北海道も紅葉の季節が始まろうとしています(記事執筆現在)。山々をカラフルに染め上げる秋の
紅葉ですが、実は地面を真っ赤に染め上げる秋ならではの"紅葉"があるんです。
その名は「サンゴソウ」。学名で言うと「アッケシソウ」ですが、このアッケシソウ の名前の由来は、道東にあります厚岸町のカキ島で発見されたことから。北海道 では道東のオホーツク海沿岸の各地で見ることができますが、本場の厚岸町厚岸 湖畔では現在ほとんど見ることができなくなってしまいました。
ではどこで見ることができるの?
ではどこで見ることができるか……。網走市、紋別市、佐呂間町が有名です。 特に網走市郊外にある能取湖南岸の卯原内園地には、4万ヘクタールもの国内 最大級の群生地があります。湖畔を真っ赤に染め上げるその光景は、地元の方 には秋を感じさせ、観光客には絵のような風景に感動します。
サロマ湖畔、ちょうど北西端の湧別町の湖岸にはサンゴ岬と呼ばれている 鶴沼原生花園があり、ここもサンゴソウ群生地。ちょうど上の写真はそこで撮影したものです。そのほかにもキムアネップ岬などサロマ湖にそって走る 国道からは幾つかのサンゴソウ群生地を見ることができます。その他、紋別市や 風連・涛沸湖でも見ることができ、いずれも道内では道東方面に密集しています。 (※瀬戸内海沿岸でも一部で見られるようですが、北海道ほどではありません)
サンゴソウってなにもの?
アカザ科アッケシソウ属の植物で、もとは塩湿地に生育する植物です。茎の高さ
は15センチから30センチほど、花も良く見てみるとあって、3個ずつついています。
葉も目立たないので茎だけという印象を与えます。普段は緑の節があって枝分かれ
している茎ですが、8月中旬から赤くサンゴ色に変色し始め、ピークとなる見ごろは、
9月、10月上旬までです。ちなみに1年草です。
サンゴソウを間近で見ることができるところがほとんどですが、希少種また、絶滅危惧種 に指定されています。大変稀少なので取り扱いには注意です。
かつてはオホーツク海沿岸などでは普通に見られたようですが、今ではめっきり少なく
なりました。また、北海道から種子が運ばれたという説がある瀬戸内海沿岸のもの
も地域によっては絶滅してきています。