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黒松内低地帯の北限のブナ林

黒松内低地帯の北限のブナ林

 ブナ。この樹木は東北地方に多く自生する落葉広葉樹。成長すると、高さは30m、幹の太さは1mにもなります。この木のいいところは、水をたくわえるので、洪水が少なくなることから「緑のダム」と呼ばれます。

 ブナ林の地面がクッションのようになっているのは、落ち葉が腐らず何層にも積もるためです。大雨が水を吸収して、栄養分を長い時間をかけて川に流していきます。

 そんなブナの群落は、後志管内黒松内町・島牧村・寿都町が北限とされています。黒松内の歌才ブナ林は北限であることから国指定天然記念物です。

最北限とされてきた歌才ブナ林

 黒松内町には、自生として長く北限とされてきた歌才ブナ林(92ha1万本)があります。1928年に国の天然記念物に指定されましたが、その調査員として訪れたのは、当時の札幌農学校初代林学科教授・新島善直氏。こんなブナ原生林が残っているのは奇跡であると発言したようです。

 天然記念物でありながら、戦時下では何度か伐採の危機にあいました。戦闘機のプロペラの材料として使えないか、地元自治体が財政赤字になったことからブナ林を売却できないかと考えたり。しかし、地元民に守られながら、原生林として残されてきました。

 黒松内町の黒松内低地帯は国内北限とされていて、国際ブナフォーラムが開催されるなど、ブナ北限の里としてPRしています。1988年には「ブナ北限の里」づくりを宣言、ブナの種まき作業を行ってブナ林再生に取り組んでいます。

黒松内低地帯の北限のブナ林

黒松内町は本当に北限と言えるのか

 寿都町~黒松内町~長万部町の間の低地帯を「黒松内低地帯」といいます。ここを中心に島牧村狩場山地一帯が北限ブナ林になります。面積は合計1万haとされています。と同時に国内最大級のブナ林です。

 黒松内町には歌才ブナ林、添別ブナ林、白井川ブナ林があり、蘭越町にツバメの沢ブナ林(3.04ha)があり、この蘭越名駒のブナ林が事実上北限とされてきました。

 寿都町には月越ブナ林、丸山ブナ林、弁慶岬大和の沢ブナ林があり、弁慶岬大和の沢ブナ林は2007年5月に約50年ぶりに日本最北限ブナ林と確認されました。2009年7月には寿都町小川の沢混合ブナ林が確認され、130haという広大な面積であり、近年寿都町の北限ブナ林が注目されています。

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