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 北海道新幹線・新函館(仮">北海道新幹線札幌延伸着工へ!結局何が問題だったの? – 北海道ファンマガジン
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北海道新幹線札幌延伸着工へ!結局何が問題だったの?


 北海道新幹線・新函館(仮称)~札幌間延伸着工が2011年中に認可、2012年に着工、20~25年かけて延伸工事を行う予定です。同区間開通が確実視されているわけですが、しかし着工認可目前、延伸できるのか否かについてたびたび報じられていました。結局何が問題だったのでしょうか?

 まずは、北海道新幹線の基本的なところからおさらい。

 新青森駅~札幌駅までを結ぶ整備新幹線です。政府が1973年、全国新幹線鉄道整備法に基づき計画決定した路線の一つです。路線は新青森駅~札幌駅間の360.2km。新青森駅(青森県)、奥津軽駅(仮称)(青森県)、木古内駅(木古内町)、新函館駅(仮称)(北斗市)、新八雲駅(仮称)(八雲町)、長万部駅(長万部町)、倶知安駅(倶知安町)、新小樽駅(仮称)(小樽市)、札幌駅(札幌市)。北海道側は7駅です。

 ご周知の通り、新青森駅~新函館駅(仮称)間148.9kmは2005年5月22日に着工、2015年度に開業予定です。当初は2008年に着工決定し2009年にも着工予定でしたが、政権交代のため2011年にずれこみ、同年12月21日に民主党が北海道新幹線新函館(仮称)~札幌間の未整備区間の着工を政府に申し入れ、政府が正式決定することになりました。

着工5条件「沿線自治体の同意」

 計画浮上から約40年、2011年の着工決定まで紆余曲折あり、2011年末には着工認可間近ということで、この話題がニュースに度々登場しました。複雑な事情がありますが、簡単に言うと、「国が着工認可する条件にかなうかどうか」というところが問題になっていたわけです。

 国道交通省が定めている新幹線着工条件5つとは、以下の通りです。
1.財源確保
2.採算性
3.投資効果
4.JRの同意(北海道の場合JR北海道)
5.並行在来線をJRから経営分離する場合、沿線自治体の同意

 1~4については問題なかったわけですが、5についてはJR北海道が並行在来線の函館駅~小樽駅間を経営分離する方針を示していて、そうなると、沿線自治体15市町の同意が必要になります。

 沿線自治体としては、第三セクター鉄道として残すのか、鉄路廃止・バス転換にするのかを迫られます。地元としては、交通アクセスの便が悪くなったり様々な地域負担が生じるため、難色を示す自治体も出てくるわけです。

 沿線自治体として対象となるのは、函館市、北斗市、七飯町、鹿部町、森町、八雲町、長万部町、黒松内町、蘭越町、ニセコ町、倶知安町、共和町、仁木町、余市町、小樽市の15市町。(ちなみに札幌駅~小樽駅間はJR北海道が経営継続の可能性が高そうです)

 これらすべての自治体が経営分離に同意する必要がありますが、はじめすべての自治体が同意したわけではありませんでした。11月までに10市町が同意、北斗市、蘭越町、余市町、小樽市も最終的には同意を表明、2011年12月16日までに14市町が同意したわけですが、そんな中、最後まで判断を先送りにしたのが函館市でした。

最後まで決まらなかった函館~新函館間

 経営分離問題で最後まで決まらなかったのが函館市でした。2010年3月にJR北海道が経営分離するとしている区間(小樽駅~函館駅間)には、新函館駅(仮称)~函館駅間も含まれています。しかし、北海道新幹線のルート上には含まれず、経営分離同意を取り付けるのに一番のハードルとされてきました。

 新函館駅(仮称)~函館駅間の経営分離については、函館市は特に函館商工会議所など地元経済界が反対してきました。函館市民に不信感を与えたのは、1994年、新函館駅(仮称)を現在の渡島大野駅(北斗市)に設置することに函館市が同意した際、覚書には「新幹線車両の函館駅乗り入れを協議する」と記述されていながら、2005年に道が一方的に"無理"としたこと。

 その後2011年11月には、函館市長がバス転換しないこと(鉄路維持)などを条件に経営分離容認を表明しました。2011年12月12日には同区間を電化することを提案。そして2011年12月21日、函館市も在来線経営分離に同意。これにて全15沿線自治体の同意を取り付け、着工条件をすべてクリアしました。


 現時点では、今後、道南の鉄路は以下のようになるかもしれません。函館線はJR貨物の貨物輸送の関係上、青函トンネルから長万部駅までは鉄路を残す可能性は高く、長万部駅~小樽駅は廃線の可能性があります。その場合、小樽駅が終着駅になり、長万部駅は分岐駅ではなくなり、在来線特急も札幌~函館間→札幌~東室蘭or長万部間になる可能性があります。

・北海道新幹線(新青森~札幌)
・JR江差線 江差駅~木古内駅間(並行在来線ではない)
  ・2005年 JR北海道は廃線・バス転換の意向
  ・2011年 JR北海道は地元の強い要望があれば検討すると表明
・JR江差線 木古内駅~五稜郭駅間(並行在来線)
  ・道がバス転換提案
  ・鉄路は第三セクター設立後貨物専用線としJR貨物が利用
  ・ただし旅客鉄道運行の可能性も残す(北斗市が存続要望)
・JR函館線 函館駅~新函館駅(仮称)間(並行在来線)
  ・2011年 鉄路存続・第三セクター化・電化を提案
・JR函館線 新函館駅(仮称)~長万部駅間(並行在来線)
  ・貨物専用路線として鉄路存続の可能性
  ・バス転換、あるいは第三セクター化の可能性
・JR函館線 長万部駅~小樽駅間(並行在来線)
  ・廃線・バス転換、あるいは第三セクター化の可能性
・JR函館線 小樽駅~札幌駅間(一応並行在来線)
  ・JR北海道が経営継続

 このように地元自治体の同意を得ましたが、着工済みである新青森駅~新函館駅(仮称)間でもまだJR江差線の扱いを巡ってやりとりがあることから、着工後の方針転換もあり得ます。まだ未定部分が多くあるため、最終的に北海道南部の鉄路がどのような状態になるのか、今後も注目していきたいところです。

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