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北海道新幹線H5系車両が試験走行をスタート!どんな試験をするの?

編集部
Written by 編集部

北海道新幹線H5系車両が試験走行をスタート!どんな試験をするの?

【北斗市・木古内町】2016年3月までに開業を目指している北海道新幹線・新青森~新函館北斗間。これまでは高架や駅舎の建設工事が進んでいるのを目にすることはあっても、開業はまだ先なのだと思いがちであったが、2014年10月の函館港への新幹線車両陸揚げと陸送、さらには試運転で実物の車両が走っている姿を目にすると、いよいよ開業間近なのだと実感が沸いてくる。

2014年12月1・2日には、試験走行歓迎セレモニーが新函館北斗駅(北斗市、現・渡島大野駅)と木古内駅(木古内町)で開催され、初めて北海道新幹線H5系車両が両駅に入線。沿線でも、試験走行開始に対し歓迎ムードの住民も多く、いよいよ盛り上がりを見せている。そこで今回は、試験走行開始にあたり、北海道新幹線試験走行に関連した情報を備忘録としてまとめる。

北海道新幹線H5系の本線における試験走行計画

JR北海道は、開業までに北海道新幹線H5系車両10両を計4編成納入する計画。そのうち2編成20両が2014年10月13日~22日までに函館港で陸揚げされ、函館総合車両基地(七飯町)に順次陸送された。

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構 鉄道建設本部 北海道新幹線建設局によると、これまで新幹線施設の建設・保有主体として新幹線建設を進めてきたが、奥津軽いまべつ~新函館北斗間については、営業車両を使用しない構造物等の監査・検査が2014年11月末に終了した。

▼旧知内駅、湯の里信号場構内に2013年12月から建設された上り方のスノーシェルター。札建工業が施工。
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これに伴い、2014年12月1日から営業主体であるJR北海道の協力を得て、営業車両を使用し、構造物等が新幹線走行にあたり問題がないかを施設の面から確認する「総合監査・検査」が始まった。12月7日には青函トンネルも初めて走行。2015年度以降は新青森まで区間延長し試運転を行う。

同機構によると、試運転に際し、車両を実際に走らせて行う試験内容は主に3つ。段階的に速度を上げながら実施していく。

(1)入線・架線試験
全線路について列車を時速30㎞以下で走行させ、主に構造物(桁たわみ)、き電区分(変電所の切替)、電力特性(電圧/電力)、電車線(パンタグラフ)、信号試験および標識視認性、無線試験、ホーム測定などの状態に不具合がないか、7項目で確認する。

(2)ATC現示試験
ATC信号の地上・車上での送受信の照合、位置検知、軌道回路受信レベルの測定などについてパターンを設定して試験を行い、信号設備に問題がないか確認する。最高速度は時速110㎞。

(3)速度向上試験
ATCを使用して試験列車を走行させ、主に軌道・電気設備の状態を確認しながら、最終的に設計最高速度260㎞まで10~20㎞刻みで段階的に速度を向上していく。輪重横圧測定(レールにかかる力)、車体加速度(乗り心地)、電車線(電気を確実に受けられるか)、信号試験(信号を確実に受信できるか)、無線試験(列車無線が確実に通話できるか)の5項目でチェックを行う。

特に雪国北海道ではじめての新幹線となる北海道新幹線。同機構の担当者は「JR北海道としっかり連携し、天候に左右されにくく、安全、安心な、乗り心地の良い高速走行を安定的に提供できるよう、各種試験を繰り返しながら完成度を高めていきたい」としている。

▼新函館北斗駅で行われた測定作業
北海道新幹線H5系車両が試験走行をスタート!どんな試験をするの?

