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 2010年6月下旬に高速道路の一部無料化が">高速一部無料化実験で影響を受けた街 – 北海道ファンマガジン
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高速一部無料化実験で影響を受けた街


 2010年6月下旬に高速道路の一部無料化が始まり、道内では道央自動車道岩見沢IC以北、道東自動車道全線などが無料になりました。これによる影響が徐々に明らかになってきました。無料化で人が増えたところもあれば、一方で、来訪者が激減し困っているところもあるようです。そんな事情をまとめました。

道東自動車道無料化の影響について

 道東自動車道は一部未開通であるため分断されており、夕張IC以西と、占冠IC以東に分けられます。夕張IC出口では7月の3連休で4.5kmの渋滞が発生しました。夕張市の新夕張駅周辺から占冠村までの一般道はほぼ従来通りですが、大ダメージを受けたのは、日高町本町地区です。

 この町を通る国道274号線は、高速道路開通前までは道央と十勝を結ぶ大動脈として重要な役割を果たしてきました。しかし、トマムIC・占冠IC供用開始で、日高町経由で日勝峠を通る車両は徐々に減少してきました。それに追い打ちをかけるように、道東道全線無料化実験が始まったわけです。

 これまで高速道路料金を払うよりも一般道で日勝峠を通ったほうがよいということで通行していた車両も含め、多くの車両が一般道を敬遠するようになりました。日勝峠1日交通量は無料化開始後5日間で半減したという統計があることからも分かります。無料化は日高町の衰退を加速させかねない状況になっています。

 日高町日高地区中心部には、札幌寄りにセイコーマート、道の駅樹海ロード日高近くにもコンビニエンスストアがありますが、前者はかつてセイコーマートチェーン店で道内トップの売り上げを記録した店舗でした。いまや売上は当時の半分程度とされています。

 道の駅樹海ロード日高の入場者数は、2010年7月と2009年7月を比べると55%減少(半減)したということで、予想していたこととはいえ、大打撃を受けている様子がわかります。周辺の店舗も地元客中心になりつつあるようです。以上の影響は、2010年8月8日付北海道新聞一面で報じられました。

 こうした危機的状況の中、日高町議会は2010年8月5日、高速道路無料化社会実験中止を求める意見書案を可決。国に提出することになっています。山間部の小さな集落にとって、手の打ちようがないというのが現状であり、高速無料化実験の"犠牲者"になった場所の一つといえそうです。

 そんな日高の惨状がありながらも、一方で道東道無料化、および将来の道東道全通を期待しているのは十勝です。特に観光面で道央からの観光客が多くやってくるとされています。その期待を反映してか、2010年夏には帯広市では食を中心としたスポットが2つ誕生しました(十勝乃長屋、とかちむら)。高速無料化による明暗がはっきり表れました。

道央自動車道無料化の影響について

 道央自動車道では岩見沢IC以北がすべて無料になりました(深川留萌自動車道含む)。岩見沢ICで乗り降りする人が多くなり、岩見沢市の国道234号線、国道12号線の札幌方面は、以前に比べ大変混雑、土日祝日になると渋滞するようになっているようです。特に岩見沢市野外音楽堂キタオンで開催された7月中旬土日開催のJOIN ALIVEの際には、一般道だけではなく高速道路も10km前後の渋滞が発生しました。

 恩恵を受けているのも岩見沢市。無料化区間の始端・終端であり、ちょうどあやめ・バラが見ごろを迎えた岩見沢市では観光客が増加したとしています。北海道グリーンランドでも旭川ナンバーや北見ナンバーが増えたとしており、道北地方から高速道路を使って岩見沢にたどりついた車も多いようです。

 美唄市のぴぱの湯ゆーりん館は来館者が若干増えたようですが、岩見沢以北のほとんどの中空知地区では入場者数減少が目立ちます。たとえば滝川市江部乙にある道の駅たきかわでは、入場者数が約4割減少しました(空知新聞社)。これまで国道12号線を通っていた車がほとんど、道央自動車道にうつったことで、通過点に過ぎない中空知地区にとってはダメージになっています。

 道央自動車道で岩見沢ICから北に車を走らせれば、旭川市につきます。旭川市の旭山動物園は近年入園者数が減少してきましたが、無料化後は来園者数が前月比1割増加しています(朝日新聞)。このように、道央圏から高速道路を使ってやってくる人たちが増え、旭川市にも恩恵がもたらされています。

 さらに北に目を向けると、最北のICである士別剣淵ICから北に行ったところにある美深町。ここのトロッコ王国美深では、入園者数(正式には入国者数)が7月に増加しており、高速道路無料化の影響がここにも出てきています(名寄新聞)。

 開始1カ月で早くも天と地の差が出てきている高速道路無料化実験。この恩恵にあずかれる場所がある一方で、一部地域の衰退が加速することは避けられないのが現状であり、結構深刻な状況です。また、交通量が増加した高速道路では事故が増加しており、こうした心配もあります。
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