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花が舞うかのようにきれい!冬の風物詩「波の花」を北海道で見る

編集部
Written by 編集部

花が舞うかのようにきれい!冬の風物詩「波の花」を北海道で見る

毎年冬になると日本海岸で発生する風物詩「波の花」をご存知でしょうか。波の花とは、白い花が風を舞うかのように飛び散っていくものなのですが、ある条件下でないと発生しないため、狙って行かないと、なかなかお目にかかる機会は少ないかもしれません。波の花とは?そして北海道で見るにはどうすればいいのでしょうか?

波の花とは?

「波の花」とは、波が海岸に押し寄せるときに残す白い泡のようなもの。これが強風にあおられると、風に乗って陸地のほうまで飛んできます。その姿はまるで空を白い花が舞っているかのよう。そのことから、いつしか「波の花」と呼ばれるようになりました。

花が舞うかのようにきれい!冬の風物詩「波の花」を北海道で見る

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この泡のような「波の花」の正体は、海中の植物性プランクトンの粘液とされています。海水の温度が下がることで、それらの粘液性が高まり、岩場に何度もたたきつけられることで白い泡を作り出すといわれています。触ってみると本当に泡のようで、だんだん黄色みがかってきます。そして、時間がたち気温が高くなると消えていきます。

波の花が固まっているところは、この時期だと雪が積もることもあるため積雪と勘違いしがちですが、よく見ると黄色く、風によって小刻みに揺れているため、波の花と積雪とを区別することができます。海岸に近い道路では、道路上に白い泡地帯を作り出すこともあります。

▼波の花が密集するエリア。▼波打ち際に打ち上げた波の花の元
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▼国道を越えて市街地に舞っていく波の花。▼道路上にも積もる。
花が舞うかのようにきれい!冬の風物詩「波の花」を北海道で見る

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時折訪れる強い強風によって、風に舞っていく姿は綺麗ではあるものの、地元ではこれがつくと車の寂の原因となったり車が汚れるため、厄介者扱いされています。窓につくとすぐ溶けて、泥水をかぶった後のように跡が残ります。また、衣服についてしまうと、泡が溶けてシミになり、においを発してしまうため、カッパなどが必要ですし、風下に立たない、そして、むやみに近寄らないのが賢明です。

▼映像:石狩市浜益川下の「波の花」名所と、毘砂別海岸の「波の花」


▼映像:石狩市厚田・厚田川河口の海岸に押し寄せる「波の花」

波の花が見られる条件とは?

「波の花」が見られる場所として有名なのは、石川県の能登半島ですが、北海道でも日本海岸で見ることができます。道内では南は江差、奥尻島にはじまり、せたな、岩内、積丹半島先端、石狩市厚田と浜益、留萌、小平、苫前と、日本海岸の広い範囲で観察できます。

「波の花」が発生するとされる条件は下記の通りとされています。もちろん、これらの条件がそろっていても見られないこともあります。

波の花の発生条件
(1) 冬季(11月~2月)の午前中で、気温は寒ければ寒いほど良い
(2) 西の風、風速13m以上
(3) 波の高さ4m以上

上記の条件のように、暴風波浪警報が出るほどの、大荒れ、大しけの時が「波の花」を見られるチャンスとなります。そのため、立っているのがきついほどの強風でなければなりません。海岸に近寄る際は十分な注意が必要です。そして、とても寒い日でなければなりませんので、防寒着は普段以上の装備が必要です。気温が低いことも条件ですので、時間的には早朝が見やすく、午前中のほうが確率は高いです。

石狩市浜益で「波の花」が発生した日(波の高さは6m程度)
2013年11月27日午前:気温3~4度、風速13~16m
2014年11月04日午前:気温4~6度、風速16~17m(異例の大発生)
2014年11月14日午前:気温0~2度、風速13~16m

波の花を見に行く

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「波の花」は石狩市北部から留萌市周辺の岩場がある場所でよく観察できます。留萌市黄金岬にはカメラマンが多く訪れます。札幌近郊では石狩市北部の厚田・浜益が観察ポイントです。集落のある海岸で見ることができ、厚田では、聚富のシップ海水浴場、望来の正利冠川河口、厚田市街の厚田川河口、浜益では、毘砂別海岸、川下海水浴場で確認されています。特に川下海水浴場の駐車場の北端は波の花がよく見られる(波の花がびっしりたまる)ポイントであり、大発生すると国道を越えてきます。

厚田の安瀬の海岸線を走る国道、小平の海岸線を走る国道など、海のすぐ横を走る国道沿いでは波の花が道路上を埋め尽くすことがあります。ただ、通常は大荒れの天気の時にしか発生しないため、国道231号線の雄冬海岸は越波のため通行止めになるなど、行くことのできない区間も生じます。

地元の方に聞いてみると、先述の通り歓迎されない様子の波の花。一方で、間近であまり見たことがない人もいます。曰く、そもそも強風過ぎて、この時期は寒いため、海沿いまでわざわざ行かないとのこと。しかし、こうした荒天の恩恵に浴しているのも事実。波の花が発生するほど大しけで海の中がもまれた次の日、浜益では名物ルッツ(ユムシ)が打ち上がるほか、厚田では11月下旬から始まるハタハタ漁の合図ともなります。

日本海岸で見られる冬の風物詩「波の花」。見に行く場合は、足元や高波には気を付けて見学してください。

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