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国後沖漁船銃撃事件、船長逮捕へ発展

 2010年1月29日午後に、羅臼漁協所属の漁船2隻が国後島沖でスケソウダラ刺し網漁を行っていた際、ロシア国境警備隊のヘリコプターに銃撃された事件。この問題はまだ終わっておらず、結局2船長が第1管区海上保安本部によって逮捕されました。

 なぜ逮捕されたのか。北海道海面漁業調整規則違反です。この規則によると、北方領土周辺の安全操業海域で操業する際は、道知事の許可を受けたうえで出港から帰港まで常にVMS(衛星通信漁船管理システム)を作動させることが義務付けられています。これにより位置を把握することができます。

 しかし、この2船長は国後沖で操業していたにもかかわらず、銃撃前の4時間半の間、VMSを故意に停止させていたとされる容疑です。停止させていたわけですから、どこに行ったかもわからず、同規則の区域外操業に関しても疑いが晴れていません。

 そもそもこの問題は、1月29日にロシア国境警備隊によって銃撃を受けたことが始まり。しかし、銃撃されたとみられる時間帯の調査で、位置情報記録に空白があったことが発覚し、逮捕に結びつきました。

 そのほかにも、おおごとにしたくなかったということで銃撃跡など証拠を一部消そうとしたなど、行動に不可解な点が多い事件になっています。今回の事件の経緯をまとめました。

1月29日
・正午ごろロシア国境警備隊のヘリコプター現る、5分後照明弾投下
・銃撃、第58孝丸は15カ所被弾、第63清美丸は5カ所被弾
・16:30頃にヘリコプター去る
・20:40頃、羅臼漁港到着
・ただし、当初乗組員はヘリコプターによる照明弾落下を証言するも、被弾には触れず
・ロシア側は道新の取材に応じ、2隻は安全操業区域外の国後沖1.5カイリ(2.8km)の位置にいて、停船命令を無視して日本側へ逃走したため銃撃したと供述

1月30日
・第1管区海上保安本部は2隻に被弾跡を発見
・ロシア国境警備隊が2隻の映像を公開、政府による指導を求める

2月1日
・2隻が被弾した穴の一部を補修していたことが判明
・VMS空白時間4時間半あったことが判明
・道はロシア総領事に対し再発防止を求める

2月3日
・ロシア国境警備隊が道新の取材に応じ、日本漁船の領海侵犯であり、ロシア側に過失なしと強調

2月8日
・安全操業による漁を打ち切り、11日に網を引き揚げ

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