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奇形タンポポがたくさん発見された地

奇形タンポポがたくさん発見された地

 奇形タンポポ、ご存知でしょうか。その姿はグロテスク。通常の茎の部分が帯状に平たい茎になったり、長すぎる茎になっています。花は丸い円を描かず、いくつもの花が合体してゆがんでいます。そんなタンポポが道内でたくさん見られてきました(写真はイメージ)。

 この問題は、2002年ごろ、全国ネットのテレビ番組で放送され、広く注目されるようになりました。この放送で集められた全国の奇形タンポポ目撃情報の中でも、北海道が群を抜いて多かったようです。

 奇形タンポポを取材・レポートしたのはスーパーモーニングの玉川徹氏。自著「化学物質汚染列島~奇形タンポポの警告」(講談社)の中で、その後の経緯について明かしています。

 それによると、まず洞爺湖町(当時虻田町)に新居を建てた夫婦が、わずか10カ月しか住むことができなかったことを知ります。原因は化学物質過敏症。またこの土地からは奇形タンポポが発見されました。後の調査で、家に問題はなく、土壌からリン酸トリスが発見され、それが両者共通の原因の一つと判明しました。

 2003年、改めて情報提供を募集すると、奇形タンポポの情報のうち9割が北海道という驚愕の事実がわかり、北見、帯広、札幌を取材することになります(それ以外の都市は苫小牧市、旭川市、室蘭市)。

 道内でもこのころ奇形タンポポを報じるものがありました。北見市などで発行されている経済の伝書鳩では、2002年、北見市の空き地における奇形タンポポの群生が報じられました。また、HTBも札幌市北区創成川、帯広市、北見市からの情報を集め、道内でお化けタンポポについて放送していました。

 その後も、広尾町の豊似16線バス停部分で帯化タンポポが発見され、土壌から殺虫剤成分のDDTが発見されました。DDTは2008年夏に札幌市豊平区の住宅地で解体工事を行った周辺の住民に化学物質過敏症発症が見られたことで知られます。DDTは1971年に販売禁止になりますが、それ以前に農薬などで使われていました。北海道ではこうしたものが広く使われていました。

奇形タンポポがたくさん発見された地  では、どうして北海道で奇形タンポポが増えるのか。北海道は本州とは異なりニホンタンポポのない地だったから、というのが答え。明治時代に帰化種となるセイヨウタンポポがあっという間に広まり、雑種との交雑で生まれた二代目雑種が殺虫剤などのストレスに弱く、奇形を生んだというのがからくりです。

 こうした玉川氏の取材、判明までの経緯は「化学物質汚染列島~奇形タンポポの警告」(講談社)に詳しいので、ぜひご覧ください。奇形タンポポが見つかったら、私たち人間が危ないということが、この本を読むとわかります。奇形タンポポの宝庫・北海道も化学物質に汚染され、危険がいっぱいです。

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編集部

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北海道ファンマガジン編集部。編集部スタッフが取材執筆した記事や、名前を出さないライターの記事、寄稿記事の掲載の際にもこのアカウントが使われます。