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「ありがとう江差線」JR江差線(木古内~江差)78年の歴史に幕

千葉美奈子
Written by 千葉美奈子

「ありがとう江差線」JR江差線(木古内~江差)78年の歴史に幕

【江差町】函館市の五稜郭駅から木古内駅(上磯郡木古内町)をへて、江差駅(檜山郡江差町)を結んでいたJR江差線の木古内-江差間(42km)が2014年5月11日、最終運行日を迎え、78年間の歴史を閉じました。沿線の木古内駅、湯ノ岱駅、江差駅では、江差線の最後の勇姿を盛り上げて見送ろうと、お別れセレモニーが企画されました。江差駅周辺での様子をリポートします。

※写真上:最終日、10時半ごろに江差駅を出発した「さようなら江差線」ヘッドマークを付けた列車。以下、写真はいずれも最終日撮影。

※JR江差線(木古内~江差間)の概要とその歴史

▼10時半ごろに江差駅を出発した列車(奥が進行方向)
「ありがとう江差線」JR江差線(木古内~江差)78年の歴史に幕

GWも廃止を惜しむ鉄道ファンらが江差へ

JR北海道管内で乗降客が最も少ない区間ですが、江差町によると、廃線前に1度江差線で江差を訪れようという鉄道ファンや旅行客の影響で、直前のゴールデンウィークも、江差駅から出る観光周遊バスなどがにぎわいを感じさせたそうです。江差駅から近く、徳川幕府の軍艦「開陽丸」がある開陽丸青少年センターには、平年と比べて15%多い観光客が訪れました。

JR北海道ではより多くの客に江差線に乗ってもらおうと、普段は1両または2両編成の車両を、4月30日から乗車率が多い列車を対象に3両編成にして対応したそうです。

廃線を惜しむ人たちでごった返す江差駅

最終運行日、江差駅前広場には、同町の姥神大神宮の渡御祭で奉納される山車(やま)で、北海道有形民俗文化財の「松寶丸」を展示。昼すぎからはJR北海道によるセレモニーが行われました。

▼北海道有形民俗文化財「松寶丸」も登場
「ありがとう江差線」JR江差線(木古内~江差)78年の歴史に幕

広場や列車を迎えるホーム、駅構内は、伝統芸能「江差追分」の衣装姿や「ありがとう江差線」の文字が入った小旗を持った地元の人たち、江差線の最終日の光景を目に焼き付け心に刻もうと各地から訪れた多くの人たちで、ごった返しました。

▼到着が遅れる列車を今か今かと待つ人たち
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▼江差追分の衣装で列車の到着を待つ
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▼13時過ぎに江差駅に到着した列車
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▼SL函館大沼号に使用している客車にディーゼル機関車を牽引した臨時列車が14時半ごろに江差駅に到着
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▼SL函館大沼号+ディーゼル機関車。15時ごろ、折り返して江差駅を出発した臨時列車に手を振る周辺住民
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▼映像


駅の記念スタンプを何枚も押していたのは、大阪から来た80歳の男性。「昨日、グループで飛行機で函館に来て、八雲の銀婚湯に泊まった。今日は八雲から出ているバスで江差まで来た。帰ったら記念スタンプを知人や友人たちにあげたい」と話していました。

2歳の孫と来たという江差町内に住む50代の女性は「高校時代に隣町の高校に通うのに、毎日使っていた。普段はマイカーばかりで列車は全然使わなくなってしまったが、いざなくなってしまうとなると寂しい」と話しました。

▼江差駅来駅証明書
「ありがとう江差線」JR江差線(木古内~江差)78年の歴史に幕

セレモニーでは集まった客に餅が振る舞われる「餅まき」も行われ、駅前広場には江差の味を楽しめる出店が並び、江差駅一帯が活気に満ちた雰囲気に包まれました。

▼訪れた人たちに餅が振る舞われた「餅まき」
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▼駅前広場の出店
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▼駅前広場内の観光案内所兼売店
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駅舎、駅弁は存続

JR北海道によると、駅舎についてはJRと江差町で協議の結果、江差町の意向に沿う形で残すことに。駅前広場内の観光案内所も残ります。江差産の天然岩海苔を使った2段のり弁の駅弁についても売店では「包装紙は変わると思うが、今後も販売を続けたい」と話していました。

▼存続する江差駅の駅弁
「ありがとう江差線」JR江差線(木古内~江差)78年の歴史に幕
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筆者について

千葉美奈子

千葉美奈子

東京都出身。2012年夏から函館市在住。乳幼児と保護者向けイベントの講師業のほか、総合情報サイト『All About』の乳児育児・絵本ガイド。自身も子育て現役中。初めての北海道生活、函館の空の表情の豊かさは、長年かかって築かれてきた価値観・人生観に大きな影響を与えたようです。道南地方の個性的な魅力に触れるたびに幸せな気持ちに。趣味は料理、パン作り、野球観戦。