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駒大苫小牧2004の軌跡!!

編集部
Written by 編集部

東北以北で初優勝しちゃいました!!

 「白河の関を越えることはできない」、そういわれてきました。甲子園の深紅の大優勝旗のことです。北海道を含む東北以北の高校が甲子園で優勝したことは今までありませんでした。しかし、2004年にとんでもないことがおきました。白河の関どころか、津軽海峡を渡ったのです。

 それは2004年8月22日の出来事でした。駒大苫小牧が、東北以北の高校として初優勝。もちろん、北海道勢としても初優勝でした。大優勝旗が史上はじめて津軽海峡を越えて北海道にやってきました。もう大興奮の北海道です。北海道でかつてない偉業を達成したからです。

前代未聞の紙面構成!!

駒大苫小牧2004の軌跡!!  8月23日の北海道新聞の朝刊では、この喜びが感じ取れる紙面になっていました。なんと前代未聞の紙面構成。通常新聞は縦書きですので、右上から「北海道新聞」と始まります。また、裏面はTV欄ですね。この日の新聞は、TV欄から1面までが見開き状態。「北海道新聞」が左上になり、トップ記事の題字が見開きいっぱいに展開されました。「駒苫優勝 大旗初の海峡越え」と。

 号外もしっかりと出されました。号外が出されるのは、甲子園出場が決定する「南・北海道地区大会優勝」と「北・北海道地区大会優勝」から、初戦突破以降優勝まででした。ですから、「甲子園へ」「初戦突破」「ベスト8入り」「ベスト4入り」「決勝へ」「優勝」の合計6つが出されたことになります。

8・9の悲劇の悔しさがあったからこそ!!

 駒大苫小牧は、南・北海道地区ですが、過去には1966年、2001年、2003年と甲子園出場しました。そのいずれも初戦で敗退してしまっています。

 2003年度に甲子園に出場した際、駒大苫小牧には「8・9の悲劇」がありました。8月8日の岡山県代表の倉敷工との試合、8-0で大量リードしていたものの台風10号の影響で雨で無効に。翌日8月9日の再試合でなんと2-5で敗退してしまったゲームです。

 その後、駒大苫小牧の野球部では、「北海道でもやれるんだ」ということを証明するために懸命に努力することになりました。監督は感覚を鈍らせないようにと、冬の雪上でも野球の練習をさせたといっています。つるつるのグラウンドでノックを受けたそうです。加速し、不規則に飛ぶそうです。

 その結果が、夏の甲子園大会新記録となる4割4分8厘という打率にあらわれました。また、堅い守りと監督の選手起用の采配が光ったことも勝因の一つとしてありました。雪が降る北海道だから、、、といういいわけは通用しないことを証明したといえますね。

誰一人として優勝するとは思っていなかった!

 「北海道史上最強のチーム」と信じてやまなかった苫小牧のかたがたには申し訳ないけれども、「どーせ北海道勢は初戦敗退でしょう」と思っていたたいていの北海道民。もう敗退に慣れっこでした。2004年の第86回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)では、北・北海道代表の道立旭川北高校が山口県代表の岩国高校に負けて1回戦敗退。

 一方の南・北海道代表の駒大苫小牧高校は、初戦を勝利。この時点では「へぇ」程度の反応だった。つまり、次の試合は負けるでしょう、みたいな。しかし試合を重ねるごとに勝利していき、8強入りになって「なにぃ?」、4強入りを果たすと「なになに?いけるんでないかい?」になり、決勝進出が決定すると「なんだとー?決勝だとぉ?」と誰もが驚きを隠せなかった状況に。

 勝ち進めるうちに、次第に報道も過熱していき、北海道民は甲子園の中継に目を奪われるようになっていきました。今まで甲子園の中継を見たことがなかった人、野球に興味がなかった人までもが、テレビの前で観戦・応援するようになったわけです。そして迎えた決勝戦で見事初優勝を飾って「ありえねー奇跡だ!」という反応が各地で見られました。

決勝戦の最高視聴率は46%!

 その証拠が、決勝戦の最中の北海道の視聴率結果にあらわれています。NHKとHTBで実況生中継され、NHKで最高視聴率46.2%だったと、調査結果が示していました(札幌地区では年間視聴率第2位38.2%)。まぁほぼ半分の道民が、駒大苫小牧の初優勝に期待をしていたということですね。

 確かに、甲子園に出発した最初のころは関心も比較的低くて注目もされなかった駒大苫小牧。優勝して帰ってきてからの、道民の熱烈な歓迎振りとの違いは顕著すぎるわけです。優勝したとたんに自分に関係あるかのように、わが子のように大絶叫&大絶賛。これが道産子気質でもあります。

 駒大苫小牧は北海道に到着後大忙し。凱旋、道庁へもいったりしました。そして、高校生としては初めて知事表彰「栄誉賞」を受賞することになりました。また、大優勝旗や優勝たてなどの展示会が苫小牧や札幌で開催されて、多くの人が見物に訪れました。

 ※おりしも、第86回高校野球選手権大会の大会歌には、北海道札幌出身のZONEが歌う『栄冠は君に輝く』でした。

駒大苫小牧、2004夏の甲子園の軌跡!!