▼木古内駅入線時にはじめて表示された「試運転」表示
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▼映像:新函館北斗駅・測定作業の様子

新函館北斗駅で試験走行歓迎セレモニー開催、初入線

試験走行開始にあたり、新函館北斗駅では13:45から試験走行歓迎セレモニーが行われた。一般公募に対して952名の応募があり、抽選で202名が当選(近隣からが7割で、その他、札幌市、名寄市、室蘭市など、檜山管内を除く道内から3割が参加した)。来賓や地元小中学校生などを合わせて325名が会場に駆け付け、小旗を手に北海道新幹線車両を歓迎した。会場には北海道新幹線PRキャラクターどこでもユキちゃん、北斗市キャラクターずーしーほっきー、函館市のイカール星人、七飯町のポロトくん、ポントちゃんも登場した。

下りホームを会場にした同セレモニーでは、函館総合車両基地を出発した1編成が、北斗市立上磯中学校吹奏楽部2年生32名の「銀河鉄道999」の演奏とともに上りホームに入線。北斗市長、渡島総合振興局長の挨拶、鉄道・運輸機構北海道新幹線建設局長と運転手に対して北斗市立市渡小学校児童会長・副会長から花束贈呈が行われ、くす玉が開披された後、退線した。

新函館北斗駅セレモニー終了後は、渡り線を渡り、下りホームにも入線。ホームと車両の間隔を測る測定作業が行われ、その様子も報道陣に公開された。※新函館北斗駅での歓迎セレモニーの模様はこちらの記事を参照

▼映像:新函館北斗駅・歓迎セレモニーの様子


▼新函館北斗駅・歓迎セレモニーの様子
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▼新函館北斗駅・建設工事の様子
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北海道新幹線H5系車両が試験走行をスタート!どんな試験をするの?
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木古内駅でも試験走行歓迎セレモニー開催、大いに盛り上がる

翌日12月2日には、函館総合車両基地から本線を通り木古内町に初めて車両を走らせた。木古内駅への初入線にあたり、12:45から木古内駅で歓迎セレモニーが行われた。同セレモニーには、渡島西部4町と檜山管内に限定した一般公募に対し205名が応募、抽選で135名が当選(木古内町から81名、その他54名)。主催者や来賓、木古内中学校全生徒、知内高等学校生徒など合わせて400名が参加した。

木古内駅会場では、駅舎内1階コンコースでセレモニーの前半を行い、後半を2階ホームで行った。木古内町長、北海道副知事の挨拶に続き、木古内町のキャラクター・キーコ駅長によるくす玉開披が行われた。木古内中学校生徒会4名に加え、木古内の観光PRをキーコと一緒に活動していく目的でこのたび女性3名で結成し誕生したキーコガールズも登壇、キーコとともにくす玉割りを行った。また、函館商工会青年部はやぶさPR隊のサプライズ登場、知内高等学校吹奏楽部28名による「銀河鉄道999」「汽車のたび」演奏も行われた。

参加者はその後2階下りホームに移動し、9町フラッグと小旗、みそぎ太鼓の会によるみそぎ太鼓の演奏とともに、上りホームに入線する北海道新幹線車両を歓迎した。折しも当日は暴風雪警報が発表された日であり、雪の降る中での歓迎となった。会場には次代を担う地元木古内中学校の全生徒100名が参加しており、たびたび歓声を上げるなどしてセレモニーを盛り上げた。セレモニー終了後は、駅舎入口で木古内町名物こうこう汁が木古内商工会女性部によって振る舞われた。なお、車両はホーム到着後、ホームと車両の間隔を測る測定作業を行った。

▼映像:木古内駅・歓迎セレモニーの様子


▼木古内駅・歓迎セレモニーの様子
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▼木古内駅・建設工事の様子
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正式駅名(新函館北斗)、列車名(はやぶさ・はやて)、函館駅までのアクセス列車などがようやく決定した段階だが、2016年3月予定の開業までの間、新幹線をはじめ道南の鉄道関連はさらに動きが加速する。その中には、函館・五稜郭~木古内間の在来線の第三セクター化も含まれる。寝台特急トワイライトエクスプレス(大阪~札幌)や寝台特急北斗星(上野~札幌)の廃止など、列車の高速化が推し進められていく。

一方で、両新幹線駅舎も2015年春から夏にかけて完成、秋以降は開業日・運賃・ダイヤがそれぞれ決定し、開業まで秒読み段階に入る。遅くてもあと1年と少し。北海道新幹線開業が待ち遠しい。

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