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ラッピング電車も新登場!今年の夏は札幌市電が芸術の舞台になる!?

札幌の街中を走る路面電車は札幌市電(市電)と呼ばれています。地下鉄の開通や道路事情の変化で、一時は全面廃止も考えられた市電ですが、市民の要望などにより、1路線が今も運行され市民の足として愛されています。

「芸術祭ってなんだ?」をテーマにさまざまなイベントが開催される札幌国際芸術祭2017では、路面電車(市電)が舞台になるプロジェクトもあるのだそう。市電と芸術? いったいどのような捉えられ方、取り組みで市電が芸術と結びつくのでしょうか?

市電と芸術が織り成すコラボレーション

札幌の公共交通輸送がはじまったのは、1909(明治42)年。馬車鉄道が走ったことからでした。馬車鉄道は1918(大正7)年に民営の路面電車に切り替わり、1927(昭和2)年に市営化しました。

札幌の路面電車は、地下鉄の開通や道路事情の変化によって次第に縮小化され、1974(昭和49)年に現在の1路線となりました。2015(平成27)年に、分離されていた西4丁目停留場からすすきの停留場までがつながり、ループ化が実現したのも記憶に新しいところです。

ラッピング電車も新登場!今年の夏は札幌市電が芸術の舞台になる!?

このループ化された市電を舞台にしたプロジェクトが「市電プロジェクト~都市と市電~」です。ループ化された市電の路線が囲む旧山鼻村エリアは、早くから開拓が進められた札幌の下町。歴史や景観など、旧山鼻村エリアは札幌らしさを残した場所だとプロジェクト企画メンバーの漆(うるし)さんは言います。

「来年開業100周年を迎える市電は、札幌の過去と未来を結ぶ象徴的なものだと思うのです。今回、札幌国際芸術祭という舞台で、市電と街の現在、過去、未来に目を向ける試みを行います」と漆さん。今回は、4つのプロジェクトが行われています。簡単にその内容を紹介していきましょう。

▼企画への思いを語ってくれた企画メンバーの漆崇博さん
ラッピング電車も新登場!今年の夏は札幌市電が芸術の舞台になる!?

ノイズ電車 SAPPORO 2017

ラッピング電車も新登場!今年の夏は札幌市電が芸術の舞台になる!?

2012年の「フェスティバル FUKUSHIMA!」を原点とするノイズ電車を、市電を会場に展開するもの。

この「ノイズ電車 SAPPORO」では、複数のミュージシャンが市電に乗り込んでノイズミュージックを演奏し、市電をライブ空間へ変貌させます。

ノイズミュージックは、楽譜や譜面のない音の集合体、騒音や雑音と思われているようなものを音楽として再構成したものと捉えることができます。観客は音に包まれながら、日常の中の非日常を楽しむことができるというわけです。

「ノイズ自体が芸術祭でフィーチャーされることは少なく、経験できることはとても稀なこと。貴重な体験をぜひ!」と企画メンバーの漆さん。

残念なことに、前売り券はすべてSOLD OUTとのことですが、オフィシャルバー「出会い」atOYOYOではノイズ電車関連企画ライブが行われる予定ですので、イベント情報をチェックしてください。

開催日・出演アーティスト:
・8月11日(金)中村 としまる × 高橋 幾郎(終了)
・8月25日(金)大城 真 × ハットコペ
・9月 1日(金)DJ方 × MC MANGO
・9月15日(金)YPY × テンテンコ
・9月29日(金)大友 良英 × 湿った犬
時間:各回 18時半~18時45分集合、19時出発予定(約60分)
料金:前売1,000円、当日2,000円(すべて売り切れ)

札幌市電×指輪ホテル Rest In Peace, Sapporo ~ひかりの街をはしる星屑~

ラッピング電車も新登場!今年の夏は札幌市電が芸術の舞台になる!?

