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古き良き建物で優雅なコーヒータイムを!サッポロ珈琲館本店

早川千尋
Written by 早川千尋

古き良き建物で優雅なコーヒータイムを!サッポロ珈琲館本店

【札幌市】琴似駅の近く、鉄工団地通りを歩いていると、少し奥まったところに「coffee」という赤いネオンが見える。コーヒーの香りに誘われそちらに向かって行くと、一軒の喫茶店に出会う。「サッポロ珈琲館本店」だ。

古き良き建物で優雅なコーヒータイムを

夕方19時、見るからに古いその建物に入ると、コーヒーの香りとボサノバの音楽が迎えてくれた。入口近くの椅子に座りすぐ目に入るのは、ブラウン色の大きな木製ロングカウンター。控えめの照明に木目調の装飾、心を落ち着かせてくれる店内の雰囲気は、これぞ理想の喫茶店の姿と言えよう。

古き良き建物で優雅なコーヒータイムを!サッポロ珈琲館本店

サッポロ珈琲館本店の建物はただ古いだけではない。改装前は旧北海道工業試験場であり、 歴史ある建物だ。入口に「炭火焙煎工房」と書いてあるその建物では、コーヒー豆を毎日焙煎している。古き良き建物にただようコーヒーの香り、喫茶店好きの心をくすぐる。

こだわりの場所でほっと一息

サッポロ珈琲館では、空間づくりを非常に大切にしている。ロングカウンターにはひとりで来た人が座り、従業員との語りを楽しむ。手前のテーブル席ではカップルや友人同士など複数で来た人がよく座るのだそうだ。もちろん、喫茶店ではひとりでゆったりとした時間を楽しみたい人も多い。そんな人には奥の席がおすすめだ。奥は席ごとに壁で区切られており、ぼんやりしたり読書したりと、誰にも邪魔をされない自分だけの時間を過ごすことができる。席の配置だけでなく、BGM、照明、うつわなどの内装全てにこだわり、「なんとなく居眠りが出来ちゃうような、非日常的空間」を目指しているのだという。

古き良き建物で優雅なコーヒータイムを!サッポロ珈琲館本店 古き良き建物で優雅なコーヒータイムを!サッポロ珈琲館本店

店内にはギャラリーがあり、手作りの作品が展示されている。一般の方でも予約をすれば展示することが可能だ。この「回廊ギャラリー」は一年先まで予約が埋まっている人気のギャラリーだ。

古き良き建物で優雅なコーヒータイムを!サッポロ珈琲館本店

時間帯によって違う楽しみ方

午前、昼、午後、夜とそれぞれ雰囲気が違い、昼を境にメニューも変わる。 午前中は地域の常連がモーニングコーヒーを味わう。毎日同じ時間、こだわりの場所に座る。同じものを頼む人が多く、場合によっては事前に用意しておくこともあるのだという。 午前のコーヒーは日替わりで、毎日来るお客さんを飽きさせない工夫がされている。 昼は主婦層が多く、午後は女性たち、夜は仕事帰りやデートのカップルなどで賑わう。

BGMも時間帯で違い、店内の雰囲気はガラリと変わる。朝は爽やかな鳥の声、夜はムーディなボサノバなど、その時々に合った空間づくりをしている。ちなみに昼以降のコーヒーはハウスブレンドなのだそうだ。

ネルドリップで淹れる最高のコーヒー

サッポロ珈琲館ではコーヒーをネルドリップで淹れることにこだわる。ネルドリップとは、布で出来たフィルターを使いコーヒーを淹れる方法である。布製のフィルターの管理は難しいのだという。毎日欠かさず煮沸し、布についた粉を落として新鮮な水に漬けておくなど、とても手間暇をかける。しかし、この方法で淹れたコーヒーはとても良い味が出るのだそうだ。価格は通常のだいたい二杯分に設定されており、たっぷり入ったポットから自分で注ぐことで、好きなペースで飲むことが可能だ。

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コーヒーを茶せんでたてるという斬新なメニューがある。「イタリアと言えばエスプレッソ、フランスと言えばカフェオレ……。では日本は何だ?」と考えた時に思いついた「茶せんでたてる抹茶」をコ-ヒーにアレンジしたのだそう。使用しているコーヒーは水だしコーヒーだ。

古き良き建物で優雅なコーヒータイムを!サッポロ珈琲館本店

お茶受けとしては、カフェオレ羊かんというこれまた変わったスイーツが添えられている。羊かんのカフェオレの風味と甘くないクリームが見事にマッチしている。羊かんの甘み、生クリームのクリーミーさ、コーヒーの苦みを交互に味わいながら、最後まで美味しく完食。羊かんは売店でも購入でき、種類は炭火焼・カフェオレ・カプチーノと3つ選べる。

古き良き建物で優雅なコーヒータイムを!サッポロ珈琲館本店

妥協のないドリンク・フードメニュー

「珈琲館」と言えど、こだわるのはコーヒーのみではない。当店で提供されているマッグウッズのセイロンティーは北海道においてはサッポロ珈琲館のみの扱いで、エリザベス女王が持ち歩いていたという、歴史がある紅茶である。フレーバーティーもあり、今の季節はマンゴーやカシス、レモンなどがあり、水出しが出来るくらいに濃いのだそう。余市産100%果汁のりんご・ぶどうジュースなどもあり、ぶどうもワインに使うようなものを使用している。

また、フードに使用するのは北海道の素材である。パンは全粒粉のものを使用しているため、栄養価も高く健康にも良い。サンドの具材は季節ごとの旬の素材をふんだんに使用している。 そして何と言っても、フードメニューは全て「コーヒーに合うかどうか」を考慮されている。珈琲館ならではのこだわりだ。

今回取材するにあたって、コーヒーを飲んで過ごす空間へのこだわりというものが強く感じられた。日常に疲れてしまった人にはぜひ、サッポロ珈琲館本店に足を運んでほしい。ぼんやりしながらコーヒーを飲む、そんなひとときの幸せを感じることができるだろう。

サッポロ珈琲館本店
住所:札幌市西区八軒1条西3丁目1-63 [地図]
交通:JR琴似駅より徒歩5分
電話番号:011-612-6646
営業時間:9:00~23:00(日・祝日は22:00まで)
定休日:年中無休
席数:51席(カウンター13席、テーブル38席)

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筆者について

早川千尋

早川千尋

旭川で生まれ、札幌・釧路・函館を転々とし、札幌に落ち着く。カエルとものづくりが大好きで、特に消しゴム・石はんこや石鹸作りに情熱を注いでいる。心躍る面白い店と野生のカエルを求め、自転車とJR・地下鉄を駆使し札幌市内を放浪する。