駒大苫小牧概要

監督: 香田誉士史
主将: 佐々木くん(3年生)
部員数: 73人

1投: 岩田くん(3年生)
2捕: 糸屋くん(3年生)
3一: 桑島くん(3年生)
4二: 林くん(2年生)
5三: 五十嵐くん(2年生)
6遊: 佐々木くん(3年生)
7左: 原田くん(3年生)
8中: 桑原くん(3年生)
9右: 沢井くん(3年生)
10補・投: 吉岡くん(2年生)
11補・投: 鈴木くん(3年生)
12補・捕: 津島くん(2年生)
13補: 遠藤くん(3年生)
14補: 刈谷くん(3年生)
15補・投: 松橋くん(2年生)
16補: 辻くん(2年生)
17補・投: 樋江井くん(3年生)
18補・投: 佐々木(優)くん(3年生)

<南・北海道大会>
室蘭支部 1回戦 駒大苫小牧 8-1 静内
室蘭支部 準決勝 駒大苫小牧 8-0 苫小牧西
室蘭支部 決 勝 駒大苫小牧 7-0 鵡川
南北海道 1回戦 駒大苫小牧 8-1
南北海道準々決勝 駒大苫小牧 9-2 立命館慶祥
南北海道 準決勝 駒大苫小牧 3-2 東海大四
南北海道 決 勝 駒大苫小牧 6-3 北海道栄

<2004年8月12日>2回戦第1試合
駒大苫小牧 7-3 佐世保実(長崎県代表)

佐世保実0 0 1 1 0 0 0 1 03
駒大苫小牧0 0 2 1 1 0 2 1 X7

4回に同点にされるが、その後も着実に点を積み重ねて、15安打で快勝。この試合は、北海道勢の夏通算50勝目となった。

<2004年8月16日>3回戦第1試合
駒大苫小牧 7-6 日大三(西東京代表)

日大三0 0 2 0 0 0 0 2 26
駒大苫小牧1 2 1 0 0 0 0 3 X7

8回で4-4の同点に追いつかれるも、その裏で3点とって、9回でも相手の2点に抑えて競り勝ち。競合に価値ある勝利。

<2004年8月19日>準々決勝第2試合
駒大苫小牧 6-1 横浜(神奈川県代表)

駒大苫小牧0 1 1 0 2 0 2 0 06
横浜0 0 0 0 0 1 0 0 01

この試合では林くんが史上5人目となるサイクル安打を記録した。18安打で快勝し準決勝進出。北海道勢の夏の甲子園としての準決勝進出は、1928年の北海高校(当時北海中)以来76年ぶり2度目の快挙。

<2004年8月21日>準決勝第2試合
駒大苫小牧 10-8 東海大甲府(山梨県代表)

東海大甲府0 0 3 0 0 2 2 0 18
駒大苫小牧0 2 2 3 3 0 0 0 X10

点の取り合いとなった試合。3回に逆転され2-3になるもその裏できっちり点をとって、その後も得点を重ねた。北海道勢の決勝進出は史上初という快挙。

<2004年8月22日>決勝
駒大苫小牧 13-10 済美(愛媛県代表)

済美2 3 0 0 1 3 0 1 010
駒大苫小牧1 0 2 3 0 3 3 1 X13

両チーム通じて23得点をあげる打撃戦は、決勝としては最多得点記録を樹立した試合。2回までに1-5と劣勢に立たされるも、6回には同点に追いつき、7回には逆転の勝ち越し得点。8回に1点ずつ取り合ってそのまま勝利、初優勝。この逆転による快進撃は後まで語り継がれるほどの名試合だった。北海道勢及び東北以北での優勝は史上初という快挙。


駒大苫小牧公式サイト内2004年優勝特集ページ(選手紹介ほか)
北海道新聞号外一覧
北海道新聞写真ドキュメント一覧

大旗は海峡を越えた―駒大苫小牧野球部の軌跡駒大苫小牧2004の軌跡!!
田尻 賢誉(著) 日刊スポーツ出版社240ページ
オススメ:★★★★★

 初優勝をした駒大苫小牧野球部を中心に、北海道の高校野球事情に迫る納得の一冊。なんで駒大苫小牧は強い? これを読むと香田監督の指導の仕方が見えてきます。駒大苫小牧の秘密が見えてきます。駒苫ファンなら、ぜひ読んでみたい本ですね。

全国制覇 駒大苫小牧―2004夏 甲子園熱闘ドラマ駒大苫小牧2004の軌跡!!
北海道新聞社
オススメ:★★★★

 駒大苫小牧ファン必見の一冊。駒大苫小牧が初優勝した2004年を記念して発行され、駒大苫小牧の活躍ぶりを振り返ることができます。写真が多く、選手たちのコメントもあって、保存版になりそうですね。


駒大苫小牧2004の軌跡!!
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駒大苫小牧2004の軌跡!! 1.駒大苫小牧2004の軌跡!!

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