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野付半島とトドワラとナラワラ

野付半島とトドワラとナラワラ

 根室管内別海町にある野付半島は、先端が円を描くように丸く丸まっている独特の形状をした砂嘴の半島です。その根元も非常に細いのも特徴的です。長さ26kmは日本一。野付風蓮道立自然公園、北海道遺産選定、ラムサール条約登録と、貴重な自然環境でもあります。

 実は野付半島は野付湾奥深く、つまり野付半島の根元付近は標津町、残りの4分の3ほどの先端部分は別海町の飛び地となっています。この半島はそれだけが特異なのではありません。その自然にも注目できます。トドワラとナラワラです。トドワラ、ナラワラって何でしょうか。

トドワラとは

野付半島とトドワラとナラワラ

 トドというのは動物ではなく、トドマツのことです。野付半島をめぐると、トドマツの墓場のような様相を呈した立ち枯れたトドマツ林やその白い残骸を見ることができます。

 どうしてこんなにも枯死してしまったのでしょうか。原因は海水浸水でした。本来、江戸時代中期まではトドマツが林立する林だったわけですが、地盤沈下による海水水浸し、海面上昇、また、1954年の洞爺丸台風の影響で、トドマツ林の崩壊が進みました。

ナラワラとは

野付半島とトドワラとナラワラ

 同じような言葉ですが、同じく枯死してしまった林の地帯です。トドワラとの違いは種類。トドワラがトドマツなのに対し、ナラワラはミズナラ、ナナカマド、ダケカンバ、エゾイタヤなどが含まれます。これらがトドワラほどではないにしても、トドワラと同じ理由で枯死しつつあります。

 トドワラもナラワラも、かつては野付半島に生い茂る原生林だったわけですが、今や荒廃した地になりつつあります。さらに、腐朽し倒壊した木々が風化の影響で消滅しつつある実情もあり、いずれは木々のない場所となると予想されています。

 ということで、見たことのない人は、"跡地"になる前に、トドワラとナラワラを見ておきましょう。一方で、原生花園でもあり、海浜の植物・花が多く植生していますので、こちらもお忘れなく。

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編集部

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北海道ファンマガジン編集部。編集部スタッフが取材執筆した記事や、名前を出さないライターの記事、寄稿記事の掲載の際にもこのアカウントが使われます。