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二十間坂の女神は短命スポットになるか?

 函館市の観光名所にある日突然、物議を醸すものが登場し、話題となっています。函館市の二十間坂に自由の女神像が出現、これに対し周辺住民から撤去要求が提出され、行政も撤去指導する方針を明らかにし、問題となっています。

 問題の場所は、函館の坂でも随一の人気を誇る二十間坂の上付近で、市内海産物販売業者マルキタ北村水産の元町店(元町17)。この店は2010年6月8日にオープンしたわけですが、それに合わせるかのように、5日、店舗前に自由の女神像が設置されました。

 自由の女神像は右手に赤色のトーチを持つ白色のもので、全高は6m程度と推定されます。商店側はこの自由の女神を「二十間坂の女神像」と命名、ちょっとした話題集め&新スポットとしたかったのかもしれませんが、これが思いもよらない形で"話題"になってしまいました。

 実は周囲は、カトリック元町教会が見える場所であるほか、函館ハリストス正教会、東本願寺函館別院といった函館元町地区の有名観光スポットが集中するエリアであり、函館市都市景観形成地域指定エリアでした。周囲の景観を乱すものと見た周辺住民たちは市に対し苦情申し立て、地元町内会等数団体も撤去要求要望書を提出しました。

 ここで、説明しておかなければならないのは、函館市都市景観条例。この条例に基づいて都市景観形成地域が設定されていますが、建築物の高さ、外観の配色、デザイン等が周囲と調和しているかどうかが、厳しい基準に基づきチェックされます。周囲には、高すぎる建物はありませんし、目立つような配色の建物はありません。こうした条例によって、函館元町地区の景観が守られているといえます。

 しかし、今回争点となっている自由の女神像は、義務付けられている事前の届け出がないまま設置されたという経緯があります。設置直後から苦情が寄せられ、函館市は9日に文書指導、報道により問題が大きくなり、23日に撤去指導方針を表明しました。

 業者側の言い分は「景観を破壊しているとは思わない、付近には寺院や教会など和洋の施設があるのに、なぜ自由の女神がいけないのか(朝日新聞、北村社長の話)」。とはいえ、市の指導には応じるとの姿勢を示しており、撤去指導があった場合には、撤去されることが濃厚です。

 短期間だけ脚光を浴びることになった、二十間坂の女神2010。確かに周囲の風景からすると違和感がある建立物ですが、後になって、昔函館に自由の女神があった、なんて話す人も出るかもしれません。

2010年7月13日追記

 7月12日までの撤去期限を過ぎても撤去されないことから、自由の女神像を撤去するオンライン署名が13日にスタートしました。電子署名趣旨によると、6人の有志によって開始され、当初500人の署名を目標にしています。署名は函館市長宛、マルキタ北村水産社長宛に送られ、市長には強い行政指導要求および現行景観条例の改正を求め、マルキタへは女神像即時撤去と販売自粛を求めます。Twitterでは全国から反響があり、95%で不快、恥ずかしいなど反対の意見が占めました。同店では修学旅行生に存続署名を求めているという情報もあり、対立姿勢が依然強い状況です。この問題は長期化しそうです。

2010年7月16日追記

 マルキタ北村水産が態度を一転させ、20日までに撤去することを表明しました。これで一連の問題は決着することになりそうです。

2010年8月19日追記

 19日に自由の女神像が撤去されました。一時保管として建物屋上にブルーシートにくるまれております。今後の利用法は未定。

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