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スキーをはいて常夏へ!真冬でもコオロギが鳴く川湯の「ポンポン山」

五位野健一
Written by 五位野健一

スキーをはいて常夏へ!真冬でもコオロギが鳴く川湯の「ポンポン山」

もうすぐ3月というのに、今冬の道内はまだまだ厳しい寒さと雪の世界だ。日本海側と比べると、太平洋側の釧路エリアは晴天が多く積雪も少ないが、朝方の冷え込みはやはりキビシい。そんな寒さの中、1年中コオロギが鳴く常夏の地が山の中にあるという話を聞いた。ポンポン山という、火山の地熱で冬でも雪が積もらず温かい場所らしい。さっそくクロスカントリースキーを車に積み込み、弟子屈町の川湯温泉に向かった。

まずは情報収集のため、温泉街に隣接する川湯エコミュージアムセンターでお話を伺うことに。指導員の斎藤敬子さんに、ポンポン山のガイドブックを使って親切にご説明頂いた。

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― ポンポン山はどの辺にあるんでしょうか?

「この先の仁伏温泉付近からルートがありまして、片道約2kmぐらいの距離です。当センターで雪道を整備していますので、スノーシューで行かれるといいと思いますよ。こちらにもスノーシューのレンタルがあります。」

― クロスカントリースキーを持ってきたんですが、どうでしょう?

「スキーですか……。スノーシューの方がおすすめですね。」

うーん、やはりスノーシューの方がいいのか。だけど「スノーシューをはいて常夏へ」というのは、何だか語呂が悪い……。結局、斎藤さんには「安全に配慮して無理なら引き返す」という条件で、クロスカントリースキーで向かうことにした。

車で仁伏温泉に到着すると、道端に「ポンポン山入り口」という看板が。さっそくスキーに履き替え、澄み切った空気を感じながら鬱蒼としたトドマツ林をさっそうと進む。

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スキーをはいて常夏へ!真冬でもコオロギが鳴く川湯の「ポンポン山」

ポンポン山へのルートはキレイに整備されており、圧雪で固くしまった快適な道だ。しかし、ルートの途中には小山を越えるアップダウンもあり、自分の技量では滑り落ちるスキーを上手くコントロール出来ず、何度かフカフカの雪の中にバタリと落ちる。滑り止めの付いた山スキーならともかく、クロスカントリースキーで来るのはやはり間違いだったかと反省しつつも1時間後、前方に雪のない地面が見えてきた!やっとポンポン山に到着である。

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ポンポン山は山と言うよりは小高い丘で、この地区一帯のアトサヌプリ火山群による多数の小さな噴気孔があり、地熱によって雪が解け地面が温かい。例えるなら、マイナス10数度の屋外で足元に床暖房を敷いて加湿器を炊いてるような、何だか不思議な感覚だ。丘の地表は冬にもかかわらず鮮やかな緑色のコケに覆われ、マダラスズというコオロギの一種がジージーと小さな声で鳴いている。周囲はエゾシカや野鳥の気配も濃く、月並みな表現だが大地のエネルギーがヒシヒシと伝わってくるようだ。ハワイのようなイメージの常夏ではないが、ここは生き物達にとって立派な楽園なのであった。

そういうわけで、冬の澄み切った空気を感じながらのポンポン山トレッキング、ぜひ皆さんにオススメしたい。ただし、スノーシューの持参を忘れずに……。

協力:川湯エコミュージアムセンター

同センターでは川湯エリアの情報提供を中心に、ポンポン山のガイドブックやレンタルのスノーシューも用意している。トレッキングの前にはぜひ立ち寄ってみたい。また、ポンポン山では貴重な動植物を保護するため、遊歩道の両側にロープを張っている。中へ入らないよう充分ご注意を。

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筆者について

五位野健一

五位野健一

1969年釧路生まれの自称不動産投資家で大家さん。通称ゴイケン。 長年の東京生活を離れ、現在は郷里で中古不動産の再生&賃貸業を営む。 「クシロマニア」では日本の他にない、道東ならではの情報を探している。 将来は自分のアトリエを持ち、アーティスト活動を目論んでいる様子。【Sクラス認定ライター】