北海道大分水点って何?

 「北海道大分水点」。新しい言葉が誕生しました。といっても簡単にいけるような場所ではない山奥なのですが、今後登山道が整備されるようなので、できたら行かれるとよいと思います。まずはこの言葉の意味から。

 北海道の水系の原点。北海道は周りを3つの海、つまり日本海、太平洋、オホーツク海に囲まれていますが、道内の河川は最終的にこの3つのいずれかに流れ込まなければなりません。どの海に流れ込むか、その境界線を大分水界(分水嶺)といいますが、その交わった点のこと。

 北海道大分水点を提唱したのは留辺蘂町の方。その方のサイトはこちらです。以来、留辺蘂町を中心に実現しました。北海道大分水点のことは、言葉を連ねてもわかりづらいので、北海道地図を見て見ましょう。道路地図を見ながら書いたので若干違うこともありますがお許しを^^

 1.日本海に流れ込むか、オホーツク海に流れ込むかの境界は、宗谷岬から宗谷丘陵を経て、北見山地から東大雪まで続きます。2.オホーツク海に流れ込むか、太平洋に流れ込むかの境界は、知床連山を経て、美幌峠、石狩山地まで続きます。3.日本海に流れ込むか、太平洋に流れ込むかの境界は、十勝岳を経て、占冠村の北部を通り、支笏湖の南、洞爺湖の北を通って、渡島半島、松前半島まで続くもの。

 ちなみに、日本一低い分水嶺は千歳市と苫小牧市の境界で標高20m。日本一海岸線に近いのも北海道で、長万部町や黒松内町、豊浦町が境界を接する礼文華付近で、噴火湾からわずか250m~300m。

 実は、境界を引くとほとんど支庁・市町村境界線と同じになります。これは、行政境界線が山岳を通ることが多いからですね。違うのは、稚内市くらい。

 これら境界線が唯一交わる点があります。実はこれ、偶然にも3支庁の境界線が交わる点であり、かつ3町の境界線が交わる点でもあります。その場所とは、網走管内留辺蘂町(2006年北見市と合併=以降北見市)、上川管内上川町、十勝管内上士幌町

 かつて、北海道が11国時代だったころ、3つの国(石狩国・北見国・十勝国)が交わる点でもありました。そのことから、国道273号線の三国峠、三国山の名前が生まれました。この地点に降った雨は、唯一、太平洋・日本海・オホーツク海の3海に流れ込みます。MAPはこちら。標識を設置し、今後地形図にも掲載されるかもしれません。(=北海道新聞、地図提供)