おせちは口取り菓子?大晦日からおせち?北海道民の年末年始の過ごし方とは

年末年始も北海道流の過ごし方、風習があります。道外とはちょっと異なる道民の年末年始の食の習慣を2つご紹介します。正月に「口取り菓子」を食べること、大晦日からおせち料理など豪華なものを食べることです。いったいどういうことでしょうか。

口取り菓子とは?

道民の年末年始の食の習慣のひとつは、正月に「口取り菓子」が欠かせないことです。

「口取り」とは何でしょうか。外観はおせち料理のようなのですが、実際にはお菓子(和菓子)でできている、北海道独特の郷土菓子のことです。「口取り菓子」は、おめでたい海老や鯛といったおせちで欠かせない食材をお菓子で代用し、パッケージや箱に詰めて正月に食べます。

そもそもなぜこうした風習が出来上がったのでしょうか。北海道では鯛や伊勢海老を手に入れることができない土地柄であったため、昔の人はお菓子でそれを表現したといいます。

主に、正月用に店頭販売されるのが年末の恒例となっています。現在では、大手製パンや和菓子業者がそれを手掛け、北海道内で販売を行っています。北海道の正月は甘いのです。

大晦日から豪勢な「おせち料理」を食べる

そしてもう一つの正月の風習としては、大晦日からおせちを食べるという習慣があります。東北地方の一部を除く本州では正月に食べるのが普通ですが、北海道では、カニやおせち、お寿司に至るまで、豪勢な料理を集めて食べるのが習わしとなっています。では、正月は何を食べるのかというと、おせちの残り物、お寿司やお雑煮を食べたりするのです。

なぜそういう風習があるのでしょうか。本来おせち料理は、現在の暦で言う大晦日の夜に食べ新年を迎えると言うのが本来の一般的な習わしだったそうですが、道外では正月にはおせちを、大晦日は年越しそばを食べると明確に区別されるようになりました。日没で一日が始まる時代の伝統が、北海道ではそのまま残ったというわけです。

現在では、道内の3分の1程度~4割程度の家庭でこの風習が残っていると言われています。もちろん道内の家庭であっても、大晦日は年越しそば、正月はおせちとしているところもありますが、北海道にはこんな変わった風習もあるのです。

半数の家庭で大晦日におせちを食べる

北海道ファンマガジンは2011年1~2月にアンケート調査を実施しました。結果は下記のとおりです。

アンケート名:おせちをいつ食べますかアンケート
アンケート実施期間:2011年1月~2011年2月
アンケート実施開始日:2011年1月1日
アンケート実施終了日:2011年2月28日
対象地域:全国
回答総数:233

設問:あなたは、おせちを大みそかに食べましたか?元旦に食べましたか?
選択肢1:道民:大みそか!(85件・54.1%)
選択肢2:道民:ない(72件・45.9%)
選択肢3:道外:大みそか!(15件・19.7%)
選択肢4:道外:ない(61件・80.3%)

集計したグラフは以下の通りです。

アンケート結果によると、道外の多くの地域では8割が正月に食べるようです。一方北海道では、正月に食べる家庭と、おおみそかに食べてしまう家庭と、おおよそ半数に分かれることがわかりました。

正月飾りを外す時期はいつ?

また、正月飾りを外す時期についても道内では地域により異なり、道南では1月7日、それ以外の地域では15日に外す例が多いといいます。

道南では、クジラ汁が雑煮とは別に食べられることが多いのも特徴。これは、留萌間での日本海岸沿い、根室までの太平洋岸沿いまで伝わった風習です。

以上、北海道民の年末年始の風習をご紹介しました。