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阿寒湖のマリモとは?

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Written by 編集部

阿寒湖のマリモとは?

阿寒湖に生息するマリモの基本情報をおさらい。マリモとは?その仕組みは?マリモの豆知識もここで紹介します。

阿寒湖のマリモとは? 日本人なら誰もがその名を知っているであろう「マリモ」。漢字では「毬藻」と書くように、藻が毬状に、つまり球状になります。見た目は緑色のボールのようになり、その姿はカワイイという表現がぴったり。分類上は、緑藻植物門>アオサ藻綱>ミドリゲ目(シオグサ目)>シオグサ科>マリモ属>マリモ種となります。英語でも「Marimo」(またはLake ballなど)と呼ばれます。学名は「Aegagropila linnaei」です。

マリモと言えばボール状になっている姿を思い浮かべますが、実際にはそれを構成する糸のような繊維それぞれが「マリモ」なので、マリモが球状に形成された集合体を一般に「マリモ」と親しみを込めて呼んでいるにすぎません。

マリモの仕組み

阿寒湖のマリモとは? マリモも植物であるので、光合成します。マリモは湖沼の底で生育しますが、これらの藻が条件さえ整えば球状マリモになるわけです。その条件は、適度な水流であること、湖底の傾斜等の地形、日射条件など幾つもの要素が重なった時、球状マリモが生育していくことになります。岩についた糸状のマリモが何かの拍子に千切れ漂い、それが集まり固まりとなり、ころころ転がりながら放射状に成長していき球状になるというわけです。

マリモの内部はどのようになっているかというと、無核放射型、つまり核を持たず表面に向かって放射状に集合します。表面は活発に光合成をし、中心も緑色をしていて枯れずにいるのですが、直径10cmを超すあたりから中心の藻は枯死し次第に空洞が発生します。阿寒湖のマリモは直径30cmほど(過去最大サイズは2002年9月発見31cm)まで成長しますが、それが限界で、大きくなりすぎると崩壊してしまいます。その"部品"を基にまた球状マリモを形成していくというわけです。

その成長の早さはどれくらいなのでしょう。2012年に小中高校生が行った調査によると、直径約2cmの人工マリモを4カ月観察したところ直径が年2~4cmペースで大きくなることが分かりました。5~10年程度でバレーボール大の大きさにまで成長することがあり得ることが公表されています。

実際に触る機会はないかもしれませんが、自然に形成される球状マリモは密度が高く硬い集合体となります。基はただの糸状の繊維である藻ですが、長い期間かけて丸くなるとこれほど硬くなるのかというほど。一般に市販されている土産物は糸状の繊維を人工的に丸めているだけですが、本物のマリモに比べて壊れやすいとされていますので自然の力は恐るべしといったところ。

マリモに関するアラカルト

阿寒湖のマリモとは? マリモは湖底に大小さまざまなサイズの球体となって何層にもなって並びます。波によってころころ場所を変えながら生育しています。阿寒湖の風の強さと風向といった精密な地形と環境が作りだした奇跡です。

北部のチュウルイ湾では時に南からの強い風によって小さな球状マリモが湖岸に打ち上げられてしまうこともあります(1973年・1990年には強い北風で温泉街にも打ち上げ確認)。中にはその過程で損壊してしまうこともあります。放置しておくと個体が枯れたり凍結してしまう場合は、住民が協力して沖合に戻す作業が行われます。球状マリモが壊れるその他の要因としては、ウチダザリガニが巣作りに利用したり食べてしまうこと、冬季に氷で押しつぶされるなどを挙げることができます。

マリモは耐冷性はありますが、暑さには弱い側面もあります。このことは猛暑で水温上昇があった2010年9月に確認されました。チュウルイ湾で行われた調査で、内部が腐敗することでガスがたまって浮かぶ現象や、内部空洞化で球状を保てなくなり割れてしまう個体が相次いで発生しました。

マリモは湖面に浮くことがあるのかということは1923年以来長年の論争になっていましたが、2005年7月初旬に初めて、浮かぶ数百の個体を阿寒湖東部の入り江・滝口で発見、大きな話題となりました。ここのマリモは天気の良い日になると、3~5cmのマリモの表面に気泡が付き浮かび漂い、夜に沈むことが分かっています。一方、北部の二つの湾は波が大きく水深も深く、浮き沈みはありません。

マリモについてはまだまだ分からないことも多いですが、今後の研究によって判明してくるに違いありません。

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