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下の句カルタという独特の正月の遊び

 正月の遊びといえば?室内で遊ぶ代表例として「カルタ」があります。その中でも百人一首は有名ですね。100人の歌人それぞれ代表的な和歌を一首ずつ選んだもの、というのは周知のとおり。

 ただ、広まったのは江戸時代になってから。上の句、下の句の札になっていて、下の句を並べ、詠み手が詠む上の句に対応するのを取り合う……。それが「百人一首カルタ取り」。

 でも、北海道では、ちょっと違う……。これは一般に「北海道カルタ」「下の句カルタ」とも呼ばれるもので、この名称からわかるように専ら「下の句」なんです。「上の句」を無視したカルタともいうことができますが、どういうものなのでしょうか。

下の句カルタってなに?

 簡単に言うと「下の句で下の句を取る」です。百人一首の下の句を詠み、皆で対応する下の句を取り合います。両方下の句というわけです。どちらかというといろはカルタに似ているかもしれません。紙製ではなく木製の木の札が特徴です。内地(道外)では紙製ですが、木製なのは北海道だけです。

 下の句カルタのメリットといえば、上の句を覚えなくてよいということです。だから小さい頃からはじめることができます。小学校などでも各地で「百人一首しかも下の句カルタ大会」を開催しています(保育園からやるところもあります)。だけど板カルタに書かれているのは筆文字で大変読みづらいですので初心者はちょっと最初難しいです。

 なぜ木製かというと、北海道の開拓時代に紙があまりなく、対して木は豊富だったからなどといわれていますが、残念ながら発祥・由来など詳しい事はわかっていません。※補足:お寄せいただいた情報によりますと、19世紀初めに会津若松で板かるたや下の句かるたが使われていたようです。

 道産子の中には、下の句カルタで育っているため、日本全国津々浦々「木製カルタ」&「下の句カルタ」と思いこんでいる人が多いのが現状ですが、しかし「下の句カルタ」が北海道遺産第二回選定の候補のひとつに入っています。北海道の独特の文化ということは覚えておいたほうがいいかもしれません。

遊び方は!?

 6人集め、3人ずつの2チーム(源・平)に分かれます。チーム内で「守備」「中堅」「攻撃」という役割分担を決めます。守備担当は40枚が一般的で、他2名が5枚以上持つことになります。向かい合うのは、「攻撃(突き)」と「守備」、「中堅」は中堅同士です。

 1.100枚の取り札を50枚ずつ持ちます。
 2.範囲が決められていますので3ポジションにわけてそこに並べます。攻撃と守備が   向かい合うわけですから、見方の攻撃は5枚、相手の守備は40枚程度ある格好に。
 3.まずはじめに枕歌(上の句も下の句も通して)が詠まれます。
 4.開始!詠まれた下の句に対応する札をお互いに取り合いますが、相手の札を   取ったときだけ、見方の札を相手に渡します。
 5.てっぱ(お手つき)してしまったら、相手から嫌々ながら1枚受け取ることになります。
 6.最終的に手持ちの50枚が早くなくなったほうの勝ち!

簡単に言うとこんな感じですが、細かく言えばもっともっとルールがあります。つまり、この下の句カルタは3人協力が絶対です。だから燃えるのです。
(全日本下の句かるた協会:北海道かるた連盟参照)

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編集部

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