固有名詞その他:方言(北海道弁)

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道産子

 北海道生まれの馬、または北海道生まれの人を指す。この区別を明確にするため、馬のほうは「ドサンコ」とカタカナ表記、人間は「道産子」とする。北海道生まれの人の場合、厳密には三代にも及んで北海道で生まれた人を指すようだが、時代が進めばこの定義は意味がなくなる。道産子と内地から最近移転してきた人の総称を「道民」または「北海道人」と呼ぶ。

観楓会

 秋に行われる宿泊をしながら行う宴会。

サビオ

 絆創膏のこと。

サミット袋

 苫小牧近辺で用いられる。買い物袋やごみ袋のこと。

じょっぴん

 「かぎ」のこと。「じょっぴんかる」というと「かぎをかける」という意味になる。そんなに使うことはない。基本的に「かぎをかける」で通るし、道民もみんなそう使う。

かがと

 かかとのこと。なぜ濁音が付いたのか……。

生ずし

 「握りずし」のことを北海道ではこう呼ぶ。でも最近では「握りずし」と呼ぶことのほうが多いかも?

番茶

 「ほうじ茶」のこと。茶色のお茶は本来は「ほうじ茶」と呼ぶのが正しいのだが、すべて「番茶」と呼んでしまう道産子。番茶は緑色だということを知っている道産子はどれくらい居るだろうか。茶葉産地でない北海道にとって、そんな区分けはドーデもいい話、というのが共通見解。

えんどまめ

 植物の「エンドウ」のこと。えんどうまめやえんどまめと呼んでいる。遠藤さんも「えんどまめ」というあだ名がつくことも。

こっこ

 「卵」「子供」。ただし人間に対しては使わない。動物や魚の卵や子供で小さい生物に使う。「わぁーこっこめんこい!」と使うことも。

ゴッコ

 ホテイウオが正式名称だが、普通の道民は知らない。ゴッコと呼ぶが、道南以外の地域の道民であれば知らない人も多い。の~んびりしてそうな太った魚のこと。うまい。

シャケ

 「鮭」。これは全国的にも有名。鮭というよりはシャケということのほうが多い。酒との判別にもなるしね。ちなみに秋鮭は通常の秋にとれるもので、それよりも早い時期にとれる希少で未成熟な鮭を「けいじ」と呼ぶ。「ときしらず」や「時鮭」は、春にやってくる鮭。

るっつ

 釣りえさのユムシのこと。道内の釣り人なら知っている。

アブラコ

 アイナメのこと。

たち

 たらの白子のこと。道産子特に海育ちの人にとって、たちの旬の時期ほど待ち遠しいものはない。

灯台つぶ

 ヒモマキバイ(巻貝)の呼び名。

マイカ

 北海道だけでなく東北地方でも聞かれる言葉。スルメイカのこと。……ってイカでいいべさ。

ナンバン

  赤唐辛子などの呼び名。ラーメンに入れる七味を要求するときは、「ナンバンとって!」である。北海道での一般常識。最近は七味と言う人も居るが。ちなみに真っ赤なボディの「ナンバンえび」はここからついているが、本州に行けば「あまえび」じゃないと通用しない、つまり「ナンバンえび」は北海道弁。

ババガレイ

  ばばっち、つまり汚いことから。ババには母の字をあてることもある。本州では通称ナメタガレイのこと。北海道では「ババガレイ」と呼んでいて、北海道で「ナメタ」といえば「ヒレグロ」を指す。つまりは北海道内にはナメタが2種類存在することになっているので、釧路市漁協などは2005年11月より「ナメタ(ババガレイ)」と表記する。

くまんばち

 くまばちとも言う虫の名前。全国的に使われるクマバチとは別物と考えていただきたい。北海道ではくまんばちといえば、マルハナバチである。縞々のあるはち。

べこ

 牛。東北でも使われるが北海道ではホルスタインを指す。子供の日には「べこもち」というものがあるが、それもツートンカラーであることから、ここから派生していると考えられている。

かくまき

 防寒服で、専ら女性用のものに使われる。今では使われない。

どか雪

 大雪ことだ。通常よりもたくさん雪が積もったときに聞く言葉。

ぼっこ

 棒のことだ。

ほっぺた

 頬のこと。真冬にほっぺたを赤くしている状況を指して言うのに大変かわいらしい言い方。

つっぺ

  鼻血が出たときに鼻に詰める栓のこと。

でれっき

 「火かき棒」のこと。炭鉱時代に広く使われたが今ではほとんど使われない。

やち

 湿地帯のこと。北海道には多い。

ごみステーション

 ゴミ捨て場。全国的に見ても使っている地域があるようだが、ゴミ捨て場すべてに使うのが北海道。

おんこ

 「イチイ」のこと。おんこの実といえばイチイの赤い実のこと。小さい子供はたいてい「うんこ、うんこ」と連呼して大人の反応をうかがっている。

がんび

 「しらかばの木」。でもほとんど使われない。

南北

 南北の意味は標準語と一緒だが、ここで言っているのは読み方。「なんぼく」ではなく「なんぽく」と読む。だから札幌市営地下鉄南北線は「なんぽくせん」と読まれることもある。

四分

 これも読み方。「よんぷん」ではなく「よんふん」。これはほとんどの道産子はわかるが、実際はどっちでも使われている。

四条

 これも読み方。「しじょう」ではなく「よじょう」。条丁目制の住所で使われる。

六日

 これも読み方。「むいか」ではなく「むよか」。でも聞き取る場合同じように聞こえる。

汽車

 電力で走るJRなのに「汽車」があたりまえ。内地でそれを言うとSLを連想するため電車や列車と使うが。電車はすべて「汽車」なのだが、唯一「電車」と使うものがあって、札幌市電がそれ。北海道内で電車といわれたらまずJRではなく市電を想像しよう。JRはあくまでも汽車だ。ただし特急列車については「特急」、寝台特急については「夜行」とも呼ぶ。 ちなみに、「汽車通(きしゃつう)」とは、汽車つまり列車(JR)で通勤や通学をすることを言う。専ら若い人たちが使うので通学をさすことが多い。