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オオワシ・オジロワシ

 知床が、世界自然遺産に登録されたことの理由のひとつに、海と陸の生態系が相互にかかわりあっていることがあげられています。その知床生態系を構成する動植物のうち、代表的なものといえば、ヒグマ、エゾシカ、キタキツネ(陸の哺乳類)、トド、アザラシ(海の哺乳類)、サケ、マス(魚類)、シマフクロウ(鳥類)でしょう。

 それに加えて、知床を代表する生物に数えるべきなのは、猛禽類です。とりわけ、オジロワシとオオワシという2種類の鳥はセットで覚えたい、知床の重要な鳥です。知床は北海道最大の越冬地であり、オジロワシやオオワシは、海洋生態系の頂点に位置するとも言われているのです。

 海から陸への生態系のつながりにも役立っています。秋に川に遡上するサケやマスを食べることによって、結果的には陸に栄養を与えていることになるわけです。

オジロワシとオオワシとは?

オオワシ・オジロワシ  国の天然記念物に指定された日が同じです。1970年1月23日に指定された貴重な鳥なんですね。ともに絶滅危惧種ですが、環境省のレッドデータのレベルでは、オジロワシのほうが「近い将来に野生絶滅の危険性が高い」として、絶滅危惧IB類に分類されています。

 オジロワシとオオワシは同じワシタカですので、共通点がいくつもあります。そっくりなので比較対比しながら覚えるのがいいでしょう。見分けかたは、「オジロワシは白くない」ということ。尾が白いからオジ ロワシなのですが、実際はオオワシのほうが白い部分が多いのです。羽の一部も白いのが、オオワシということになります。また嘴も見分けるポイントです。

オオワシ・オジロワシ  冬の10月末ごろから、越冬のために知床にやってきます。渡り鳥なんです。どこから来るのかというと、サハリン・シベリアから。いったん知床経由で国後島や択捉島へ行って、知床に戻ってくるものもいます。知床から去るのは流氷が消える頃。

 えさですが、サケやマスを中心に魚・水鳥などをえさにしますが、特に流氷の時期である1月から4月は、羅臼に大量にあらわれて、ちゃっかりスケソウダラ漁のおこぼれにあずかるという光景も見られています。

 ただ、鉛中毒という問題もあるようです。エゾシカをハンターが始末せずに立ち去るために、エゾシカ肉と一緒に鉛弾も食べてしまうということなのです。

 では、要点を比較しながら見てみましょう。


▼オジロワシ
 保護:天然記念物1970年1月23日 & 絶滅危惧IB類(EN)
 生息:ユーラシア大陸北部の沿岸地域。
 特徴:褐色で、くさび型の尾が白い、嘴は薄い黄色。
 体長:メスのほうが大きい。約80cm。翼を広げると2m。
 えさ:サケ・マスなどの魚、水鳥、アザラシの子など。
 備考:北海道北東部で繁殖するものもいる。


▼オオワシ
 保護:天然記念物1970年1月23日 & 絶滅危惧II類(UV)
 生息:東アジアの北部、オホーツク海沿岸や日本海北部の沿岸。
 特徴:黒褐色、嘴は濃い黄色で大きい。
 体長:メスのほうが大きい。約90cm。翼を広げると2.5mほど。
 えさ:サケ・マスなどの魚、水鳥、アザラシの子など。
 備考:日本最大の猛禽類で、世界でもトップクラスの大きさ。

 流氷の上にとまって休んでいる光景、上空を飛んでいる光景。知床の冬らしい光景ですね。冬に知床にお邪魔する際は、オジロワシとオオワシを見るのも、目的の一つにしてみるのもいいかもしれませんね。

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編集部

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