道産子は14支庁(振興局)を把握している!? 北海道のエリア分けを覚えよう

ばかでかい北海道のエリアわけを覚えなければなりません。なぜかって北海道のどのエリアかを言うときに内地の人にはわからないように言うからです。どういうことかっていうと、「支庁制度」を覚えよう!ということなんですよ。北海道ではこの「支庁」が頻繁に登場してきます。北海道旅行するときは必ず覚えましょう。

どういうエリアわけかは上にあるマップを見ていただければいいと思うのですが、全部で14支庁あります。それぞれの支庁を以下にリストアップしてみました。地域ごとの特徴とともに見てみてください。

北海道のさまざまな細分化を集めてみました。ここをクリック

※2010年4月から支庁制度に代わって総合振興局・振興局に変更になります。そのため、このページも変更点がありますのでご注意ください。支庁再編についてはこちらのページをご覧ください。

北海道の支庁と特徴!

●石狩(いしかり)……道庁所在地の札幌市、そして新千歳空港を含む北海道の中心地区です。支庁所在地は札幌市中央区。道内の支庁の中で最も人口が、もうずばぬけて多いのが特徴です。石狩平野を包含しています。たいてい支庁リストのトップバッターとしてあげられます。

●空知(そらち)……支庁所在地は岩見沢市。石狩支庁の北側にある南北に長く海に面することない支庁です。便宜上「北空知」(中心都市深川市)、「中空知」(中心都市滝川市)、「南空知」(中心都市岩見沢市)と3分割されています。特徴はかつて炭鉱で栄えていった都市が散在するということです。しかし今は炭鉱がなくなり鉄道も廃線し過疎化が進行中です。石狩平野の延長で稲作も盛んです。

●上川(かみかわ)……北海道第二の都市旭川市を中心とする南北に長く海に面することのない支庁です。支庁所在地は旭川市。南部(上川南部)はあの北の国からなどで有名になった富良野地区、中部(上川中部)は旭川市と層雲峡大雪山系連峰で、稲作が盛んな盆地が密集しています。上川北部は名寄盆地で名寄市や士別市といったとしが並びます。 ●留萌支庁(るもい)……支庁所在地は留萌市。日本海に面するオロロンラインの支庁で、内陸部とをつなぐ道路は少なく専ら海沿いの幹線道路しかありません。ちょっと地味に感じるかもしれないエリアだけど、ここから見る利尻富士や夕陽、これは絶景です。

●宗谷支庁(そうや)……日本最北のエリアで支庁所在地は日本最北の都市稚内市。利尻島と礼文島のまちも含み、サハリンを望むエリアです。日本海とオホーツク海にはさまれる唯一の支庁となっています。そしてその両海岸線は気候も違います。稚内市南側の浜頓別・中頓別あたりは「天北(てんぽく)地区」と呼ばれる地域です。主な産業は酪農。

●網走(あばしり)……網走市を支庁所在地とするオホーツク海に面する流氷とクリオネ地区。日本のシベリアと呼ばれるエリアです。オホーツク地区と呼ばれることもあります。網走市と北見市、紋別市の3大都市を中心として、さらにばらされて、「北網地区」は北見・網走地区のこと、「遠紋地区」は遠軽・紋別地区のことです。「知床」となれば網走支庁と根室支庁にまたがる知床エリアです。オホーツク海漁業と質の良い海産物が有名です。

●根室(ねむろ)……日本本土最東端の都市根室市を支庁所在地とする道東のエリア。ほとんどが根釧台地として大規模草地酪農地帯となっていてもはやそこには日本のイメージがありません。知床を中心に自然が豊富。

●釧路(くしろ)……日本有数、道内最大の水揚げ量を誇る釧路市を支庁所在地とする道東のエリア。釧路市を境に釧路西部地区(白糠)と釧路東部地区(厚岸)、釧路北部(阿寒・弟子屈)にわけることができます。釧路湿原とタンチョウと霧のイメージが強い観光名所満載の地区です。

●十勝(とかち)……帯広市を支庁所在地とする広大なアメリカ大規模農業を彷彿させる畑作中心の十勝平野のエリア。私が一番大好きな地域で、その魅力は計り知れないと思っています。帯広市を中心に北を北十勝(士幌)、南を南十勝(広尾)、東を十勝東部(浦幌)、池田から陸別までのふるさと銀河線(旧国鉄池北線)沿線のまちまちは「池北・ちほく」と呼びます。十勝は十勝だけで、という団結力も強く、札幌への対抗意識もある地域です。

●日高(ひだか)……日高山脈西部の海岸沿いのエリアで、支庁所在地は日高町ではなく浦河町。浦河町と新ひだか町を中心として2分されるエリアです。専ら馬、馬、馬のイメージが強く、どのまちも馬をモチーフにしています。

●胆振(いぶり)……北海道の海の玄関苫小牧市と工業都市室蘭市を擁する工業地区。支庁所在地は室蘭市。西胆振は有珠山などの有珠山・昭和新山に代表されるように火山地帯に位置してもいるため、登別温泉・洞爺湖温泉など有名な温泉地帯が散在しています。特に噴火湾は「北の湘南」と呼ばれます。逆に苫小牧を中心とした東部(東胆振)は平地が多く稲作など農業が盛んです。

