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絶滅したエゾオオカミ、復活なるか


旭川市旭山動物園のオオカミの森


北海道にもかつてはオオカミが生息していました。名前は「エゾオオカミ」 で、樺太や千島にも生息していました。本州以南では「ニホンオオカミ」 が生息していましたが、国内からはともに野生のオオカミは絶滅してしまい ました。

エゾオオカミとは

 オオカミはイヌ科最大の動物ですが、ハイイロオオカミはオオカミの中 でも最大の大きさです。そのハイイロオオカミの亜種の一つがエゾオオカミ でした。エゾオオカミの大きさはシェパードほどだったとされています。

 体長は120cmほど、体重35kgほど、尾は30cmほどで、ニホンオオカミより も大きいサイズです。毛の色は褐色で、尾端は黒毛。耳のふちは毛が多く、 目の周りや唇が黒いのが特徴です。

 北海道犬と間違いやすいということも挙げられます。実際、2001年春に 札幌市大通小学校で発見されたエゾオオカミとされる剥製はDNA鑑定の結果、 北海道犬の可能性もあるとされています。

エゾオオカミ絶滅の理由

 アイヌの人からはエゾオオカミも同様に「カムイ(神)」と呼ばれてきま した(ホロケウカムイ)。絶滅の主たる原因は、明治時代に北海道に入植して きた人々です。発端は和人によるエゾシカ乱獲です。毛皮や食肉のためです。

 これが、エゾオオカミに影響を及ぼし始め、えさが少なくなったオオカミ たちは、今度は家畜を狩猟するようになりました。こうして、人々は 「エゾオオカミ=害獣」と認識するに至りました。

 明治時代に北海道で活躍したエドウィン・ダン氏は、エゾオオカミ駆除 に乗り出しました。餌に毒(硝酸ストリキニーネ)を盛り、1876年から1888年 にかけての12年間は高額な懸賞金(1頭につき10円)までかけて、駆除活動が 全道で行われました。

 結局、1879年冬に発生した大雪による大量餓死といった悪環境も重なり、 1889年に確認されたオオカミを最後に絶滅し、商人が毛皮を扱ったのも1896年 の記録を最後に途絶えました。報奨金制度開始からわずか十数年の間の出来事 でした。

簡易年表
1876年 政府による報奨金制度スタート、1頭2~10円(2、7、10と徐々に引き上げられた)
1879年 大雪によりエゾシカ大量餓死、従ってエゾオオカミも大量餓死
1888年 政府による報奨金制度廃止、12年間で1539頭駆除の記録が残る(記録外を含むと3000頭)
1889年 最後の1頭が確認される
1896年 函館の毛皮商人松下熊槌による最後の毛皮輸出

絶滅による"二次災害"

 オオカミは北海道において、食物連鎖のピラミッドの頂点に位置して きました。主にエゾシカがえさでした。しかし、オオカミが絶滅してしまった ため、エゾシカが急増しています。さらにエゾシカの増加により樹木への 被害が多くなってきています。

 現存する剥製標本としては、世界唯一、北大農学部付属博物館にある確認 済み2体のみですが、頭骨は新ひだか町の資料館、大英博物館にあります。 写真は残されていません。近年、再導入の話も出てきています。海外では 成功例もありますが、国内、道内でも実施されるかどうかは未定です。

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