駅を発着する列車、そしてJR札幌運転所車庫をゆっくり出入りする特急列車も見放題。これが鉄道ファンの心をつかんでいるそうだ。

▼JR手稲駅が眼下に。病院の屋上にはドクターヘリも常駐する
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部屋は基本的に洋室で、和室も2部屋用意。バリアフリー対応の部屋も2部屋あり、ハートビル法認定ホテルになっている。同ホテルには朝食が付いており、500円のバイキング形式。手稲特産の大浜みやこを使った料理など、地元産にもこだわりを見せ、家庭的な料理だと好評だ。

▼手稲ステーションホテルの客室。二枚目はバリアフリー対応の部屋(同ホテル提供)
道内で2番目に古い!創業140年の歴史持つ「手稲ステーションホテル」
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昭和初期から1950年ごろまでは、船木旅館、藤の湯、目黒商人宿、緑荘、手稲山荘の5軒の旅館があったという手稲。現在は船木旅館改め手稲ステーションホテルが手稲で唯一のホテルとして営業している。「個人経営のホテルは札幌でもここだけでは」と話す船木社長。「150年、200年を目指していきたい」と抱負を語る。

手稲ステーションホテル
札幌市手稲区手稲本町1条4丁目1-5(手稲駅南口)
TEL:011-681-7000
公式ウェブサイト

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