雪解け迎えた南空知の田畑にマガンとハクチョウが多数飛来中!

南空知で春の訪れを告げるのが、渡り鳥の飛来です。雪解け時期とともに南から北(シベリア方面)へ向かうマガンやハクチョウの群れが続々と北海道に渡り、岩見沢市、美唄市、栗山町、長沼町などの南空知の田畑では、えさをついばむ姿が目撃されるようになります。

ウトナイ湖から宮島沼へ

南空知で渡り鳥の寄留地として知られるラムサール条約登録湿地・宮島沼は、世界有数のマガンの飛来地。4月中旬から下旬にかけてピークを迎え、最大6万羽がねぐらとして利用します。まだ宮島沼の水面が雪に覆われている3月下旬から徐々に、マガンやハクチョウといった渡り鳥の偵察隊を観察する機会が増えてきます。

ちょうどそのころ、例年降雪の少ない苫小牧近郊の湖沼がねぐらとなり、苫小牧市のウトナイ湖、千歳市の長都沼には数万羽の渡り鳥が飛来します。ウトナイ湖では、2016年3月18日に10万羽以上のガン類を記録。その後個体数を徐々に減らし、宮島沼の解氷とともに空知地方へと移動していきます。

鳴き声を上げながら上空を飛ぶ渡り鳥の飛行隊も、南空知に春が来たことを告げる光景。マガン、ハクチョウ問わず、V字型に並んで飛んでいくV字編隊もよく見られるようになります。通常マガン、ハクチョウそれぞれ別々にV字編隊を組みますが、時々マガンの編隊の中にハクチョウが混じって飛ぶ姿なども目撃されています。

雪解けの田畑で落ち穂をついばむ渡り鳥たち

2016年は3月中旬に4月中旬並みの暖かさを記録。岩見沢近郊でも雪解けが急速に進み、積雪の少なかった栗山町や長沼町では、3月20日過ぎの時点で既に田畑から雪がなくなった状態が確認されています。一方、岩見沢市や美唄市に近づくほど雪がまだ残っている状態ですので、雪解けが進むとマガンやハクチョウがやってくるようになるでしょう。

幹線道路から田園地帯に入ってみると、マガンやハクチョウが群れをなして田畑を埋め尽くしている光景を目にすることも。半分雪解けが進んだ田畑や、雪解け水でぬかるんだ田畑、解けきった田畑には、渡り鳥が多数みられます。黒い点々が無数にみられるのはマガン、大きめの白い点々はハクチョウです。

渡り鳥が何をしているかというと、土がむき出しになった田畑で落ち穂などのえさをついばんでいます。雪解け水が田畑にあると、鳥たちがついばむピチャピチャという音が聞こえてきます。時にハクチョウたちがえさをめぐり、羽を広げて大きな鳴き声を上げることもしばしばです。

渡り鳥が間近で見られるこの時期、雪解けが進む南空知の畑地を訪問し、春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。