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東北地方の巨大地震で道内も被害

気象庁が「平成23年東北地方太平洋沖地震」と命名した国内観測史上最大の巨大地震(M8.8)。道内にも大津波警報が発令され、津波が押し寄せ、被害が生じた。道内では最大震度4を観測した。

道内は太平洋沿岸中部に津波警報が発令され、その後太平洋沿岸全域に津波警報、大津波警報へと変更された。いずれも予想高さは6~8mと予想され、15:30~15:40に到達とされた。日本海沿岸南部に津波注意報、後に津波警報へと変更され、オホーツク海沿岸部に津波注意報、日本海沿岸北部も最終的に津波注意報が出された。

道は、道内41市町村が6万世帯以上に避難勧告・避難指示が出され、2万人以上が避難したと発表。北海道電力は道内各地で停電が発生していると発表、函館市、様似町、釧路市、厚岸町、浜中町、根室市で最大約3000世帯が停電となった。

地震や津波により、函館市で男性が1人死亡、ほかけが人が3人となった。

主な津波到達情報

色丹島 最大3m
根室市花咲 第一波15:34 最大2.8m
浜中町 第一波15:27 最大2.6m
釧路市 第一波15:34 最大2.1m
十勝港 第一波15:26 最大2.8m以上
えりも町 第一波15:18 最大3.5m
浦河町 第一波15:19 最大2.7m
苫小牧東港 第一波15:40 最大2.5m以上
函館市 第一波16:11 最大2.4m

津波の到達により、各地で港に駐車していた車が流されたり、漁船が転覆・漂流した。えりも町・浜中町では堤防決壊。根室港ではコンクリートが破損。床上・床下浸水も生じ、厚岸町で220戸、太平洋沿岸を中心に450戸以上に上った。函館市では中心部ベイエリアは冠水。釧路市ではフィッシャーマンズワーフMOO1階部分に浸水。函館市では中心部のホテルで1階ロビーが冠水するなど影響が出た。

交通の影響

JR北海道は、道南の全線、根室本線、日高本線など太平洋沿岸に関係する路線で運転を見合わせた。運休は72本。12日も関係路線は運休。特急スーパーおおぞらは札幌~帯広間で折り返し運転となった。函館山ロープウェイは運休した。船の便では、川崎近海汽船は苫小牧沖で待機、12日の一部欠航を決めた。新日本海フェリーは発着港を苫小牧から小樽に変更。大洗~苫小牧間の商船三井フェリーは3月いっぱいの欠航を決定。

国道は太平洋沿岸部、日本海沿岸南部で通行止めとした。国道5号線、36号線、37号線、38号線、44号線、235号線、227号線、228号線、229号線、278号線、279号線、235号線、236号線、336号線が通行止めとなった。その他、沿岸部の道道でも通行止めとし、合計36路線53カ所に上った。

空の便でも仙台空港閉鎖の影響で千歳~仙台間などで欠航が相次ぎ、12日も欠航が決定している便がある。AIRDOでは札幌~仙台間全便を中心に欠航を決定。代替として札幌~福島間を臨時便として運行することを決定した。

経済産業への影響

厚岸町・厚岸湖では3年ものカキの養殖施設3000が損壊・浮遊、ほぼ全滅状態。回復までは早くて5年かかるとされる。長万部町や八雲町、森町の養殖ホタテは津波の影響でほぼ全域で壊滅的被害を受けた。浜中町やえりも町ウニ養殖が壊滅状態。えりも町ではハタハタの卵が全滅。被害は太平洋沿岸域を中心に15漁協で確認されている。

漁船の被害も甚大だ。太平洋沿岸を中心とする16市町の550隻以上が、沈没・浸水、あるいは内陸に流されたりした。豊頃町では道道を漁船が塞いだ。漁船被害うち最大は日高管内で286隻。漁業への影響が懸念される。津波が中心部を襲った函館市では、函館市水産物地方卸売市場が浸水、函館駅近くの函館朝市も被害を受け、市内各地で鮮魚類の販売中止が相次いだ。

物流も深刻だ。JR貨物が本州間の輸送をストップしている関係で、宅配便などを中心に影響が出ている。JR貨物によると、北海道からは小樽からのフェリーで代替輸送するとしている。フェリーを使わざるを得ない状況で、太平洋側の航路が全面ストップしている関係で、日本海側回りを選択せざるを得ない状況。青函航路は12日夜に復旧した。船便のストップで、王子製紙など製紙業も一部の生産ライン停止を検討している。

こうした物流の問題で、ガソリン販売に制限が加えられた。道内でも一部のガソリンスタンドで1回(1台)20リットルまでとする給油制限を始めた。一部では営業休止する店も出たという。宅配便も全面停止した。トヨタ自動車、いすゞ自動車など、大手製造業の道内工場でも操業停止になったところもある。

イベント中止

3/12札幌駅前通地下歩行空間開通式典、および、都市計画シンポジウム「新たな都市文化を育む公共空間のデザインと活用」の中止を決定。ただし開通は予定通り。
3/13、21太平洋フェリーの新造船「いしかり」記念式典を中止。
3/13札幌市「開国フォーラム」中止。
3/15~17「さっぽろMICEサミット」中止。
3/12~13の遠軽町丸瀬布の「第15回森林浴・歩くスキーと語る夕べ」は中止。
3/13J2北九州VS札幌中止。
3/12帯広市「ばんえい競馬」は15日に延期。
3/12~13札幌市「全日本選手権モーグル」中止。
3/16~19札幌市「ノルディックの全日本選手権距離」中止。
ほか

救援・応援の動き

北海道電力は、東北電力・東京電力へ応援要員を派遣。また、13日からは被災地での電力供給を支援するため、北海道~本州間の送電線(30万kW×2本=60万kW)を通じて電力融通を開始。北海道では電力供給量に十分余裕があるため、特別な節電をお願いすることはない、としている。

津軽海峡フェリーは、自衛隊の要請に応え、被災地への「緊急災害援助部隊」派遣のため高速船「ナッチャンWorld」の臨時運航を決定。陸上自衛隊は旭川・岩見沢など各地から3500人以上を被災地に派遣。救援物資も届けた。北海道警察も、広域緊急援助隊150人以上を派遣し、岩手県陸前高田市、宮古市などで活動中。負傷者の北海道受け入れも始めた。北海道は12日、青森県へ、おにぎりやパン、水を海保の巡視船で輸送した。道内の医師や看護師らも同日に岩手県へ出発した。

北海道国際航空(AIRDO)は、北海道と市町村といった自治体関係が支援物資や医療関係者を運ぶ際、無料とすると発表。セイコーマートは水やカップラーメンなど必要な物資を提供する用意があるとしている。サッポロビール北海道本社では、飲み物のボトル一万本以上を無償提供。アインファーマシーズは、薬品で支援したり、薬剤師の派遣も行う。道内各企業で義援金の受付をしたり、募金箱が設置された。

北洋銀行と北海道銀行は、被災した道内の企業・個人を対象にした緊急融資の受付を始めた。道内に本社を持ちながら、道外にも店舗を展開する企業では、休業も相次いだ。ホーマック、ツルハホールディングス、アインファーマシーズ、ニトリ、セイコーマートの各企業では、影響を受けた店もある。

一方、北海道電力では呼びかけていないが、節電の動きは道内でも見られる。ススキノではネオンが消えた。テレビ塔でもライトアップをやめた。ナイター営業を短縮するスキー場も出はじめた。

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