アーティスト「指輪ホテル(芸術監督:羊屋白玉)」が、市電や市電沿線を舞台に、新作となる演劇を市民とともに制作し公演するものです。

パフォーマンスへの参加だけでなく、美術や衣装の作成などいろいろな役割として市民が参画しているのも、街を舞台にした芸術祭作品ならでは。参加者の皆さんと一緒につくりあげる作品を目指しています。

「市電の中での演出だけでなく、車窓から見える風景も含めた演出もあるだろうし、場面転換で演者が市電から乗ったり降りたりする可能性もありそうですよ」と漆さんは教えてくれました。

開催日:9月23日(土・祝)・24日(日)
時間:各日17時集合、17時20分出発 / 19時30分集合、19時50分出発
料金:2,500円(当日券なし)すべて売り切れ

市電放送局JOSIAF

ラッピング電車も新登場!今年の夏は札幌市電が芸術の舞台になる!?

市電をスタジオにした放送局が走ります。市電の成り立ちや市電周辺の歴史、習慣、営みの特徴をテーマに、ゲストと共にトークを繰り広げていきます。放送はYouTubeライブを利用して生配信されるだけでなく、生収録したものをアーカイブにしてネット上に掲載します。観客は市電に乗りながらライブ、収録が楽しめるというわけです。

日時:
①2017年8月6日(日)「都市と市電と札幌人」(終了)
ゲスト:和田 哲(街歩き研究家)、札幌LRTの会
②2017年8月18日(金)「都市と市電とアーティスト」
ゲスト:岸野雄一(スタディスト)、祭の妖精 祭 太郎、他
③2017年9月8日(金)「都市と市電と研究者」
ゲスト:岡本亮輔(北海道大学 メディア・コミュニケーション研究院 准教授)、他
④2017年9月20日(水)「JOSIAF x JOFU – FM AIR-G’ hello! HOKKS」
ゲスト:猪熊梨恵(札幌オオドオリ大学学長)、森本優(AIR-G’アナウンサー)
⑤2017年10月1日(日)1周目「Time Loop Tram 99」
演出:三上拓馬、成瀬絢子(市電プロジェクトメンバー)
⑥2017年10月1日(日)2周目「Next Loop ! 」
ゲスト:市電沿線界隈の皆さん誰かがどこかで乗り込んできます

スケジュール:
②~⑤受付:14時30分~14時59分/出発:15時00分~16時00分(約60分間)
⑥受付:16時00分~16時30分/乗車:16時30分~17時30分(約60分間)

会場:札幌市電内
集合場所:札幌市電 すすきの停留所「貸切電車専用停留場」(札幌市中央区南4条西4丁目)
参加費:無料
定員:20名/回(先着順)
対象:どなたでも
募集期間:各イベント実施日前日まで
詳細は市電プロジェクトのページ参照

ラッピング電車SIAF号

ラッピング電車も新登場!今年の夏は札幌市電が芸術の舞台になる!?

これは市電プロジェクトとSIAFデザインプロジェクト、中央区との連携企画として行われました。札幌市中央区に住む小学5~6年生が参加したワークショップでは、街の中を走る市電のデザインがどんなものなら街を行く人に見てもらえるだろうという視点で、芸術祭の企画メンバーでアートディレクターの佐藤直樹さんと子どもたちでラッピング電車SIAF号のデザイン(設計図)を考案していきました。ラッピングされたSIAF号は実際に毎日街を走っています。また、市電プロジェクトの会場としても活用されます。

ワークショップに参加した小学生は「みんなで考えて作った電車が街の中を走り、それをみんなに見てもらえるのがうれしいです」と語っていました。

市電と芸術というと、どんなものになるのか想像もつきませんでしたが、自由なアイデアで生まれた4つの企画はどれもワクワクするものばかりです。どの企画も市民が参加しているというのも、街の中で開催される芸術祭ならでは。これを機会に芸術に触れて、アートをもっと身近なものとして感じてみてはいかがでしょうか。

札幌国際芸術祭2017(SIAF2017)
開催期間:2017年8月6日(日)~10月1日(日)
公式サイト:http://siaf.jp/
北海道ファンマガジン特設ページ

筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。