見て、触れて、動かせる。鉄道で栄えた長万部の歴史しのぶ「鉄道村」

【長万部町】昭和前期に「鉄道の町」として栄えた長万部町に「鉄道村」なる施設が存在すると聞き、ママ鉄(子育てを通して鉄道好きになった女性を指すそう)の筆者が出かけてみました。函館から車で約2時間。「見て、触れて、動かせる」をモットーに展示された鉄道グッズにあふれ、鉄道に詳しくなくてもとても親しみやすい空間でした。

かつて鉄道の町として栄えた長万部町

函館本線と室蘭本線の分岐点となっている長万部駅。長万部町は昭和前期には「鉄道の町」として発展したそうです。かつては長万部駅の隣の国縫駅から日本海側に向かう瀬棚線(1987年に廃止)も走り、道南の鉄道の大きな拠点でした。

鉄道で栄えた長万部町の歴史をしのぶ「鉄道村」。同町の町民センターの中にあり、鉄道写真、警報機、プレート、制服、模型、蒸気機関車の部品など、旧国鉄の倉庫に保管されていたものや、地元に住む元国鉄マンや道内の鉄道愛好家から寄贈された貴重な品々など、約300点が展示されています。

▼鉄道村は町民センター内にある


「見て、触れて、動かせる」貴重な鉄道グッズ

町民センターの中の鉄道村の入り口は、改札を模しており、その向こうに広がる世界にワクワク。何といっても子鉄とママ鉄が嬉しいのは動く電車の模型。「NゲージのNはナイン、つまり9の意味で、レールの間隔が9mm、HOゲージはもっと幅が広いんですよ」と、職員の方が解説してくれました。

▼鉄道模型(NゲージとHOゲージ)


「見て、触れて、動かせる」がモットーの施設で、展示品はほとんど触ることができ、信号を点滅させたり、間近で聞くと迫力十分の警報を鳴らすこともできます。小さな子が楽しめるおもちゃの電車コーナーもあり、職員の方が見守る中でじっくり遊べました。

▼信号を点滅させることができる。子供向けおもちゃの電車コーナーも

鉄道マニアも訪れる空間

主に旧国鉄時代の貴重な鉄道グッズが並ぶ空間に、鉄道マニアの方々も多く訪れ、特にSL関連の資料が好まれるそうです。「詳しい方にこちらが色々教えていただく感じです」と職員さん。SLの写真に添えられている手書きの説明メモの中には来館者が書いたものもあるといいます。

ポシェットのような物体を何だろうと思って眺めていたら「それは単線の鉄道で上下線の衝突を防ぐもの。それを持っている電車のみが一定の区間を走れるという通行証です」と教えてくださいました。「タブレット」というそうですね。ママ鉄、1つ知識が増えました。

▼タブレット

▼信号制御盤

▼貴重な特急「北斗」のヘッドマークも

▼ロール式の行き先表示を何枚かつなげたもの

▼着用できる制服や帽子

鉄道マニアの方々にとっては非常に価値があるという特急「北斗」のヘッドマークや駅名板など、鉄道に詳しい方々には数々の展示品の貴重さが感じられる一層ワクワクする空間なのだろうなあと思いつつ、子鉄とママ鉄にとっても体験型の施設はなかなかに魅力的。そのアットホームな雰囲気もあり、気づいたら2時間近くがたっていました。

職員の方が常駐している施設ではなく、職員の方が不在の時は建物が閉まっています。訪れる際は、前もって連絡すると安心です。

鉄道村(長万部町民センター内)
所在地:北海道長万部町長万部413の12 [地図]
電話:01377-2-5757(学習文化センター)、01377-2-2748(長万部町教育委員会)
開館時間:10:00~16:00
休館日:月曜、祝日の翌日
入館料:無料
駐車場:6台