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上砂川町民に愛された懐かしの炭鉱グルメ「ソースかつ丼」が復活!

テツヤマモト

炭鉱町として栄え、ピーク時は3万人を超える人口を抱えた道央・上砂川町。1987年に全ての炭鉱が閉山してしまいましたが、当時の名残が今でも随所に残されています。その1つが上砂川岳温泉パンケの湯内レストランで提供されている「ソースかつ丼」です。

実はこのメニューがレストランで提供され始めたのは2016年夏のこと。それにも関わらず「懐かしい」とカツを頬張るファンが後を絶ちません。今回はソースかつ丼の歴史やそのおいしさの秘密についてお話を伺いました。

「アカシ食堂」のソースかつ丼

ソースかつ丼はもともと、上砂川町内の「アカシ食堂」で提供されていた人気メニューでした。小さな町で重宝された食堂であり、「北の国から」のロケ地となったことでも有名なお店です。

今では閉店してしまったアカシ食堂ですが、当時は炭鉱マンはもちろん、多くの町民に愛されるお店でした。地元のお年寄りに「昔よく食べたものは?」とお話を聞くと、決まってソースかつ丼と答えるのだとか。

▼アカシ食堂の跡地。今では看板も下ろされてしまっている
上砂川町民に愛された懐かしの炭鉱グルメ「ソースかつ丼」が復活!

そのソースかつ丼を復活させようと取り組んできたのが、地元温泉旅館「パンケの湯」と地域おこし協力隊員です。アカシ食堂の関係者にレシピを教わりながら、はじめはイベントやお祭りを中心に提供を開始。それがあまりにも好評で「温泉のレストランでも食べたい!」という声が高まり、2016年夏から期間限定で商品化がなされました。

パンケの湯内、レストラン「パンケ」で提供中!

そうして幻の食、ソースかつ丼を復活させたのが上砂川岳温泉 パンケの湯内レストラン「パンケ」です。

同温泉までは町内からの無料送迎バスが運行しており、お昼時にはお年寄りを中心に、町民が集まる憩いの場となっています。取材日は13時頃にレストランを訪ねましたが、この時間帯は比較的空いているようで注文もスムーズでした。

▼上砂川岳温泉 パンケの湯。上砂川町内から東に4キロほど進んだ山間に位置
上砂川町民に愛された懐かしの炭鉱グルメ「ソースかつ丼」が復活!

▼レストラン「パンケ」。他の人気メニューに、上砂川特産のニジマスを使用した「そらんち定食(季節限定)」がある
上砂川町民に愛された懐かしの炭鉱グルメ「ソースかつ丼」が復活!

レストラン「パンケ」はメニューが大変豊富ですが、今回は迷わずソースかつ丼(800円)を注文。10分も経たないうちに到着です。

上砂川町民に愛された懐かしの炭鉱グルメ「ソースかつ丼」が復活!

どんぶりの大きさにぴったりフィットする豪快なカツ。通常のかつ丼のように、卵でとじるのでなく、ご飯の上にカツを乗せてソースをかけるというシンプルさが目につきます。

米は浦臼産ファーム石橋直送の「ななつぼし」、豚肉は旭川市より仕入れるランクの高い四元豚を使用。ソースは多種の調味料をブレンドした、料理長のオリジナルです。みそ汁と漬物が付いてくるのもまた嬉しいポイントです。

早速いただいてみると、カツが予想以上にさくさくしていることに驚きました。身の引き締まった肉を頬張りながら、ご飯をかき込みます。甘口で濃厚なタレが癖になって箸が止まりません。

食べながら「なるほど。これは炭鉱マン好きだろうな……」と感じました。毎日汗だくになりながら、作業を進めていた作業員にとって、豪快にかき込めるソースかつ丼は日々のスタミナ源であったことでしょう。

期間限定のつもりが……

はじめは期間限定で提供する予定だったというソースかつ丼。 しかし、地元住民や観光客から思いのほか好評価を受けたため、今後しばらく提供を続けるとのこと。料理長は「おそらく通常メニューになるんじゃないかな」とつぶやいていました。

炭鉱という基幹産業を失った上砂川町。新たな姿へと生まれ変わる町の、変わらないスタミナ源として、これからも町民の胃袋を満たしていくことでしょう。

上砂川岳温泉 パンケの湯内レストラン「パンケ」
上砂川町字上砂川65番地106
TEL:0125-62-2526
営業時間:11:00~14:00,15:00〜18:00

筆者について

テツヤマモト

テツヤマモト

1993年稚内市生まれ。小学生5年生からブログを書き始め、大学3年生の時にライターとして学生起業。出版社で勤務したのち、23歳でフリーライターとして独立。現在、個人メディア「面白ハンター」を運営しながら、札幌を拠点に国内外を放浪生活中。一風変わったスポットにどんどん体当たりしていきます。