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2014年3月一気に廃止―竜飛海底駅・吉岡海底駅・知内駅を振り返る

編集部
Written by 編集部

2014年3月一気に廃止―竜飛海底駅・吉岡海底駅・知内駅を振り返る 【知内町・福島町】 2016年春の北海道新幹線開業を間近に控えながら、2014年春は道南の鉄道が一気に寂しくなる時期となりそうだ。2014年5月12日に廃止となる江差線・木古内~江差間に加え、青函トンネルの2駅を含む海峡線(津軽海峡線)の3駅が営業終了となるからだ。

JR北海道は2013年9月13日、海峡線の知内駅(知内町)、青函トンネル内の吉岡海底駅(福島町)と竜飛海底駅(青森県東津軽郡外ヶ浜町)の3駅について、2014年3月に営業終了すると正式に発表した。いずれも北海道新幹線工事・新幹線車両の試験走行等に伴うもの。

そのうち、吉岡海底駅は2006年8月以降営業を休止しており、現段階では臨時駅扱いで訪れることはできずそのまま廃止、竜飛海底駅は2013年11月10日まで整理券購入に限り見学可能、知内駅は正式な営業終了日は未定ながら遅くとも2014年3月末までに営業終了となる。2駅のみだが、訪れるなら今のうちである。

廃止される3駅は、1988年3月13日の青函トンネル開通に伴って開設された(当時2駅と1信号場)。26年という比較的短い歴史に幕を下ろすこととなる。では、ここで3駅の歴史を振り返っておこう(竜飛海底駅については青森県に所在するがJR北海道管轄のため一緒に取り上げる)。

特急限定の道内最南端の地上駅「知内駅」

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知内駅は知内町に所在する唯一の駅で、道内最南端の地上駅(廃止後は木古内駅が最南端となる)。道の駅「しりうち」を兼ねている全国的にも珍しい駅だった。青函トンネル開通時は信号場だったが、1988年1月の松前線廃止で湯ノ里駅と渡島知内駅を失った地元の強い要望で1990年に駅として開業した。

2002年11月末日の快速「海峡」運行終了で特急列車しか停車しない駅となった。このため、木古内~蟹田間では「特急料金が不要となる特例」があり、同区間利用に限り普通運賃で特急の普通車自由席に乗車できることになっている。現在はほとんどの列車が通過し、特急白鳥系が1日2往復停車するのみとなっている。

駅データ
木古内駅から11.8km、吉岡海底駅から20.5km
駅構造:地上2面4線・跨線橋設置
1988年3月13日:青函トンネル開通に伴い新湯の里信号場として開設
1990年7月1日:知内駅に昇格
2014年3月:営業終了
函館方面の発車時刻:
・09:38特急白鳥93号函館行
・20:02特急スーパー白鳥31号函館行
青森方面の発車時刻:
・08:55特急スーパー白鳥22号新青森行
・16:39特急スーパー白鳥40号新青森行

日本一低い位置にある長期休止駅「吉岡海底駅」

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吉岡海底駅は青函トンネル内に2つある駅のうち、北海道側海底にある駅。海面下149.5mに位置し、日本一低い鉄道駅であった。快速「海峡」運行時代は一日8往復ほど、2005年特急白鳥時代は一日4往復ほど停車していたこともある。

廃止前まで訪問可能な竜飛海底駅とは異なり、新幹線工事の関係で早くも2006年には臨時駅に降格。定期列車も臨時特急も停車することのない通年営業休止駅となった。2009年、2012年、2013年の計4度にわたり、JRのツアー客列車が停車したことがあるというが、一般客が乗降できない状況が7年近くも続いていることになる。

駅ホームは狭いがドーム状の空間があり、「竜宮水族館」と呼ばれる水槽、ドラえもんの仮想タウン「ドラえもん広場(ドラえもん海底ワールド)」、トンネル工事に使用された車両や工事の様子の展示、1000人が避難できるロングベンチ、水道やトイレ施設があった。ドラえもん海底列車(函館~吉岡海底駅間)が運行していたこともあり、ドラえもん一色となっていた。

北海道新幹線工事開始を理由として「ドラえもん海底ワールド」廃止が発表されると、ドラえもん海底列車の函館発着のチケット「海底駅見学整理券」が取れないほどの人気となった。同列車は青函トンネル10周年の1998年から8年5カ月の間運行され、延べ35万人が訪れた。
(写真:Encino、SElefant)

駅データ
知内駅から20.5km、竜飛海底駅から23km
駅構造:地下2面2線
1988年3月13日:青函トンネル開通に伴い開業
2006年3月18日:定期列車の停車終了
2006年8月28日:臨時特急運行終了、臨時駅へ
2014年3月:廃止
函館方面の発車時刻:なし
青森方面の発車時刻:なし

青森県側の海底にある「竜飛海底駅」

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竜飛海底駅は青函トンネルの青森県側にある海底駅である。吉岡海底駅が長らく営業休止中なのに対し、当駅は2013年11月10日まで「海底駅見学整理券」を販売し見学者向けに停車、2014年3月に廃止となる。地上にある青函トンネル記念館からプラットホームを除き有料見学が可能という点や海底公衆電話が設置されている点は、吉岡海底駅とは大きく異なるところである。現時点で停車するのは下り3本、上り1本というアンバランスな設定になっている。
(写真:Naripotter523、LERK、PekePON)

駅データ
吉岡海底駅から23km、津軽今別駅(北海道新幹線奥津軽駅)から19.5km
駅構造:地下2面2線
1988年3月13日:青函トンネル開通に伴い開業
2013年11月11日:定期列車停車終了
2014年3月:廃止
函館方面の発車時刻:
・13:52特急スーパー白鳥19号函館行
・15:49特急白鳥23号函館行
・16:46特急スーパー白鳥25号函館行
青森方面の発車時刻:
・13:15特急スーパー白鳥30号新青森行

今後、北海道新幹線開業に向けて道南の鉄道地図はがらりと変わる。江差線・木古内~江差間は廃止され、五稜郭~木古内間は第三セクター化、海峡線の中途駅は新幹線予定駅を除き全駅廃止となり、新函館駅(仮称)から函館駅までは電化することが決定している。青函トンネルという特殊事情も含み、最後に一度見ておきたいという鉄道ファンが多く訪れることとなりそうだ。
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