学ぶ

熊に会ったら『あさはゆき』?知床財団・石名坂さんに聞く知床の熊事情

熊に会ったら『あさはゆき』?知床財団・石名坂さんに聞く知床の熊事情

みなさんこんにちは。 オホーツク観光大使ラウフェンCukaです。 こちらの記事では、laufenが担当しているAir-G'(FM北海道)の番組「laufenのkita-note」で知床について取材した模様を文字と写真でリポートします。 コラボ企画第8回目は、前回に引き続き知床財団の研究員、石名坂豪(いしなざかつよし)さんに色々なお話を伺いました。

<第8回ゲスト>公益財団法人知床財団研究員・石名坂豪さん(2014年6月12日放送)

―― laufenのkita-note、Cukaがお送りしています。 この番組では毎週知床に関わる様々な方をご紹介します。 先週に引き続き今夜のこの時間は、公益財団法人、知床財団の研究員石名坂豪さんに、知床の熊について教えていただこうと思います。 もしもし。(Cuka)

石名坂:もしもし。

―― こんばんは。

石名坂:こんばんは。

―― 今夜も、知床の熊について教えて下さい。

石名坂:よろしくお願い致します。

―― よろしくお願いします。 山の中や街で、もし熊に出会ってしまったら、私達ってどんな風に行動すれば良いのでしょうか?

石名坂:私達は仕事上、知床を訪れる方々に施設でそのような質問を受けることが多いんですね。

―― はい。

石名坂:で、特にお子さん相手に言う時に使っている合言葉があるんですけれども。

―― 合言葉!

石名坂:はい、それが「あさはゆき」というんですけれども。 熊に出会ってしまったら、"あ"わてない、"さ"わがない、"は"しらない、"ゆ"っくり下がる。 これは特にお子さん相手になんですけども、"き"ちんとそれを大人の人に知らせる。 ということで今の頭文字を取って「あさはゆき」と言っているんですけれども。

―― あさはゆき。

熊に会ったら『あさはゆき』?知床財団・石名坂さんに聞く知床の熊事情

石名坂:私達は仕事上本当に年間何十回とヒグマに出会っていますけれども、人間を見ただけでですね、遠くから走ってきて人に襲いかかってくるような、そこまで凶暴な動物ではないんですね。

―― そうなんですね。

石名坂:ただ、いろんな状況での出会いというのがあり得まして、例えばちっちゃい子熊が側にいたりするときお母さん熊は非常に攻撃的になったりしますから。

―― はい。

石名坂:走って逃げないというのはですね、犬と同じで、背中を見せて走って逃げるものは本能的に追いかける危険性があるんですね。

―― 走って逃げない。

石名坂:だから初めは襲いかかるつもりはなくても、背中を見せて走って逃げた瞬間に「あれ、これは獲物じゃないか?」というスイッチが熊の中で入ってしまう恐れがあります。

―― 切り替わるんですね。

石名坂:そうですね、走らないというのは基本ということになっています。

―― 実際に「人間が怖いんだぞ」っていうのを教えることもされているんですか?

石名坂:そうですね、頑張ってチャレンジはしております。 全ての熊が人前に姿を晒しているわけではないっていうのは、我々も発信機を付けたりした調査でわかってはいるんですね。 ただどうしても一部の熊は何度も何度も人前に姿を晒してしまいますので、なかなか最近難しいなとその辺感じておりまして。

―― 難しいんですね……。

石名坂:はい、我々だけをですね、覚えているような熊が出てきているんです。

―― えーっ!?顔とかも覚えてしまうんでしょうか?

石名坂:顔まで覚えているかどうかはわからないんですけど、我々の格好とかですね。 銃を持って行きますので、銃を含めたシルエットですとか、あるいは我々の職場で使っている車ですとか。 そういったものをどうも総合的に見て覚えているような素振りが感じられるんですね。 実際のところ熊に聞いてみないとわからないんですけどね(笑)。

―― そうですね(笑)。

石名坂:なので僕らが行くと慌てて逃げるような熊であっても、僕ら以外の観光客の方が普通にカメラで写真を撮っている分には全然のんびりしているですとか、そういった状況もよく出ていますね。

熊に会ったら『あさはゆき』?知床財団・石名坂さんに聞く知床の熊事情

―― なるほど……! 石名坂さんが考える北海道らしい音ってどんなものでしょうか?

石名坂:吹雪の時とかにですね、山から吹き降ろしてくる強風の、山がごうごう唸るような音というのが。 天候の変わり目にまず山の方からゴーっという音がしてきて、まず音だけ伝わってくるんですよね。

―― はい。

石名坂:で、その後「あ、これは来るかな」と思っていると間もなく、ちょっと一拍遅れて風が吹き下ろしてくるというような時に、やっぱり知床って自然が厳しいなあということを感じたりしますね。

―― そうなんですね、素晴らしいですね。ありがとうございます! 熊も私達も同じ北海道の自然の中で生きています。 お互いの生活を侵すことなく仲良く暮らしていけたら良いですね。 この時間は、知床財団の石名坂豪さんにお話を伺いました。 石名坂さん、ありがとうございました!

石名坂:ありがとうございました。

※インタビューは2014年5月下旬のものです。

Air-G'(FM北海道)毎週木曜日19:30~19:55放送中「laufenのkita-note」ではお便りを募集しています。 あなたが感じる「北海道の音」って何ですか? これが聴こえるとほっとする、北海道に帰ってきた!と感じる音など その他ラウフェンへの質問、メッセージ、何でもOKです。 宛先はkita@air-g.co.jpまで! スマートフォンアプリを使えば全国どこでも番組を聴くことができます。パソコンからも、radikoで聴くことができます!
番組ホームページ
スマートフォンアプリ
radiko

編集後記

今回のインタビューで「あさはゆき」という言葉をはじめて聞きました! 熊と人間の共存。 重大な事故が起こってしまわないように、私達にできることはしていきたいですね。 次回のインタビューもまたお楽しみに!
laufenウェブサイトlaufenFacebookページ

AirBookmark

筆者について

ラウフェンくか

ラウフェンくか

2011年4月1日、札幌を中心に活動するlaufen・Cukaの故郷が世界自然遺産知床・斜里町であることから第14代オホーツク観光大使に任命された。2013年3月に連載スタートした「オホーツクまち発見!!旅紀行」では、オホーツク各地の魅力を発信する。