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SL「雨宮21号」はどのように走らせているの? 機関士に聞く運転裏話

SL「雨宮21号」はどのように走らせているの? 機関士に聞く運転裏話

みなさんこんにちは。 オホーツク観光大使ラウフェンCukaです。 こちらの記事では、laufenが担当しているAir-G'(FM北海道)の番組「laufenのkita-note」で知床、オホーツクについて取材した模様を文字と写真でリポートします。

<第33回ゲスト>雨宮21号 機関士・小山信芳さん(2015年5月21日放送)

―― laufenのkita-note、Cukaがお送りしています。 番組では、毎週北海道に関する様々な方をゲストにお迎えします。 皆さん、オホーツクの遠軽町でSLが走っていることを知っていますか? SLの名前は「雨宮21号」と言います。 北海道遺産にも選ばれ、丸瀬布森林公園 いこいの森の中を走っています。 この時間は、機関士の小山信芳さんとお電話が繋がっています! もしもし。(Cuka)

小山:もしもし。

―― 今日は雨宮21号について色々と教えてください! どうしてこの名前が付いたのですか?

小山:名前は製作所の名前で、雨宮号が作られた会社の名前を取って「雨宮21号」と呼んでいます。

SL「雨宮21号」はどのように走らせているの? 機関士に聞く運転裏話
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―― 21番目に出来たということなのでしょうか?

小山:21はまた別の番号で、営林署自体の管理されている番号になります。

―― それぞれの名前がくっついて「雨宮21号」になったんですね。 雨宮21号は、いこいの森に来る前はどこを走っていたのですか?

小山:元々は昭和3年(1928年)から33年(1958年)の30年間、武利森林鉄道(むりいしんりんてつどう)という、森林鉄道用に使われていたSLなんです。

SL「雨宮21号」はどのように走らせているの? 機関士に聞く運転裏話

―― 森林鉄道とはどういうものですか?

小山:山から切った木材や丸太を積んで街の方に降ろすという、輸送の関係で使われていたSLです。

―― 30年経った後は使われなくなってしまったのですか?

小山:そうですね、今はもう森林鉄道は廃止されていまして、第二の人生を森林公園いこいの森の中で送っています。

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―― 小山さんは機関士をされていますが、SLの運転はどのようにして身に着けたのですか?

小山:ちょうど平成元年(1989年)頃、いこいの森営林署に実際に運転していた機関士さんがいらっしゃって、その方に色々教えていただきました。

―― そうだったんですね! 運転に慣れるまでとても大変だったのでは?

小山:そうですね、慣れるのに4~5年はかかりましたね。

―― 速度を速くするには、たくさんの石炭を入れるんですか?

小山:いこいの森を一周するのに2,000メートルあり、上り下りカーブがあって、石炭は大体このぐらいの量だと体が覚えているんです。 カーブが多い関係上そんなにスピードを出すわけにもいかないのですが、レールが渇いているときは車輪との摩擦抵抗が大きくなりますからその分燃料を多くしたり、状況によってくべています。

SL「雨宮21号」はどのように走らせているの? 機関士に聞く運転裏話
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―― SLが一日走るときに使う石炭の量はどのくらいなのでしょうか?

小山:この間のゴールデンウィークは8日間ぐらいで約1トン半焚きましたね。

―― 1トン半ですか!?

小山:はい。

―― SLが走るまでにはどんな下準備が必要ですか?

小山:冷たい水から蒸気圧力を8キロまで上げなくてはならないので、朝7時45分くらいに薪をいっぱいに入れます。 蒸気圧を上げる作業をやることと、一日使う水の注水、足回りの整備、油さしなど、10時の始発までに色々な作業を朝一でやらなくてはいけません。

―― 丸瀬布森林公園 いこいの森の中を走っている雨宮21号ですが、いこいの森の今の様子を教えていただけますか?

小山:例年になく新緑の季節が1週間以上早まりまして、淡い緑色の森が見られてすごく綺麗な状態です。

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―― いこいの森ではSL以外にどんなことが楽しめますか?

小山:いこいの森と言えばオートキャンプ場、ドッグランもあります。 全道で誇れる昆虫生態館では、昆虫を生きた状態で展示しています。

―― 温泉もありますよね!

小山:そうですね、日帰り入浴施設もあり、上流2キロの場所にはまた違ったマウレ山荘という温泉もありますよ。

―― 色んなことが楽しめますね! 雨宮21号も、たまに夜走っていたり、撮影会なども行われているそうですが?

小山:そうですね、日中は日中で楽しみ方があるのですが、夜も夜汽車のように走らせてみたり、ライトアップして撮影会なども行っています。 そういった時には札幌はもちろん本州からも撮影しに来られる方もいらっしゃいますよ。

―― 外観がカッコいいですし、走っている姿も素敵ですし、ファンの方が全国にいるんですね! 前に行ったときに気になっていたのですが、雨宮21号だけがレールを走っているわけじゃなく軌道自転車というものもありましたよね。 以前からあったものなのでしょうか?

SL「雨宮21号」はどのように走らせているの? 機関士に聞く運転裏話

小山:いこいの森にも森林鉄道時代にもありませんでした。 こちらはJR北海道さんから頂きまして、線路幅が違うので車軸を詰めて、いこいの森でも走れるようにしたものなんです。

―― どういったものなのですか?

小山:これは線路を直す保線屋さんがレール点検の為に使われていた車両です。 雨宮21号とは別の楽しみ方ができるのですが、9人しか乗れないんですよ。 混む時期は予約制を取っているのですけれど、10時くらいに夕方4時半の便まで予約が埋まってしまうこともあります。

―― それぐらい人気があるということですよね! 小山さんが考える北海道、丸瀬布らしい音ってどんな音ですか?

小山:僕は2つあって、1つは昭和3年(1928年)から30年間走っていた蒸気機関車の汽笛の音が丸瀬布の音だなと僕は感じています。 4月29日から10月18日の土・日・祝日・夏休み期間の10時から16時半まで走っていますよ。

―― 丸瀬布を代表する音ですね。 もう1つは何ですか?

小山:もう1つは、丸瀬布地域は9割以上が森林なのですが、これから木々の葉っぱも大きくなっていきますし、風の音で木の葉が揺らぐ音が僕は好きですね。

―― 良いですね、心地よい音ですよね。

小山:はい、それと合わせて汽笛が鳴ったら最高ですよね。

―― これはぜひ現地に行って聞いてほしいと思います! 雨宮21号の今年(2015年)の運行は10月18日まで。 料金、その他イベントなどは「丸瀬布森林公園いこいの森」ホームページを見てみてください。 この時間は雨宮21号の機関士、小山信芳さんにお話を伺いました! ありがとうございました!

小山:ありがとうございました。

▼映像:SL雨宮21号と軌道自転車


丸瀬布森林公園 いこいの森

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筆者について

ラウフェンくか

ラウフェンくか

2011年4月1日、札幌を中心に活動するlaufen・Cukaの故郷が世界自然遺産知床・斜里町であることから第14代オホーツク観光大使に任命された。2013年3月に連載スタートした「オホーツクまち発見!!旅紀行」では、オホーツク各地の魅力を発信する。