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 北海道には原子力発電所が1ヶ所ある。泊村にある北">安全対策が急がれる北海道電力・泊原子力発電所 – 北海道ファンマガジン [ファンマガ]
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安全対策が急がれる北海道電力・泊原子力発電所


 北海道には原子力発電所が1ヶ所ある。泊村にある北海道電力・泊原発だ。2011年3月11日の東日本大震災に伴い、東京電力福島第一原子力発電所で極めて重大な事故が発生した。全国・世界的に原発の安全対策や見直しの動きが加速してる中、道内でも安全対策が問題になっている。(写真は2008年泊原発、著作:Mugu-shisai)

泊原発とは?

 積丹半島南部付け根の泊村大字堀株にある北海道電力の原子力発電所である。全部で3つあり、1号機は1989年6月22日に、2号機は1991年4月12日に、3号機は2009年12月22日に運転を開始した。いずれも加圧水型軽水炉、燃料の種類は低濃縮二酸化ウラン。出力は207万kWであり、道内の電気の約40%を賄っている。

 北海道初の原子力発電所をどこに建設すればよいのか。それは1967年10月にさかのぼる。はじめは泊村のほか、島牧村、浜益村の3村を建設候補地とした。2年後の9月に、建設予定地は共和町と泊村にまたがる用地となり、「共和・泊原発」となるはずだった。これは「今日は止まり」で語呂が悪いと言われた。

 結局1978年9月に、より沿岸部に建設予定地を変更し、泊村だけの用地に変更された。名称も「泊発電所」となった。着工したのは1984年6月で、2基が建設された。


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自治体の地震・津波対策

 東日本大震災による福島第一原発事故を受け、北海道電力・泊原発周辺の自治体もピリピリしている。半径30キロ圏内には13町村が含まれ、2011年3月29日には倶知安町で関係自治体による緊急関係町村会議が開催された。

 そもそも泊原発が事故を起こした場合の防災計画を持っているのは、10キロ圏内の自治体(泊村・共和町・岩内町・神恵内村)だけであるのが実情だ。道が、泊原発の万が一の事故に備えて、1986年に「北海道地域防災計画」を作成した。安定ヨウ素剤も備蓄されているほか、88カ所の避難所も配置され、原発敷地外の放射線量が50ミリシーベルト以上になった場合、所定の避難所等への避難が求められている。

 しかし、今回の東電事故では30km程度まで放射性物質が飛散していることから、これに加えて、30km圏内の自治体(余市町・仁木町・赤井川村・古平町・積丹町・倶知安町・ニセコ町・蘭越町・寿都町)も事故を想定した計画を策定する必要が生じている。

北海道電力の地震・津波対策

 一方、北海道電力は3月18日に泊発電所に「移動発電機車(発電設備容量3200kW)」を1台配備した。ちなみに「化学消防自動車」や「水槽付き消防車」は2008年3月に配備済みである。さらに、緊急時に重要な3点「止める」「冷やす」「閉じ込める」を確実に実施できるよう、津波対策を見直すと発表している。

 福島第一原発事故では、津波により非常用電源などの機能が失われた。泊原発では、M8.2程度まで耐えられる構造。津波の想定高さは9.8mで、非常用電源は標高10mの高さにある。この想定高さは1993年の北海道南西沖地震規模のものを想定しているにすぎない。したがって、だから安全ということではなく、想定を上回る津波で浸水した場合の津波対策も急務である。

 北海道電力はそうした事態になって、非常用ディーゼル発電機や海水ポンプが機能を失った場合でも、「タービン動補助給水ポンプ」により原子炉を冷却することができるため、こうした設備を活用しながら復旧を進めることができるとしている。

 さらに、停電時の緊急電源については、先述のとおり移動発電機車を活用して復旧させ、海水ポンプの復旧には、予備の海水ポンプ発動機を使用する。このような対策は行っているが、想定外の事態がいつ生じるとも限らない。北海道電力と自治体の地震・津波対策が急がれる。

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