見てビックリ!食べてビックリ!リアルなイカの姿の「いかようかん」

【函館市】イカの町・函館で圧倒的な存在感を放つ和菓子「いかようかん」。和洋菓子製造販売の『はこだて柳屋』 (本社・函館市万代町)の看板商品です。リアルなイカの姿に見てびっくり、食べて美味しさにびっくり! パッケージにも楽しい工夫が施された、お土産におすすめの一品です。

リアルにイカの姿を再現した「いかようかん」

求肥とコーヒー餡を羊かん生地で包んだ手作りの和菓子。リアルすぎるスルメイカの姿には、ちょっと怖いけれど目を背けることができない、そんなインパクトがあります。

同社の若杉充宏社長によると、いかようかんの誕生は1997年。店舗のリニューアル準備の際、仮店舗での営業が殺風景で寂しいからと、和菓子職人がイカの姿をした和菓子を作って店頭に並べたのが始まりだそうです。その後、「あのイカのお菓子は売り出さないのか」といった問い合わせが相次いだこともあり、リニューアルオープン10日ほど前に売り出しを決心。大急ぎで準備を進めたそうです。

▼はこだて柳屋 若杉充宏社長

では、「いかようかん」にパッケージから順に迫っていきます。

パッケージにもユーモアに満ちたこだわり

▼「けっして刺身にしないで下さい」

▼パッケージも手提げ袋もオリジナル


箱の包装紙には、「けっして刺身にしないで下さい」の注意書き。側面に書かれている「いが~、いが~、いらねが~、いが~」は、夜が明けると獲れたてのイカをリヤカーで売り歩くイカ売りのかけ声。箱を開けると、飛び出すイカの絵と、夜明けの函館の風景。パッケージへのこだわりからも、イカといかようかん、そして函館の町へのお店の愛が伝わってくるようです。

型は使わず、1つ1つ職人の手作り

目や吸盤、10本のうち2本だけ長い足など、細かく丁寧に作り込まれていますが、型は使わず、1つ1つ手作り。生地が柔らかいので、型に入れるときれいに取り出せないそうで、一晩かけて常温で生地を固めます。足の吸盤のイボイボも、絞り袋で1つずつ絞り出してつけ、3人がかりで2日かけて作り上げます。

手間がかかっているので、1日50杯限定(繁忙期は予約を受けて100杯でも150杯でも作ります!とのこと)、1杯1100円(税別)。発売当初から1000円で売り続けてきたそうですが、近年の材料の値上がりの影響から原価割れし、やむなく100円値上げしたと若杉社長。

強烈な外見と美味しさのギャップ


10本の足のうち、長い2本の足は顔の前で合わせるように組まれています。これは、伸ばしたままだと箱に収まりきらないからですが、合わせた手はまるで「食べないで~」とお願いしているようにも見えます。「グロテスクでしょ」と笑う若杉社長。「いかせんべいに使うような、イカの味がほんのりするイカパウダーなどもあるが、いかようかんの味は、実際のイカの味や香りとは一切切り離した。外見もイカそっくりで、イカの味までしたら、それは和菓子ではないからね」。

このちょっとこわいイカを食べるのを、どれだけ楽しみにしていたか! こちらを見つめるイカの目に申し訳なく思いつつも、縦に包丁を入れてみました。一口食べると、コーヒー餡の味が口の中に広がります。ほどよい甘さでコーヒー味の餡は、老若男女、幅広い人に好まれるのではないでしょうか。


▼断面図

地元の人も土産用として購入することがほとんどで、「自分は実は食べたことがない」という人も多いそうです。柳屋さんの遊び心とセンスが光る「いかようかん」。楽しさと美味しさを堪能できる話題たっぷりの函館土産に、いかがでしょうか。

はこだて柳屋
所在地:函館市万代町3-13 [地図]
電話:0138-42-0989
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