●後志(しりべし)……観光都市小樽市や積丹半島、ニセコ、蝦夷富士など観光資源に富むエリア。小樽市があるのに支庁所在地は倶知安町というわけわかんない支庁(歴史が関係しているんですが)。地域分けは小樽を中心とした「小樽地区」、余市・積丹半島の「積丹地区」、岩内を中心とする「岩内地区」、倶知安・ニセコを中心とした羊蹄山山ろくの「ニセコ羊蹄地区」、南部の「黒松内地区」に分かれます。自然とレジャーの共存のイメージが強く、留寿都リゾートやキロロリゾート、ニセコは道民でも人気のスポット。

●渡島(おしま)……道内第三の都市函館市を支庁所在地とする道南の渡島半島東半分のエリア。長万部・八雲の「渡島北部地区」、大沼・函館の亀田半島を含む「渡島東部地区(亀田地区)」、松前の「渡島西部地区」に分けられます。本州とのかかわりが深く北海道の歴史の初期でもあった地区で、本州のような街並みが特徴です。道南ならではの観光名所がいっぱいで道産子も大絶賛。

●檜山(ひやま)……支庁所在地は江差町。支庁内は主に2分され、江差を中心とした上ノ国・厚沢部・乙部の「江差追分地区」、北桧山・瀬棚・今金の「北檜山地区」です。そして忘れてはならないのが奥尻島です。いっけん地味に感じる日本海岸のエリアだが、渡島支庁にも負けない歴史も持っているため見所も結構あります。

支庁の意味……

いかがですか?覚えれましたか?読み方も書いておきましたので大丈夫ですね。かつてはもっと支庁の数がありましたが減ったので覚えやすくなっています。場合によっては○○支庁ではなく○○管内という言い方もしますので。都市の名前にもなっている根室支庁や釧路支庁などは大丈夫でしょうが、空知支庁、後志支庁、渡島支庁などは覚えづらいでしょうか。

道産子はみんなこれを知っています。どの市町村がどの支庁に属す……そこまでは完全に把握していなくてもだいたいここから支庁ってわかります。でも、道路には支庁の境界線なる表示がありません。普通にここから「○○市」というカントリーサインがたっているだけです。なので、あまり意識しないかもしれません。ちなみに支庁所在地については覚える必要がありません。だって支庁を利用しないんだからいいでしょ?実際、2005年度北海道の調査では85%の道民が支庁に行ったことがないと回答しています。では、道産子の生活に欠かせない役割を果たしているのはなぜでしょうか?

答えはテレビやラジオの中にあります。天気予報では必ずといっていいほどこの支庁を使って放送します。天気予報によっては都市ごとになっていることもありますが、それでも主に支庁所在地の都市を天気予報に使っています。

支庁が変わればがらっと天気が変わることもしばしばです。たとえば日高山脈で十勝支庁と日高支庁がわかれますが峠の山頂付近から天気が違ったり、十勝支庁と釧路支庁の間、胆振支庁から渡島支庁に入る峠でも天気が変わりやすいのです。

メジャーな北海道のエリアわけ

でも天気以外に何かに使ってるかって言ったら……使ってないですよね。少なくとも一般市民にとっては。事業をしている人であれば支庁に言って手続きをするなど利用することがありますがほとんど使いません。だって北海道庁の支店的役割をする程度なのですから。

道産子は別のエリアわけも使います。それは4つのエリアに分ける言い方です。どうなるかというと、「道央」「道北」「道東」「道南」となります。間違っても道西という地区は存在しません。この4区分も支庁で分ける場合もあれば、適当にわけることもあります。

支庁で分けてしまうと、空知と上川の各支庁が南北に非常に長いため、歪なものになってしまいます。でも4つのエリアわけは基本中の基本。一般に観光情報や情報誌で使うエリアわけは6つのエリアわけが多いことに気付きます。

北海道総合開発計画によると、北海道を6つの地域経済圏を設定し、個性の豊かな活力あふれる地域社会を築くために開発計画が行われています。これが6つのエリアです。つまり、札幌市周辺の小樽・千歳・苫小牧・室蘭・岩見沢・夕張・滝川などが含まれる「道央」は国際エアカーゴ基地。旭川市を中心とした「道北」は留萌や稚内・名寄・士別を含み臨森林型産業都市。函館市を中心とした「道南」は歴史を生かす街づくり。帯広市を中心とした「十勝」は航空宇宙産業基地やアグリビジネスの展開。釧路市を中心とした「根釧」は根室市も含み、農業コンプレックス形成。「オホーツク圏」は北見市や網走・紋別を含むオホーツク海沿岸で、海洋開発拠点。

ということで、6つのエリアとは「道央」「道北」「道南」、そして道北と道東がばらされて、「十勝」「根釧」「オホーツク」になります。しっかり覚えておきましょう。