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オホーツク海海鳥大量死骸発見問題まとめ

 道民ならご存知、2006年2月末にオホーツク海で奇妙な事件が起こりました。海鳥の死骸が大量に海岸に打ち上げたというもの。連日のように大きく報道されていて、原因究明の努力がなされ続けていますが、いまだに決定的証拠は見つかっていません。

 このニュースは2006年2月27日~28日に報道されたニュースで、知床半島の斜里町側の海岸線数百メートルに油まみれの海鳥100羽の死骸が発見されたというものからはじまりました。環境省のレッドリストの絶滅危惧種に指定されている海鳥たちも含まれていました。

 海鳥の死骸の数は、日がたつうちに増加し続けました。最初190羽だったものが3月に入り2000羽に迫る勢いに。まだ雪に埋もれている可能性もありますし、最終的な数はわかりません。死骸、知床世界自然遺産の登録地でも発見されています。

 付近に油が浮いているわけではなく、タンカー事故や重油流出事故もなかったため、不可解な事件として調査されていくことになりました。しかし、原因究明となると、ロシア連邦との国境を越えた情報収集が必要なため、難航したようです。今回の事件についてまとめると以下の通り。

▼死骸の海鳥
ハシブトウミガラス、エトロフウミスズメ(以上が大半を占める)、ウミスズメ、ウミガラス(環境省絶滅危惧種)、オオワシ(IUCN危急種)

▼死骸数
2月28日まで(斜里町調査)190羽確認(知床半島)
3月2日まで(日本野鳥の会)584羽確認
      (北海道調査)770羽確認
3月10日まで(網走支庁・斜里町)1888羽確認
3月14日まで(網走支庁)2085羽確認
3月16日まで(網走支庁・斜里町)3998羽確認
3月29日まで(網走支庁・斜里町3回目)5338羽確認
5月22日まで(網走支庁・斜里町など)5577羽確認、回収作業終了

▼死骸発見場所
2005年12月下旬:網走市海岸線
2006年1月中旬:枝幸町海岸線
2006年1月~2月下旬:知床半島斜里町(世界自然遺産区域含む)
2006年2月下旬:北方領土国後島
確認された死骸のうちほとんど、5564羽は斜里町。

▼海鳥の死因(断定)
油まみれになったことによる急激な体温低下。つまり、羽同士による空気の層がなくなるため、体温が保てないというわけ。8日までに、油で死んだことが裏付けられました。ただし北方領土の国後島で発見された死骸については油がついていなかったとか。

▼発生場所(断定)
海流などを考慮して、北のサハリンやシベリア方面で発生したことはほぼ間違いありません。また、鳥の種類からして洋上で起こった可能性が高い。
・2006年5月30日、2005年11月の衛星画像で、サハリンのテルペニア岬付近の海洋で黒い影を確認。プランクトンの時期ではなく、油流出の可能性が高いと指摘。関連を調査。

▼原因の可能性(まだ断定なし)
・鳥インフルエンザによる感染症
・廃油等の不法投棄
・2005年11月サハリン中東部で起きたタンカー油流出事故
・2005年12月13日から10日間のサハリン東部ノグリキの油田でのパイプライン腐食による流出事故(国際環境NGO「FoEジャパン」調べ
※2006年3月23日追記:調査の結果、付着していた油は原油ではなく、大型船舶に使われるC重油であることが判明しました。つまり、サハリン油田基地からの流出はありえないとの見方を示しました。
※2006年4月9日一斉調査追記:北見市や網走市沿岸でドラム缶が大量に漂着。21本を確認し、うち6本に油のような液体が入っていた。うち5本にはハングル文字が書かれていたという。関連性を調べているが、C重油ではないため関係は薄い。

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